お葬式(お通夜、葬儀・告別式)をする時の基礎知識
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- 仏式で行うお葬式(お通夜、葬儀、告別式)の流れと用意するものがわかるようになること
- 目次
- 1.お葬式(お通夜、葬儀・告別式)を行う前に必ず決めておくこと
- 喪主(もしゅ)を決める
- 斎場を決める
- 遺影(いえい)を決める
- お墓を決める
- 訃報(ふほう)の連絡をする
- 2.お葬式(お通夜、葬儀・告別式)の流れ
- お通夜(おつや)
- 葬儀・告別式(そうぎ・こくべつしき)
1.お葬式(お通夜、葬儀・告別式)を行う前に必ず決めておくこと
仏式でお葬式を行う時は、お葬式を行う前までに次のことを決めておかなければなりません。
お葬式をする前に決めておくこと
- 喪主は誰にするのか?
- 斎場はどこにするのか?
- 遺影はどうするのか?
- お墓はどうするのか?
- 訃報の内容
それぞれの詳しい説明を見ていきましょう。
喪主(もしゅ)を決める
喪主とは、お葬式全体の代表者のことで、葬儀屋との打ち合わせ、参列者への挨拶や出棺時の挨拶などを行う重要な役割があります。
一般的には故人の配偶者が喪主を務めることになりますが、配偶者がいない場合は子(長男や長女)が引き受けたり親族の間で話し合って決めることもあります。喪主が決まらなければお葬式の準備が進んでいきませんので気を付けてください。
喪主の他に施主(せしゅ)という言葉があります。施主とは、お葬式に関する費用を負担する代表者のことで、金銭的なことをサポートする役割を持っています。しかし、余程大きいお葬式で無い限りほとんどの場合は「喪主=施主」ですので気にしなくても大丈夫です。
斎場を決める
一番悩むことといえばお葬式をする場所をどこにするかではないでしょうか。
お葬式に来る人数がどのくらいになるのかあらかじめ把握出きればいいのですが、出欠が取れませんのでそう簡単には斎場は決められません。
また、斎場の大きさや場所などにより費用が異なりますので、参列人数を予想して適切な斎場を決めなければいけません。
葬儀費用を安くするには集会所などの公共施設を利用してください。その他では、直葬(お葬式を斎場で行わずに火葬のみをする)や家族葬(自宅を斎場にする)を行い費用を安くする方もみえます。
直葬、家族葬の説明
- 直葬:斎場を借りて葬儀・告別式を行わずに少人数(家族と親しい友人のみ)で火葬のみを行うタイプ
- 家族葬:自宅を斎場にして少人数でお葬式を行うタイプ
一般的なお葬式の費用は150万~250万円といわれていますが、公営の火葬場なら直葬だけで30万円、家族葬では100万円あればできます。
遺影(いえい)を決める
遺影とは、お葬式の時に飾られる写真のことです。
故人が亡くなってから写真を探してもいいですが、良い表情の写真は中々見つかりませんので、事前に準備しておくという方法が良いと思います。
お墓を決める
お寺に先祖代々のお墓があるかないかで変わってきます。
菩提寺(ぼだいじ)といって檀家(お寺に御布施を行う代わりに葬祭供養をお寺に任せること)に入っているお寺の境内に先祖代々のお墓がある場合は、お葬式をする時はこのお寺から僧侶を呼び戒名(浄土真宗は法名、日蓮宗は法号)を付けてもらい読経をしなくてはいけません。
なぜなら、供養の問題で戒名は菩提寺から授けてもらう、又は菩提寺と同じ宗派のお寺から戒名を授けてもらわないと、菩提寺のお墓に納骨してもらえないからです。
なお、家から菩提寺が遠い時はお住まいの近くで同じ宗派のお寺を菩提寺から紹介してもらったり、そもそも菩提寺がない時(お墓がない方や宗派を問わない霊園にお墓がある方)は葬儀屋にお寺を探してもらったり、又はお住まいの近くのお寺から僧侶を呼んで通夜までに戒名を授けてもらってください。
訃報(ふほう)の連絡をする
訃報とは亡くなったことを知らせる連絡です。
葬儀屋とお寺に相談して、お通夜、葬儀・告別式、火葬場の日程が決まりましたら、親族・故人の友人・会社の関係者などに故人の逝去(せいきょ)を訃報として連絡してください。
※火葬は死亡届を役所に提出しなければ行うことができません。
- 訃報の内容
- 誰が亡くなったのか
- いつどこでお葬式をするのか
- 喪主は誰で、故人との続柄はどうか
- 生花の注文先の住所と電話番号
訃報の連絡方法は、電話で伝えるかハガキやメールなどを使って案内状を送ってください。
2.お葬式(お通夜、葬儀・告別式)の流れ
お葬式は、お通夜を行った次の日に葬儀・告別式を行います。
お葬式は決まった流れに沿って進行していきますので、流れと用意しなければいけないものを覚えましょう。
お通夜(おつや)
通夜とは、遺族や近親者、知人などが夜を通して故人に付き添って過ごす儀式です。
昔は夜通し故人に付き添っていましたが、最近では午後6時から1~2時間くらいで終わる半通夜が多くなっています。
