サツマイモの育て方!プランターを使って家庭菜園を始めよう
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- サツマイモの育て方
- 目的(解決できる悩み)
- プランターを使ってサツマイモを育てて収穫できるようになること
- 目次
- 1.プランターを使ったサツマイモの育て方
- プランターと土の準備
- 苗(芋つる)の選び方
- 苗の植え付け
- 水やり
- 追肥
- 生育中の注意点
- 収穫
- サツマイモ栽培中に起こる様々なトラブル
1.プランターを使ったサツマイモの育て方
サツマイモ栽培を成功させるには、老化苗は使わず水やりは少なく肥料は与えないことです。
サツマイモの育て方を覚えて大きく育ったサツマイモを収穫してみませんか。
サツマイモの苗(芋つる)の選び方から収穫するまでの各作業工程の要点をわかりやすく解説しています。
プランターと土の準備
サツマイモの苗(芋つる)を購入する前にプランターと培養土を準備します。
プランターとは土を入れる容器のことで、培養土とはいろいろな種類の用土と肥料が一緒に混ぜ合わされている野菜作りに適した土のことです。
サツマイモの栽培では、プランターは底が深いもの、培養土は水はけが良いものを選びます。もし、プランターの底にスノコが付属していなければ鉢底石を敷き詰めてください。
培養土の種類には、花用と野菜用がありますので、野菜用を購入するようにしてください。また、ホームセンターで特価で売っている土でも野菜は育ちますので高い値段の土を買う必要はありません。
培養土を使えば初めから土に肥料が適量配合されていますので、袋を開けたらそのまま使うことができ大変便利です。
苗(芋つる)の選び方
サツマイモの苗(芋つる)は、家の近くのホームセンターでも購入できますし、送料が掛かりますがインターネットのショップからでも注文して購入できます。
ホームセンターでサツマイモの苗(芋つる)を選ぶ時は、
サツマイモの芋つるの選び方
- 全長が30cmくらいのもの
- 葉が枯れていないもの
- 根っこが伸びていないもの
- 茎は緑色で太いもの
が良い苗ですので選ぶ時の参考にしてください。
サツマイモの苗に根っこが生えていなくて育つの?と疑問に思う人がいますが、根っこは土に植え付けて水やりをすれば自然に生えてくるので問題ありません。苗は長さ30cmで節間が短いものを植え付ければ順調に生長して土の中に芋をつけます。
植え付けシーズンを過ぎたサツマイモの苗は特価で売っていますが、茎が変色している、葉が黄色くなって枯れている、根っこが伸びている苗(老化苗)などが含まれているので苗の状態をよく確認してから購入しましょう。
苗を植え付ける前準備
購入した苗はそのまま植え付けても構いませんが、よく育つように次の作業をすることをおすすめします。
- 苗を植え付ける2日前に日陰に放置して乾燥させます。
- 植え付ける前日になったらバケツなどの容器に水を注ぎ、その中に苗の切り口を入れ水を吸わせます。
以上の2つの作業をすると土に埋めた時、根が張りやすくなります。気温が20℃以上あれば植え付け適時です。
苗の植え付け
サツマイモは寒さが苦手で高温を好むので、5~6月にかけて暖かくなってきましたら、苗をプランターへ次の3種類のいずれかの方法で植え付けます。サツマイモは生育期間が長く霜が降りる前まで収穫できるので遅く植え付けても大丈夫ですが、遅くても6月下旬までに植え付けてください。
3種類の植え付け方法
サツマイモの苗は、主に3種類の植え付け方法があります。
芋つるの植え付け方
- 水平植え
土を掘って、苗を水平にして植え付けます。 - 斜め植え
棒を土に斜めに突き刺して穴を開け、その穴に苗を入れて植え付けます。 - 船底植え
苗を船底の形となるように、埋める中心部分よりも切り口の方が少し上側にして穴を掘って植え付けます。
一般的には、マルチをかけた畑では斜め植え、その他の場所では水平植えか船底植えを使います。
しかし、苗はどの方法で植え付けてもよく、とにかく節を2~3節程度土に埋めて、葉がついている苗の先端は埋めないようにすればいいです。
なお、サツマイモの根は、吸収根(きゅうしゅうこん)と不定根(ふていこん)の2種類あります。
サツマイモの根の種類
- 吸収根:水や養分を吸い上げる根
- 不定根:でんぷんを蓄えて肥大していもになる根
節から生えている根は不定根なので最終的にいもになる部分なので、節をたくさん埋めれば芋をたくさん収穫することができます。
