お葬式の一連の流れ(危篤から四十九日法要・年忌法要まで)
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- お葬式の流れ
- 目的(解決できる悩み)
- 仏式で行うお葬式の一連の流れがわかるようになること
- 目次
- 1.仏式のお葬式の一連の流れ
- 危篤(きとく)
- 臨終(りんじゅう)
- 遺体の安置
- お葬式(お通夜、葬儀・告別式)
- 火葬(かそう)
- 還骨法要(かんこつほうよう)・初七日法要(しょなのかほうよう)
- 精進落とし(しょうじんおとし)
- 四十九日法要(しじゅうくにちほうよう)
- 年忌法要(ねんきほうよう)
1.仏式のお葬式の一連の流れ
お葬式という儀式は人生で数回しか関わらないものです。
人の死というのは誰でも必ず1回訪れるもので、ほとんどの方は親族のお葬式のお手伝いはしたことがあると思いますが、自分の両親が亡くなったので自分が喪主となってお葬式を行うのは初めてという方は多いのではないでしょうか。
お葬式の悩みといえば、お葬式の段取りをどうしたらいいのかですよね。
例えば、次のことは基本的なことですが、お葬式の経験をしなければよくわからないと思います。
お葬式の悩み
- 親族のお葬式のお手伝いをしたといっても一連の流れのうちの断片的なことしかわからないのでどのように手続きをすればいいのだろう?
- 死亡診断書って何?
- 遺体はどこに保管すればいいの?
- お通夜、葬儀・告別式はどうすればいいの?
- お葬式の後の法要って何?
仏式のお葬式では、人が亡くなると親族や親しい友人などに訃報(ふほう)を連絡した後に、お葬式、火葬、法要という流れで故人の魂を供養していきます。
ここでは、一般的に広まっている仏式でのお葬式がどのように進んでいくのか見ていきましょう。
危篤(きとく)
医師から危篤(病気の容態が悪化した状況)と告げられたら、生きているうちに最後に会わせたい方(近親者や親しい友人など)に電話で連絡をして集まってもらい見守ります。
※近親者とは、一般的には3親等以内の親族のことです。
納得のいくお葬式を行うには、危篤と告げられる前に遺族で話し合って事前に葬儀屋と相談し打ち合わせしておく必要があります。
臨終(りんじゅう)
臨終とは息を引き取ることです。
臨終を迎えましたら、医師に死亡診断書又は警察に死体検案書を書いてもらい、末期の水、清拭、死化粧を行います。
- 病院で亡くなった場合
- 医師が立ち会い臨終(死亡すること)が告げられたら、死亡診断書を書いてもらい、看護師が遺体の清拭をして新しい衣服にしてくれます。
- その後に、遺体を病院の霊安室から安置する場所まで搬送します。遺体を安置する場所には、自宅、火葬場や葬儀屋の霊安室などがあります。
- 自宅で亡くなった場合
- 掛かりつけの医師がいる時は、自宅まで来てもらい死亡を確認してもらいます。医師により臨終が告げられましたら、死亡診断書を必ず書いてもらってください。
- 掛かりつけの医師がいない時は、警察へ連絡して現場検証と遺体の検案をしてもらいます。
※警察の作業が終わるまでは遺体には手を触れないでください。 - 現場検証と検案が終わりましたら、死体検案書を必ず書いてもらってください。なお、遺体の清拭については訪問看護や葬儀屋のスタッフがしてくれます。
末期の水、清拭、死化粧の説明
- 末期の水(まつごのみず):筆や割り箸の先端を脱脂綿かガーゼを巻き付けたものを使って遺体の唇を水で湿らせること。但し、浄土真宗では行いません。
- 清拭(せいしき):遺体をアルコールなどで拭いてきれいにすること。
- 死化粧(しげしょう):遺体の顔の髭を剃ったり化粧をしたり、爪や髪などを整えること。但し、地域によっては行いません。
葬儀・告別式の後に行う火葬は死亡届を役所に提出した時に受け取る火葬許可書(死亡届を提出時にどこの火葬場で火葬するのか決めておくこと)が必要になります。
死亡届を作成する時にどのような書類がいるのかというと、医師による死亡診断書又は警察による死体検案書です。どちらかの書類がないと死亡届を役所に提出することができませんので火葬ができなくなります。
