歯周病の原因・症状・治療方法
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- 歯周病はどんな病気?
- 目的(解決できる悩み)
- 歯周病になる原因、症状、治療方法がわかるようになること
- 目次
- 1.歯周病(歯槽膿漏)の基礎知識
- 歯周病ってどんな病気?
- 歯周病の主な症状
- 歯周病の進行具合を知る方法
- 歯周病の治療方法
1.歯周病(歯槽膿漏)の基礎知識
歯周病とは、歯と歯ぐきの境目に付着したプラークが原因で、歯ぐきが炎症を起こして、歯がぐらぐらになって抜け落ちる病気のことです。
初期段階の歯周病は、歯ぐきが赤く腫れる、口臭がひどくなる、歯みがき時に出血するという症状です。
歯周病になってしまったら歯医者で治療しなければ治りませんので、できるだけ初期の状態で治療するようにしてください。
歯周病ってどんな病気?
歯周病(歯槽膿漏)とは、歯ぐき(歯肉)が炎症を起こして歯を支えている歯槽骨が溶けていく病気のことです。
歯周病を放置しておくと最終的にはどうなるのかというと、歯がぐらぐらして抜け落ちてしまうので早期治療に心がけなければいけません。
巷では、歯周病は高齢者がかかりやすい病気だと思われていますが、虫歯と同様に歯周病は細菌の増殖が原因で起きる病気なので、年齢に関係なく口の中を清潔にしていないと症状が現れるようになります。
軽度の歯周病になっている方を含めると、大人の約8割は歯周病にかかっているといわれており、20代だからといって安心はできません。
歯周病が厄介なところは、初期の歯周病は痛みを伴わないのでそのまま放置しがちになり、ある程度症状が進行してからでないと自覚ができないことです。
歯周病の症状が悪化して歯がぐらぐらしてから治療しても完治しにくく歯を抜くことになるかもしれません。歯周病の症状が悪くなってから治療を開始するよりも初期の状態の時に治療した方が完治しやすいので、歯ぐきの異変に気がついたらすぐに歯医者さんへ行くことをおすすめします。
なお、歯がぐらぐらするのは歯周病によって歯ぐきが炎症を起こして支えが弱くなる他に、加齢による老化現象の場合があります。
歯周病の主な症状
健康な歯ぐきは薄いピンク色で歯ぐきは引き締まっていますが、歯と歯ぐきの境目にプラーク(歯垢)や歯石が溜まっていくと、次のような歯周病の症状が現れるようになります。
歯周病の症状
- 歯ぐきに炎症が起きて赤く腫れ手で触るとブヨブヨする
- 歯みがきをすると出血する
また、歯周病になると口の臭いがいっそう強くなるので、普段から口臭が気になる方は歯周病を疑ってみてください。
歯周病が起きる仕組みは、歯と歯ぐきの境目や歯周ポケットに付着しているプラークに住みついている歯周病菌が繁殖して毒素を作り歯ぐきに炎症が起き赤みを生じさせ、その時に強い臭いも発生させているので口臭が気になる方は注意してください。
歯周ポケットに入り込んだ細菌のかたまりであるプラークは歯みがきをしても追いだせませんし、時間が経過するとプラークは固まって歯石に変わり歯みがきでは取れなくなります。虫歯のように痛みがあるわけでもないので、長い間歯医者さんで歯の診察をしてもらっていない方は歯周病になっていることに気付いていない人もみえます。
歯周病が進行すると歯槽骨が溶け始めて歯周ポケットが深くなり、歯周ポケットの中にプラークが入り込むと状況はさらに悪化して歯を支えている歯槽骨はますます溶けてしまうので歯を支えきれなくなり歯がぐらぐらになって最後には歯が抜け落ちてしまいます。
歯周病で歯槽骨が溶けて歯ぐきの位置が下がると歯根部分の象牙質が露出するようになり、冷たいものがしみる知覚過敏にもなりやすいです。
初期の歯周病の場合は歯みがきをすれば健康な歯ぐきを取り戻すことができます。歯ぐきが赤く炎症している、歯みがき時に歯ぐきから血が出る、口臭が気になるという方は、歯みがきをして歯と歯ぐきの間に付着しているプラークを落としてください。