植え付け手順(水平植えの場合)
ここでは、オーソドックスな水平植えで苗を植え付けてみます。
まずは、プランターの中へ培養土を入れ、苗と苗の植え付け間隔は最低でも15cm以上空けるようにして、苗の切り口側の2~3節が土に隠れるようにする為に地面に3cmくらいの深さの穴を掘ります。
次に行う作業は、穴を掘った所にサツマイモの苗を地面と水平に入れて培養土を被せます。苗の植え付けが終わりましたら、最後に水をたっぷり与えてください。
また、苗を植え付けた時に、ウォータースペースを確保します。
ウォータースペースとは、プランター上部から下3cmくらいは土を入れず、水やりの時に一時的に水が溜まるスペースとなる役割をするものです。
私の経験では、新品の培養土では水やりをしても大雨が降っても水が溜まってプランターの上部から水があふれ出たことは1回もありませんが、使い古して固くなった培養土や野菜の根が生長しすぎて土が足りない状態では水が溜まるようになるのでウォータースペースは忘れずに作りましょう。また、根もの野菜は増し土を行う為にスペースを空けておくとよいでしょう。
なお、野菜を1回育てた土を再利用する場合は植え付ける前にほんの少しだけ苦土石灰と肥料(有機質肥料や化成肥料)を土に混ぜ込んでください。
植え付けをした直後は苗はしおれていて枯れそうですが、根が生えればどんどんつるが伸びていきます。
植え付け後2週間くらい(吸収根が張るまで)は、土が乾燥しないように毎日水やりをしてください。サツマイモは乾燥に強いので、根が張りだしたら土の表面が乾燥したら水やりをすれば大丈夫なので、水やりの頻度を少なくしてもいいです。
水やり
サツマイモへの水やりの時間帯は、朝から昼までの間が適しています。
水の量は土の表面だけを湿らすのではなく、土の下の方まで水が染み込むように、プランターの底の排水用の穴から水が出てくるくらいハス口付きのジョウロでたくさん与えてください。ハス口無しのジョウロで水やりをすると土が固まりやすくなるので注意してください。
夏は日なたにプランターが置いてあるとすぐに土が乾燥してしまうので、水やりをする時間帯に関係なく土が乾燥していることに気がついたらその都度水やりをしましょう。
しかし、サツマイモは乾燥と高温に強く過酷な条件下でも育っていきます。少しくらい土が乾燥しても大丈夫ですし、夏の気温でも問題なく生長していくので、水やりをする暇がない人は週に3回くらいでも構いません。逆に必要以上に水をやり過ぎると病気に掛かりやすくなり生長が悪くなります。水のやりすぎに注意しましょう。
そうはいっても水をやらずに土が1カ月間乾燥したら確実に枯れますので適度に水を与えてください。
追肥
市販されているほとんどの培養土には、元肥といってあらかじめ土に肥料が混ざっているのでそのまま使うことができますが、野菜が大きく育つにはそれぞれの野菜に適した量の肥料を定期的に補充しなければいけません。
サツマイモは窒素固定菌が共生していて自ら窒素肥料を作りだしているので窒素成分を追肥しなくてもいいです。主にカリとリン酸を追肥して栄養分を補いましょう。
みなさんは、サツマイモ作りにチャレンジしてみたけど、つるだけ伸びて芋が収穫できずに失敗したという経験はありませんか?
それは、窒素成分が多い肥料を与えていたことも原因の1つだと思います。
サツマイモに追肥(肥料を追加して補う)をするタイミングとしては、苗を植え付けてから1カ月に1回の頻度で、速効性の液体肥料か緩効性の化成肥料を与えていきます。
※肥料の効果が現れるのに時間がかかる有機質肥料は追肥には向いていません。必ず速効性がある液体肥料や緩効性の化成肥料を使ってください。
但し、サツマイモは肥料をあまり必要としないので少なめの量で追肥してください。液体肥料では原液を水で1000倍に薄めて水やりの代わりとして、化成肥料ではスプーン1杯を目安としてプランター全体にばら撒くか穴を掘って埋めます。
サツマイモの追肥は窒素肥料を控え目にすることがポイントで、サツマイモは窒素過剰になるとつるがものすごい勢いで伸びるけど芋が大きく生長しないというつるボケという症状が現れるようになります。窒素成分の追肥を一所懸命行うと芋の収穫ができなくなりますので注意してください。
つるが伸び過ぎている時は窒素成分の追肥を止めて、芋を太らせる為にカリとリン酸を多めに追肥しましょう。
生育中の注意点
サツマイモは生長するとつるが伸びてきますが、支柱を立てて誘引する必要はありませんし、主枝の生長点(茎の先端部分)を切る必要はなく自然の流れのまま伸ばしてください。
