野菜の種の選び方!良い苗と種を選べば失敗なく育つ
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- プランター菜園の野菜作りの基本
- 目的(解決できる悩み)
- 野菜のプランター栽培で用意する良い種が選べれるようになること
- 目次
- 1.野菜の種の基礎知識
- 状態が良い野菜の種の選び方
- 野菜の種の品種って何ですか?
- 野菜の種の保存方法
1.野菜の種の基礎知識
野菜などの植物の種は子孫を残す為に親から引き継いだ遺伝情報が入っている生命の塊です。
植物の種は、有胚乳種子と無胚乳種子の2種類あり、有胚乳種子(ナス、トマト、ネギ、トウモロコシなど)は胚乳、無胚乳種子(キュウリ、インゲン、ダイコン、キャベツなど)は子葉に栄養分(デンプン、タンパク質、脂質)が蓄えられており、硬い種皮に覆われて発芽に適した環境が訪れるまでじっと耐え忍んでいます。
この機会に、状態が良い野菜の種の選び方を身に着けてください。
状態が良い野菜の種の選び方
野菜の苗を購入するのではなく、種を購入して発芽させて野菜を育てようと考えている方は、ホームセンターで販売されている野菜の種を購入してください。
野菜の種は1袋100~200粒くらい入って150~400円くらいで販売されています。
良い種を選ぶポイントは、
良い種の条件
- 発芽率が高いもの
- 有効期限までの残りが長いもの
- 品種の特性が維持できているもの
- 日光に当たっていないもの
が挙げられます。
発芽率、有効期限は種袋の裏面に書かれています。生産地も書いてありますが気にしなくても大丈夫です。
用語の説明
- 発芽率:種が発芽する確率のことです。例えば発芽率80%の種では10粒まいたら8粒発芽するという意味です。
- 有効期限:その発芽率の数字が適応される期間のことです。有効期限を過ぎると発芽率は徐々に悪くなっていきます。
- 品種:同じ野菜の品目の中で違う特性を持っているもののことです。
- 生産地:種を作った場所のことです。
野菜栽培を成功させるには、種まき後に発芽することと発芽がそろうことが重要です。
植物の種には発芽率と有効期限がありますので、発芽率が良く有効期限の残りが長いものを購入してください。有効期限内でも種袋が日に当たっている状態で店頭に並んでいたものは品質が低下して発芽率が低くなっているので避けた方がいいですし、種を購入して数年経過した種は発芽率が落ちて発芽しにくくなっていて、発芽しても弱々しい苗しか作れないことが多いので使わない方がいいです。
野菜の種の品種って何ですか?
野菜の種には、固定種、在来種、F1品種という品種があります。
- 固定種
- 固定種とは、病気に強い、暑さに強い、寒さに強い、味が甘いなどの形質を持った一番良い株同士で何度も繰り返して受粉させて育ててきた野菜から採取した種のことです。
- 在来種
- 在来種とは、その土地ごとに昔から育てられてきた野菜から採取した種のことです。
- F1品種
- F1品種とは、ある形質が揃った固定種とある形質とは違う形質が揃った固定種を交配させて種を採取した品種です。初めて家庭菜園を始める方はF1品種がおすすめです。F1品種のことを、1代雑種、交配種ともいいます。
- F1品種は、病気に強い、暑さに強い、寒さに強い、味が甘い、実の形が良いなどの優良形質が揃った野菜が育てられることが特徴ですが、1回限り現れる形質なのでその種から育てた株の実から種を採取しても同じ形質を受け継ぎません。
このように、種袋には発芽率や有効期限の他に、F1品種、病気に強い品種、味が良い品種などと書かれているので、品種、発芽率、有効期限に目を通して選んでください。
※病気に強く味が良い品種の種は価格が高い傾向があります。
日本の有名なタネメーカーとしては、タキイ種苗、サカタのタネ、カネコ種苗、トーホク、アタリヤ農園などがあります。
例えば、それぞれのメーカーが販売しているキュウリの品種は、
キュウリの品種
- タキイ種苗:夏すずみ、シャキットなど
- サカタのタネ:夏さんご、黒さんご、味さんごなど
- カネコ種苗:うどんこつよし、ピノキオなど
- トーホク:夢みどり
- アタリヤ農園:大手種苗会社の安売りタネだと思います。怪しいタネではないので問題なく発芽します。
などがあり、耐病性、収穫量、形、食感、味が違ってきます。
また、野菜の種は早晩性(そうばんせい)といって、種まきした後の開花・収穫までの栽培期間の違いがあるので気を付けてください。
早晩性は、早生(わせ)、中生(なかて)、晩生(おくて)の3種類があり、早生は早く、晩生は遅く収穫する性質を持っています。初心者の方は栽培期間が短い早生が育てやすいと思います。
このように、野菜の種は様々な品種や早晩性があるので、種袋に書いてあるその品種の特徴をよく読んで理解してから選んでください。
店頭で販売されているタネの価格設定は、タキイ種苗、サカタのタネ、カネコ種苗のタネは価格が高く、トーホク、アタリヤ農園のタネは価格が安いです。
種の賢い購入方法は、インターネットショップで購入すると送料が掛かるので、まずは家の近くのホームセンターやJAに行って探してください。
ホームセンターやJAでお目当ての種が見つからなかった場合は、種の種類が豊富な楽天市場の、
などのインターネットショップで探して購入するという方法が手間が掛からずおすすめです。
野菜の種の保存方法
野菜の種は保管しておけば永久に使用できるわけではなく寿命があることをご存じでしょうか?
種袋には有効期限が記載されていますよね。有効期限とは、直射日光が当たらない涼しい場所で種を保管した場合の発芽率が維持できる期間のことです。
種の寿命は保存状態で変わり、種を直射日光が当たる高温多湿の場所で保管すると発芽力は早く落ち早く寿命を迎えますし、低温低湿の場所で保管すると発芽力の低下が少なく寿命が長くなります。
野菜の種を低温低湿の場所で保管した時に、一般的にいわれている種の寿命は次の通りです。
野菜の種の寿命
- 寿命が1~2年の種:インゲン、エダマメ、トウモロコシ、ネギ、タマネギ、ニラ、ホウレンソウ
- 寿命が2~4年の種:キャベツ、ハクサイ、レタス、ニンジン、ダイコン、キュウリ、カボチャ、ピーマン
- 寿命が4年以上の種:トマト、ナス
このように、多くの野菜の種は温度と湿度が低い場所の方が寿命が伸びますので有効期限を過ぎても1~4年くらい持ちます。
野菜の種を保管しておく時は、直射日光が当たらない涼しい場所、つまり冷蔵室や冷凍室に保管することが適しています。
野菜の種の保管方法
- 冷蔵室:チャック付きの袋や密閉できる容器の中に乾燥剤と種を入れて保管してください。
- 冷凍室:長期間保存する場合は、密閉容器の中に乾燥剤と種を入れ種をよく乾燥させた後に冷凍室に入れてください。
しかしながら、種の保管場所が良くてもずっと発芽できる状態は維持できないので勘違いしないでください。
なお、使い残しで冷蔵室や冷凍室で保管しておいた種をまいて2週間経っても発芽しない時は種の寿命だと思って新しい種を買った方がいいです。
(記事作成日:2018年5月14日、最終更新日:2023年4月20日)