山歩きでアクシデントが起きた時の対処方法
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- 山歩きのアクシデント(遭難、ケガ、熱中症、低体温症、高山病)の対処方法の基本知識がわかるようになること
- 目次
- 1.山歩きのアクシデントの基礎知識
- 山歩きではアクシデントは付きもの
- 道を間違えて遭難しないようにする方法
- ケガの対処方法
- 熱中症の症状と対策
- 低体温症の症状と対策
- 高山病の症状と対策
1.山歩きのアクシデントの基礎知識
山歩きをしているといくつかのアクシデントに見舞われます。
よく遭遇するアクシデントとしては、道を間違えて遭難した、ケガ、熱中症、低体温症、高山病になることです。
どのアクシデントでも対策方法があります。対策方法の基本を覚えてください。
山歩きではアクシデントは付きもの
山歩きをしていると小さいものから大きいものまで何かしらのアクシデントが起こるものです。
山歩きをしていて遭遇する確率が大きいアクシデントといえば、
山歩きで遭遇するアクシデント
- 道を間違えて遭難する
- 木の根っこ、石、木で作られた階段でつまづいてケガ(スリキズ、ねんざ、骨折)をする
- 普段と違う環境で病気(熱中症、低体温症、高山病)になる
などがあります。
スリキズくらいなら消毒して絆創膏を貼っておけばすぐに治りますが、重度のねんざや骨折をしてしまうと病院に行って治療をしてもらわないと治りませんし、熱中症などで体調を崩した時も病院で診察してもらった方が安心できます。
夏の期間のみ限定で簡易的な診療所を山の中に開設している山(槍ヶ岳など)もありますがあくまで一部の山のみの話です。
多くの山では山の中には診療所はないので、もしケガや病気になってしまうと下山するまで我慢しなければいけなくなるので辛い山歩きの思い出しか残りません。
また、道を間違えることはよくあることですが、明らかにおかしいと感じる道は元の場所に戻れるうちに引き返し、大きなアクシデントが起きないように回避するべきです。
危険だと思われる行為は極力さける又はどうしても行わなければいけない時は慎重に行って、無事に下山できるように安全管理に気をつけて山歩きを楽しみましょう。
道を間違えて遭難しないようにする方法
事前に計画した山歩きのコースから外れやすい場所といえば分岐点が挙げられますよね。
分岐点では道が枝分かれしているのでどちらの道に進めばいいのかたまにわからなくなることがありますが、分岐点には行き先と距離の案内標識(道標)が立っていることが普通なので、正しい道なのか案内標識を見て必ず確認してください。
分岐点で案内標識が見当たらない場合は老朽化で壊れて地面に置いてあることがあります。
また、分岐点ではなく道の途中で進むべき道を見失うこともあるので注意が必要です。
道を見失わないようにするには、道の付近に付けられた次のようなマーキングを探すことで防ぐことができます。
道に施されているマーキング
- 木の幹や枝に撒きつけられたピンクや赤色の布
- 地面に転がっている大きな岩に描かれた矢印や丸印のペイント
※バツ印はこの先は道でないという意味なので進まないようにしてください。 - 岩を積み上げて道であるということを知らせるケルン
このように山歩き用の道には道に迷わないようにする為に印がしてあることが多いです。
自分の思い込みで道っぽい所を進んでいくのではなくマーキングしてある所を目印に歩いて行くと道に迷わなくなります。
遭難してからでは遅いので、道っぽい所が急にヤブになってしまったらマーキングを探し、マーキングが見当たらなかったら最後に見たマーキングの場所や分岐点まで引き返し地図を見て確認してください。
人気がない山道は人があまり歩かないので草がボーボーに生えてしまっていて道なのかわからないことがあるので気をつけてください。
もしも道を見失って元の場所に戻れなくなってしまったら山を登り見晴らしがいいところまで行き緊急用のホイッスルを吹いて居場所を知らせてください。
そして、日が暮れてから無理して歩くのは危険なので、日が暮れる前までに下山できなかったり山小屋に到着できない場合は、その場で野宿して朝がくるのを待つことも考えてください。
緊急時に野宿する場合は、ツェルト(簡易的なテント)を張って、雨・風をしのげれる寝床を確保し、行動食を食べたり水を飲んで朝日が昇るまで待機します。
