歯の構造と歯冠・歯根の役割と働き
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- 歯の構造はどうなっているの?
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- 歯の構造と歯冠・歯根の役割と働きを覚えて虫歯の原因を理解できるようになること
- 目次
- 1.歯の構造や歯冠・歯根の役割や働きの基礎知識
- 虫歯や歯周病の原因って何だろう?
- 歯の構造と組織の役割
- 食べ物を噛む歯冠と歯を支えている歯根の働き
1.歯の構造や歯冠・歯根の役割や働きの基礎知識
歯の構造は、大きく分けると口を開けた時に見える歯冠と歯を支えている歯根に分けられます。
食生活が乱れていたり、歯磨きをしていないと歯冠と歯根が傷むようになり虫歯や歯周病になりやすくなります。
歯冠と歯根の構造や働きを覚えて虫歯や歯周病になる原因の知識を深めましょう。
虫歯や歯周病の原因って何だろう?
私たちの口の中は毎日歯みがきをして清潔にするように心がけているつもりなのに、歯はいつの間にか虫歯や歯周病になってしまうことが多くあり何だか不思議ですよね。
虫歯になる理由の多くは、
虫歯の理由
- 食生活が乱れている
- 歯みがきの仕方が悪い
が考えられます。
みなさんは、1日の間に間食は何回していますか?
間食する回数が多いという方は注意が必要です。
なぜなら、口の中は食べ物を食べるとpHが変わるからです。
pHとは、水素イオン濃度指数のことで、酸性、中性、アルカリ性を0~14までの数字で表します。
食べ物を食べると口の中は酸性に傾き、唾液の力で中性付近に戻るという仕組みを持っていて、歯の表面は酸性になると溶けだして、中性付近になると元に戻るという性質があります。
また、食事をした時の食べかすが歯に残っていると、細菌のかたまりであるプラーク(歯垢のこと)が付着し食事に含まれる糖分をえさとして歯に悪さをするようになるので注意が必要です。
虫歯になるかならないかは、口の中のpHのバランスとプラークが大きく関係しており、歯周病になるかならないかもプラークが大きく関係しています。
虫歯や歯周病予防をするには、歯に付着したプラークを歯みがきをして取り除くことが重要です。
まずは、私たちの歯はなぜ虫歯や歯周病になるのかという詳しい原因や予防方法を知る前に、歯の構造を知っていた方が虫歯や歯周病に対する知識はより深まり理解しやすくなると思うので、歯の構造から勉強していきましょう。
歯の構造と組織の役割
毎日何気なく食べ物を噛む時に使っている私たちの歯は、大きく分けると次のように歯冠と歯根に分けられます。
- 歯冠(しかん)
- 歯冠は、食べ物などを噛む時に使い、口を開けたら目で見える部分のことです。
- 歯根(しこん)
- 歯根は、歯の土台となって歯を支えており、歯肉(歯ぐき)と歯槽骨の中に埋まっているので目で見えない部分のことです。
歯冠部分をさらに細かく分けると、
歯冠部分の構造
- 歯の表面のエナメル質
- エナメル質の内側の象牙質
- 象牙質の内側の歯髄
の3つの組織で成り立っています。
それぞれの組織は硬さが異なり、一番硬い部分は歯の表面のエナメル質です。
- エナメル質
- エナメル質は、歯の一番外側の表面の部分です。硬い組織ですが酸には弱いです。
※エナメル質は人間の体の中で一番硬い組織です。 - 象牙質(ぞうげしつ)
- 象牙質は、エナメル質の内側の部分で、エナメル質よりも軟らかい性質があります。
- 歯髄(しずい)
- 歯髄は、象牙質の内側の部分です。血管や神経が通っていて象牙質に栄養を送ったり脳に刺激を伝える役割があります。
歯根部分は、毛細血管が張り巡らされている歯肉(歯ぐき)という粘膜組織と歯槽骨があり、その内側に歯があります。
歯根部分の歯の表面はセメント質に覆われていて、セメント質の内側は象牙質、象牙質の内側は歯髄という構成です。
また、歯のセメント質と歯槽骨との間には歯根膜があり、歯を歯槽骨へしっかりと固定して簡単に抜けない仕組みになっているおかげで、毎日食べ物を噛んで食事ができます。
- 歯根膜(しこんまく)
- 歯根膜とは、歯根のセメント質と歯槽骨をつないでいる弾力がある繊維状の組織のことです。噛んだ時の衝撃を和らげたりどのくらいの圧力で噛んでいるのかを伝える役割があります。
このように、歯根部分にある歯肉(歯ぐき)、歯槽骨、歯根膜、セメント質のことを歯周組織といいます。
食べ物を噛む歯冠と歯を支えている歯根の働き
歯は、目で見える歯冠部分と目で見えない歯根部分があり、それぞれの部分は虫歯や歯周病に対して重要な働きをしています。
歯冠の表面のエナメル質はとても硬い組織で、象牙質や歯髄が虫歯菌に侵されないようにしっかりガードしています。
しかし、エナメル質は硬い組織ではありますが酸には弱い性質があります。虫歯菌は食事をした時の食べ物に含まれる糖分をエネルギーにして活発に活動し出すと酸を作り出すようになり、虫歯菌によって作り出された酸がエナメル質の表面を溶かし続けるとエナメル質に穴が開いて虫歯になってしまいます。
さらに、虫歯菌がエナメル質から象牙質や歯髄まで溶かしてしまうと痛みを伴うようになります。
歯髄は毛細血管が走っているので象牙質へ栄養を送り、神経も走っているので噛みごたえなどの刺激を脳へ伝えることができる大切な部分ですが、歯髄まで達してしまった虫歯は神経を取ってしまわないといけなくなります。
歯の神経を取ってしまうと象牙質へ栄養が供給できなくなり象牙質は再生できなくなるので歯が弱くなり欠けたり折れやすくなり、見た目の変化では歯の色が黒く変色します。
歯をぶつけたりして強い衝撃を加えて歯髄が死んでしまっても歯の色は黒くなります。
また、歯は歯槽骨、歯肉(歯ぐき)、歯根膜によって抜け落ちないように支えられていますが、歯周病菌が活発に活動し出すと歯ぐきが炎症を起こし歯みがきをした時に血がでたり口臭がするようになります。
さらに歯周ポケットの奥へと歯周病菌が入り込んで悪さをすると重度な歯周病へと悪化し、歯ぐきの位置が下がり歯槽骨が溶けて歯がぐらぐらになり支えられなくなると歯が抜け落ちてしまいます。
虫歯で歯を抜いたり歯周病で歯が抜け落ちてしまい部分入れ歯を入れて食事をするよりも、いつまでも自分の歯で噛んで食事をしたいですよね。
歯は歯周組織が土台となり支えられて生えているので、虫歯にならないように歯をケアすることは大切ですし、歯周病にならないように歯ぐきをケアすることも大切です。
(記事作成日:2017年8月22日、最終更新日:2019年8月5日)