しかし、苗を植え付けてからある程度日数が経過すると、下の写真のようにつるが凄まじく長く伸びていることに気がつきます。
伸び過ぎたサツマイモのつる
節から根が伸びたサツマイモのつる
つる返ししたサツマイモのつる
サツマイモのつるが伸びてくるとそれぞれの節から根が生えてくるようになります。
もし、土の上で根を伸ばしていくと、サツマイモは過酷な条件でも育つので、根から栄養を吸い上げてますますつるが長く伸びていくようになります。つるが伸びすぎると芋が肥大しなくなるので気をつけましょう。
その様な状況にならないように、つる返しと言って土に張った根をはがしてつるを丸めてひっくり返す作業を行い、つるが周辺の野菜の生長の邪魔になる時もつるを丸めてひっくり返してください。
また、サツマイモには滅多なことがない限り花は咲きませんが、栄養分を芋の方に送りたいので、もしも花が咲いたら花を切り取ってください。
増し土について
増し土はイモ類のサツマイモにとってとても重要な作業です。
サツマイモは栽培期間がとても長いので、水やりや芋の生長で芋が土から見えるようになることがあります。その様な場合では、芋が太りにくくなるので、必要に応じて増し土を行い芋が土の中に隠れるようにしましょう。
芋が地上に出ていなければ増土をしなくても大丈夫
1本の苗からのサツマイモの収穫量は4個くらいを目安にしてください。
なお、サツマイモは毎回同じ土を使いまわして育てる連作をしても問題ないので、サツマイモが好きな方は毎年栽培に挑戦してみてください。
収穫
サツマイモの苗を植え付けてから6カ月くらい経過して秋になると葉っぱが枯れ出します。
葉っぱが黄色く枯れ出してくる10月辺りが収穫適期となりますが、サツマイモは土の中にできているのでどのくらい生長したのか目視ではわかりませんよね。
葉っぱが枯れ出したら晴天の日に試しにスコップで掘り出してみて、サツマイモの生長具合を確認してみてください。収穫する時はつるのつけ根を持って引っ張ると芋全体を引き抜くことができます。
- 大きいサイズのサツマイモを収穫するには
- サツマイモを掘り出したけどサイズが小さいという経験はありませんか?
- 芋を太らせる為には、窒素成分が多い肥料を与えないことです。土壌中の窒素が多くなるとつるは長く伸びますが芋は大きくなりません。大きいサツマイモを収穫するには、水と肥料をあまり与えないように管理しましょう。
サツマイモの掘り出し
サツマイモの収穫
サツマイモは味が落ちやすいので遅くても霜が降りる前までには収穫を終わらせてください。また、サツマイモは採れたてよりも1カ月くらい保管して追熟させた方が甘味が増します。
サツマイモの保管場所としては、冷蔵庫には入れずに日が当たらなく常温で涼しい場所で保管温度は15℃くらいが適しています。ぜひ、追熟させた甘いサツマイモを味わってみてください。
サツマイモ栽培中に起こる様々なトラブル
サツマイモの苗が順調に育っていけばいいのですが、生育途中で必ず何かしらの問題が起きることが多いです。
例えば、害虫トラブルでは、主に、植物の汁を吸うアワダチソウグンバイと葉っぱを食害するイモキバガの被害が多いです。稀にエビガラスズメによっても葉っぱが食害されるので見つけ次第補殺しましょう。
害虫:葉の汁を吸っているカメムシ(アワダチソウグンバイ)の成虫
害虫:葉を食べている蛾(イモキバガ)の幼虫
害虫:葉を食べている蛾(エビガラスズメ)の幼虫
サツマイモの栽培中によく起きるトラブルや疑問に思うことをまとめましたので栽培時の参考にしてください。
サツマイモ栽培のpoint
- 酸性の土でもよく育つので苦土石灰は不要です。
- 土壌を選ばず病気にかかりにくいので連作可能です。
- 苗は根(吸収根)がついていないものを植え付けます。
- 植え付け時は、苗の先端の葉っぱは埋めないようにします。
- 苗を植え付けて全然生長しない時は苗立枯病に掛かっていることがあります。
- 肥料の窒素成分が多いとつるがすごく伸びて実つきが悪くなるつるボケという状態になります。
- つるが伸びすぎた時は先端を切るか、つる返しをします。
- 蛾の幼虫が葉を食べたり、カメムシが葉の汁を吸ったり、センチュウがいもにキズをつけたりなど害虫被害が多いです。殺虫剤を散布するなどの害虫対策をしてください。
- 収穫が遅れるといもの味が落ちます。
(記事作成日:2018年2月4日、最終更新日:2023年3月4日)