※死亡届けの提出は亡くなってから7日以内に行うこととされています。
また、金融機関が死亡を確認すると故人の預貯金口座が凍結されますので、お葬式でお金が必要な時は亡くなる前に引き出してください。
この段階で事前に相談をしていた葬儀屋に連絡をするのですが、遺体の安置場所やお葬式をまだどのようにするのか決めていない時は、病院や警察から紹介された葬儀屋を利用してお葬式を行うこともできます。しかし、費用などが心配な方は事前に葬儀屋に相談して見積もりを出してもらっておくことが大切です。
遺体の安置
故人の遺体を安置する場所は、自宅、葬儀社の斎場、火葬場などで行います。
故人の遺体を安置する時のポイントは、頭を北、又は西に向けて布団(自宅の場合)へ寝かせます。
棺への納棺は死装束を着せて副葬品を用意して通夜を迎える前に行います。
また、遺体の枕元の近くでロウソクに火をともし線香をあげて、コップに水、枕飯と枕団子などの枕飾りを用意してください。
※浄土真宗では行わなくても大丈夫です。
枕飯、枕団子の説明
- 枕飯:故人が生前に使っていたお茶碗に山盛りのご飯をよそって、生前使っていた箸をご飯に垂直に突き刺します。(茶碗は出棺時に割るのが一般的です。)
- 枕団子:上新粉を使ってピンポン玉程度の大きさのダンゴを作ります。ダンゴの数は6個が一般的ですが、地方によって異なります。
枕飾りができたら僧侶に枕経(まくらぎょう)をしてもらいます。
お葬式(お通夜、葬儀・告別式)
お葬式は、1日目はお通夜、2日目は葬儀・告別式というように2日間に分けて行います。
お通夜は、遺族、近親者、知人が夜通し故人に付き添って過ごす儀式です。参列者は香典を用意してください。お通夜の会場で焼香をして故人とお別れをします。
葬儀は、故人の魂をあの世に送る場所です。僧侶の読経と、遺族・親族・一般参列者により焼香を行います。お通夜で香典を用意できなかった方は香典を用意してください。
告別式は、故人と最後のお別れをする場所です。葬儀が終わったら故人が入っている棺の中に故人が好きだったものを入れて棺を霊柩車まで運びます。
お通夜、葬儀・告別式の詳しい内容は、お葬式(お通夜、葬儀・告別式)をする時の基礎知識をご覧ください。
火葬(かそう)
火葬を行う時は、火葬許可証を用意して忘れずに火葬場まで持って行ってください。
葬儀・告別式が終わりましたら、遺族・親族の方は、マイクロバス、ハイヤー、タクシーなどを利用して火葬場へ向かいます。
火葬場に到着したら、霊柩車から棺が火葬炉の前に移動され、僧侶の読経の後に棺が火葬炉へ納まり火が入れられます。火葬が終わるまでは1時間以上掛かりますので控え室で待機してください。
火葬が終わったら、2人1組で箸を使って故人の骨を足元から頭に向かって骨壷に拾骨します。
拾骨の方法は、一部の骨だけを骨壷に入れる方法と全部の骨を骨壷に入れる方法の2種類があります。一部の骨だけを骨壷に入れて持ち帰る方法では、残りの骨は火葬場で供養されます。地域によってどちらの方法を採用しているのか異なりますので気をつけてください。
箸で骨をつかみ骨壷にいれる拾骨は、三途の川を渡す(橋渡し)という意味合いがあるそうです。
なお、火葬場で受け取った埋葬許可証はお墓へ納骨する時に使いますので失くさないように保管してください。
還骨法要(かんこつほうよう)・初七日法要(しょなのかほうよう)
火葬場から戻ってきた後は還骨法要と初七日法要を行います。
還骨法要は、後飾り壇(遺骨を安置するための祭壇)に遺骨が納めてある骨壷・位牌・遺影を安置して、菊・ユリ・蘭などのお花を飾り、僧侶の読経と焼香で供養します。
※後飾り壇は、四十九日法要まで焼香をして飾ります。
初七日法要(初七日忌ともいいます)は、故人が亡くなった日を入れて7日目にする法要のことで、故人の魂をあの世へ向かわせる為に行います。
初七日法要までに手土産を持って勤務先やお世話になった方々に挨拶回りをしてください。しかし、最近では初七日法要はせずに、還骨法要と兼ねて行うくり上げ初七日法要をすることが多いです。