場合によっては道を間違えて野宿しなければいけないことも出てくるかもしれないので、行動食や水は多めに持って行った方が安心できます。
道に迷わないようにするには思い込みで行動しないようにすることです。
ケガの対処方法
山歩きをすると、木の根っこや階段でつまずいて転んだり、ぬかるんだ場所で滑って転んだりすることはよくあるので、ファーストエイドキット(消毒液、絆創膏、包帯、胃腸薬など)を持っていると役に立ちます。
もし転んでケガをしてしまった場合はその場で応急手当をしてください。
ケガやねんざの応急処置
- スリキズの処置:患部を消毒液で消毒した後に、小さいケガなら絆創膏を貼り、大きいケガならガーゼで覆ってください。
- ねんざや骨折の処置:患部が動かないように木の枝などを当て木として包帯やタオルなどで撒きつけて固定してください。
- とげが刺さった時の処置:とげなどが皮膚に刺さってチクチクする場合は毛抜きで抜いて消毒してください。
また、普段履き慣れないトレッキングブーツでデコボコした道を長時間歩くと靴ずれして、かかと、くるぶし、足首などから血が出てきたり、マメ・水ぶくれになることがあるので患部に絆創膏を貼って対処してください。
なお、骨折をして自力で動けない場合は救助を呼ぶことになります。
グループで行動している場合は、同行者が骨折した人を担いで近くの山小屋に行って助けを求めてください。
1人で行動している場合は、近くに登山者がいれば山小屋に救助の要請のお願いを伝えてもらうか、携帯電話がつながれば警察へ連絡してトラブルが起きた場所とケガの具合を正確に伝えて救助がくるのを待ってください。
山の中では何が起きるかわからないので登山計画書を書いて箱の中に提出しておきましょう。
熱中症の症状と対策
夏になると普段の生活でも熱中症で病院に搬送されるニュースは毎年テレビや新聞で流れるので、熱中症にならないように気をつけている方は多いと思います。
熱中症は、直射日光を長時間浴びたり気温と湿度が高い時に起こりやすく、発熱、めまい、立ちくらみ、頭痛、吐き気などの症状が現れます。
山歩きをしている時に熱中症の症状が現れたら、体温が上昇している状態なので日陰になっている涼しい場所に移動してスポーツドリンクや水を飲んで水分を補給し、塩飴を持っていたら塩分も補給すると症状は和らぎます。
熱中症にならないようにするには、人間の体は約60%が水分で成り立っているので、1時間ごとに日陰で休憩をとり、体の水分量を減らさないようにこまめに水分補給をしながら歩くようにすることです。
低体温症の症状と対策
低体温症とは、雨に濡れたままの服、汗でびっしょり濡れたままの服を着続けたことが原因で体温が35℃以下に低下してしまった症状です。
山歩きをする時は、乾いている着替えの服は必ず持参するようにして、もし服が濡れてしまったら乾いている服にすぐ着替えれば低体温症は防ぐことができます。
服を濡らさないようにするには、雨が降ってきたらレインウェアを早めに着ることと、速乾性の素材を使った服を着ることです。
濡れたままの服で強風に当たると体感温度がさらに下がるので、寒さを感じてきたり震えがでてきたら風と雨に当たらない場所に行き、アンダーウェアを含めて乾いている服に早めに着替えるようにしてください。
なお、ヒートテックは普段の生活で使うには重宝しますが、乾きが悪い素材が使われており大量に汗をかき着替えがすぐにできない場面で使用すると低体温症になる恐れがあるので山歩きには適していません。山歩きでは速乾性の素材で作られた服を着るようにしてください。
高山病の症状と対策
高山病とは、気圧と酸素濃度が低下した環境に馴染めなくて起こる病気で、特に標高が2500m以上の山を早いペースで登っている時に起こりやすくなります。
高山病の症状としては、頭が痛い、息苦しい、吐き気がする、食欲がない、めまいがするなどの体調不良が起こりますが、休憩を適度に入れながらゆっくりしたペースで気圧の環境の変化に慣れながら登ることにより防ぐことができます。
もし、高山病の症状が現れた場合は少し休憩をとって安静にしください。休憩しても高山病の症状が回復しなかった場合は、今居る場所よりも標高が低い場所(標高が1500~2000mくらい)まで移動することをおすすめします。
(記事作成日:2017年9月26日、最終更新日:2019年7月15日)