通夜に参列する時の服装は、大人は喪服、学生は制服が一般的です。生花は、血縁関係や故人と親しい関係順に飾ります。
- 通夜の流れ
- 遺族と親族は開式より前に着席、僧侶は開式直前に入場します。
- 僧侶による読経と、遺族と親族による焼香、一般参列者の方が焼香します。
- 焼香が終わったら僧侶が退場して喪主の挨拶により通夜を閉式します。
- 焼香が済んだ方から通夜振る舞いをして故人を偲び会食をします。
- 喪主の挨拶により通夜振る舞いを終わります。
- 通夜で用意するもの
- 参列者:通夜又は葬儀・告別式で香典を用意します。通夜と葬儀の両方に参列する方は、通夜に香典を用意するのが一般的です。香典を渡す時は受付で香典帳に書いてもらってください。
- 主催者:僧侶へお布施と参列者への感謝の意をこめて通夜返礼品(のしがなく白黒の水引のみの掛紙を用いて表書きは志(こころざし)とします)を用意します。「のし」とは、「のしあわび」のことで、弔事、病気や災害のお見舞い時には使いません。
また、香典を包んできた方の為に会葬返礼品(のしがなく白黒の水引の掛紙の表書きは志とします)と会葬礼状を用意します。
- お布施は本来、お葬式が終わった後にお寺に行って渡しますが、最近では通夜の始まる前や終わった後、葬儀が終わった後に僧侶に渡します。戒名料と読経料を含んだものを包んでください。
このように、参列者は主催者に渡す香典、主催者は参列者に渡す通夜返礼品・会葬返礼品・会葬礼状と僧侶に渡すお布施を用意しなければいけません。
香典は不祝儀袋(ぶしゅうぎぶくろ)、お布施は無地の白封筒に入れてください。
それぞれの袋の書き方と入れる金額は下記を参考にしてください。
- 香典を入れる袋について
不祝儀袋(ぶしゅうぎぶくろ)の表書きの例
中袋の表書きの例
中袋の裏書きの例
- 水引の色:白黒の水引が掛かったもの
- 不祝儀袋の表書き:上に御香典、又は御霊前(但し、浄土真宗では御霊前は使いません。御佛前と書きます)、下に自分の名前
- 中袋の表書き:金額
- 中袋の裏書き:住所と名前
- お金の入れ方:お札の人物が裏となり、人物が上となるようにしてください。
- 香典で包む金額の目安
- 親へ:5万~10万円
- おじ、おばへ:1万円
- その他:3000~5000円
- 御布施を入れる袋について
袋の表書きの例
- 袋の色:水引がない無地の白封筒
- 表書き:上に御布施、又は御経料、下に自分の名前
- お金の入れ方:お札の人物が表となり、人物が上となるようにしてください。
※金額は袋に書かなくても大丈夫です。
- 御布施で包む金額の目安
- 戒名の位号によって異なり10万~150万円くらいが相場ですが、お寺に尋ねた方がいいです。
袋に文字や金額を書く時は黒インクの筆ペンで書いてください。また、金額(いち、に、さん、じゅう)を書く時は改ざんを防ぐ為に大字(だいじ)を使います。
よく使う金額の大字
- いち(一):壱
- に(二):弐
- さん(三):参
- じゅう(十):拾
それ以外の金額は普通の漢字を使うことが多いです。
葬儀・告別式(そうぎ・こくべつしき)
葬儀とは故人の魂をあの世に送る場所で、告別式とは多くの人に偲んでもらう場所です。葬儀の後に続いて告別式を行い故人とお別れをします。
葬儀・告別式に参列する時の服装は、大人は喪服(準喪服といわれているブラックスーツ)、学生は制服が一般的です。
- 葬儀の流れ
- 遺族と親族は開式より前に着席、僧侶は開式直前に入場します。
- 僧侶による読経の後に弔辞(ちょうじ)を頂いて、遺族と親族が焼香をします。
- 告別式の流れ
- 遺族と親族による焼香の後に一般参列者の方が焼香をします。
- 僧侶の退場の後に弔電(ちょうでん)を読んで葬儀・告別式は閉式して、最後の別れと出棺の進行に移ります。
- 最後の別れ:読経と焼香が終わると、棺を囲んで故人との最後のお別れの時間となります。棺の中には、お花や故人が好きだったものを入れて見送ってください。
但し、金属やガラスなどでできた燃えないものを入れることは禁止されています。 - 出棺:喪主による出棺の挨拶が終わると、棺の蓋が閉じられて、喪主は位牌、遺族は遺影を持って、棺を遺族の手によって霊柩車まで運び、火葬場まで搬送されます。
- 葬儀・告別式で用意するもの
- 会葬者:香典を用意します。通夜に用意した方はいりません。受付のみ済ませましょう。
- 主催者:会葬者への感謝の意として会葬返礼品(のしがなく白黒の水引の掛紙の表書きは志とします)と会葬礼状を用意します。四十九日法要後に香典返しをしない時は香典の即日返しも用意します。
なお、通夜、告別式共に参列できない時は弔電を打ち香典を現金書留で送ります。香典の送り先は、通夜か葬儀の日に喪主宛てで、自宅か斎場に届くようにします。
(記事作成日:2018年9月27日、最終更新日:2019年8月19日)