歯周病菌が作りだした毒素が血液に乗って全身にいくと血糖値が上がり糖尿病、動脈硬化による心筋梗塞や脳卒中などいろいろな病気を引き起こすことがあるので、口の中は清潔に保つようにしましょう。
歯周病の進行具合を知る方法
歯周病の進行具合は、歯周ポケットの深さの測定と歯のぐらつきを検査すればある程度はわかるので、歯医者さんに行ってプロービングと動揺の検査をしてもらいましょう。
プロービングとは、ポケットプローブを使って歯肉・歯周ポケットの深さの測定を行う検査のことで、金属製のポケットプローブという器具の先端を歯肉・歯周ポケットに差し込んで深さを測定します。
動揺の検査は、ピンセットで歯を挟んで揺らし歯がぐらついていないか調べる検査です。動揺の検査で歯がぐらぐらしていると歯槽骨はかなり溶けているので歯周病はかなり進行していることがわかります。
一般的にいわれている歯周ポケットの深さと歯周病の進行具合との関係は次の通りです。
歯周ポケットの深さ | 歯周病の症状 |
---|---|
0.5~2mm | 正常な歯ぐきの状態で歯ぐきは引き締まっています。 |
3mm | 歯周病の初期の状態なので注意が必要です。 歯ぐきは赤く腫れていて口臭が気になり、歯みがきをすると歯ぐきから血がでます。 |
4~5mm | 歯周病が進行した状態なので治療が必要です。 歯槽骨が溶け歯ぐきの位置が下がったことにより歯が長くなったように見え、膿がでで変な臭いがしたり歯がぐらついたりします。 |
6mm以上 | 重度な歯周病の状態です。 歯がぐらぐらしてものを噛むと痛みが出て、歯はいつ抜けてもおかしくありません。 |
このように、歯周病の進行具合は歯周ポケットの深さで大体わかります。
歯周ポケットが深くなると酸素を嫌う歯周病菌が歯周ポケットの奥で増殖して、さらに歯周病の症状がひどくなっていくので、歯周ポケットが4mm以上の場合は治療が必要となります。
歯周病がどんどん進行していくと、歯槽骨がさらに溶けて歯周ポケットの深さがより深くなり、歯周ポケットに入り込んだプラークを除去するのは難しくなり悪循環を招くので必ず早期治療を心がけてください。
歯周病の治療方法
歯周病治療は、歯と歯ぐきを健康な状態に戻し歯が抜け落ちることを阻止する目的で行います。
初期の歯周病は痛みがないので注意深く観察しないと歯周病になっているのか判断がつきませんが、
治療が必要な症状
- 歯ぐきが赤く腫れている(健康な歯ぐきは薄いピンク色です)
- 歯みがきをしたら歯ぐきから血が出た(健康な歯ぐきは歯みがき時に血はでません)
- 口臭が以前よりも強くなった
という症状が現れたら歯医者さんに行ってプラークと歯石を除去する治療をしてもらいましょう。
口臭は、歯周病の他に、ニンニクなどの食べ物、ストレスや緊張時による唾液の減少、胃などの消化器系のトラブルにより起こることがあります。
初期の歯周病の場合は、スケーリング(浅い歯周ポケットのプラークや歯石を除去すること)をしてプラークと歯石を除去して丁寧に歯みがきをしていれば、ほとんどの場合は健康な歯ぐきに回復して完治します。
歯周ポケットが5mm以上に進行した歯周病では、スケーリングやルートプレーニング(深い歯周ポケットのプラークや歯石を除去すること)をしても歯ぐきの状態は回復しないことが多いので、メスを使った外科処置が必要となり、さらに重度な歯周病の場合は歯を抜くことにつながってきます。
歯を抜いた後は、噛み合わせのバランスを維持する為に入れ歯やインプラントを入れなくてはいけないので医療費が高くなります。軽度な歯周病の内に治療した方が自分の歯にとっても家計にもやさしいです。
(記事作成日:2017年8月30日、最終更新日:2019年8月9日)