精進落とし(しょうじんおとし)
本来は、故人が亡くなってから49日間は精進した生活を送ることになっています。
ですので、四十九日法要の後に精進落としをして普通の生活へ戻る為に行うものでしたが、最近ではくり上げ初七日法要が終わった後に葬儀でお世話になった方々に感謝の気持ちを込めて食事を振る舞う為に行います。
精進落としの挨拶の後に献杯(けんぱい)の挨拶をして食事を始めます。精進落としが閉会しましたらお葬式は終わりです。
四十九日法要(しじゅうくにちほうよう)
故人が亡くなってから49日目又は49日目までに四十九日法要を行います。
一般的には、四十九日法要(七七日忌ともいいます)が終わるまでは故人の魂はこの世とあの世をさまよっている不安定な状態になっているといわれています。
ですので、四十九日法要は忌明け(きあけ)といって故人の魂がお釈迦さまがいるあの世の世界へ無事にたどり着けれるように供養する大切な儀式です。
四十九日法要の時は、僧侶を呼んで開眼法要をしてもらい戒名や命日を入れた黒塗りの位牌を仏壇に安置します。
※白木の位牌(仮位牌)から黒塗りの位牌(本位牌)へ故人の魂を移し替えます。
- 仏壇について
- 仏壇には、本尊、位牌、三具足(香炉、花器、燭台)などをお供えします。
- 一般的に仏壇は一家に1つですが、自分の家の仏壇の他に、配偶者の家の仏壇を引き継いだ時は仏壇が2つになります。この場合は、合祀(ごうし)と言って仏壇を1つにまとめることができます。
また、四十九日法要は、僧侶による読経と参列者が焼香を行い遺骨をお墓へ納骨します。
お墓へ納骨後は会食をして会食後に参列頂いた方々へお礼の手土産として引き物を渡してお開きとなります。
- 四十九日法要で用意するもの
- 参列者は御佛前(御供物料)のみか、御佛前と御供物の両方を用意します。参列できない時は、法要の前日までに届くように御佛前を現金書留で送ります。
- 主催者は僧侶へお布施と参列者への引き物(のしがなく白黒の水引の掛紙の表書きは志とします)を用意します。引き物は、食べ物や日常使うものが適しています。
- 御佛前と御供物(おくもつ)の金額の目安
- 御佛前(供物料):5千~3万円
- 御供物:2千~5千円程度の菓子や果物など
四十九日法要が終わったら香典返しをします。香典返しとは、香典や供物を頂いたお礼として挨拶状を添えて品物を配送などで渡すことです。
但し、香典返しは、お盆やお彼岸の時期は避けましょう。最近では、通夜や葬儀でその場で香典を返す即日返しが多くなっています。
- 香典返しの目安
- 品物の値段:頂いた香典の3~5割程度のもの
- 適したもの:お茶、海苔、石鹸、ハンカチ、カタログギフトなど日常よく使われるもの
- 掛紙:のしがないもので表書きは志とします
なお、香典返しをしない場合は御礼状を送ってください。
年忌法要(ねんきほうよう)
年忌法要とは、故人の命日に魂を供養する為に数年ごと(一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌など)に行う法事のことです。
特に一周忌は盛大に行われ、回が増えるにつれて規模を小さくしていき、三十三回忌や五十回忌で法要を終える傾向があります。
服装は亡くなってからあまり年数が経っていない法要では準喪服のブラックスーツ、年数がだいぶ経った法要では略喪服のダークスーツが適しています。
- 年忌法要で用意するもの
- 参列者は御佛前(御供物料)のみか、御佛前と御供物の両方を用意します。参列できない時は、法要の前日までに届くように御佛前を現金書留で送ります。
※御佛前の目安は5千~3万円です。 - 主催者は僧侶へお布施と参列者への引き物(のしがなく白黒の水引の掛紙の表書きは志とします)を用意します。
- 参列者は御佛前(御供物料)のみか、御佛前と御供物の両方を用意します。参列できない時は、法要の前日までに届くように御佛前を現金書留で送ります。
お葬式後のお墓参り・お盆に行う内容は、お葬式後の正しい供養方法をご覧ください。
(記事作成日:2016年6月19日、最終更新日:2019年8月18日)