DIYで自作する小規模な太陽光発電システムで使うソーラーパネルの選び方
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- ソーラーパネルの選び方
- 目的(解決できる悩み)
- 小規模な独立蓄電型太陽光発電システムを自作する時に使うソーラーパネルの選び方がわかるようになること
- 準備に必要な費用
- 100Wのソーラーパネルで1~2万円です
- 目次
- 1.ソーラーパネルの基礎知識
- 太陽光発電で使うソーラーパネルって何ですか?
- 2.ソーラーパネルの選び方
- 最大出力動作電圧の大きさを決める
- 最大出力電力の大きさを決める
- 太陽電池の種類で変換効率が変わる
- 変換効率って何ですか?
- おすすめのソーラーパネルメーカー
1.ソーラーパネルの基礎知識
ソーラーパネルとは光を照射すると直流の電気を発電することができる発電機のことです。
発電中は石炭・火力発電所のように二酸化炭素を排出しないので自然に優しいエコな発電方法として注目されています。
太陽光発電で使うソーラーパネルって何ですか?
太陽光発電とは、太陽の光を電気エネルギーに変換する発電方法のことです。
では、ソーラーパネルとは何かというと、太陽の光を直流の電気エネルギーに変換する役目をするものがソーラーパネルといわれている装置で、ソーラーパネル内に配置されている半導体素子に光が当たれば電気が発電できる仕組みです。
太陽光発電のメリットは、ガソリンなどの燃料を使った小型発電機のように大きな音は発生しないので、ソーラーパネルを庭やベランダに設置しても騒音で近所迷惑にならずに電気の発電ができることです。
しかし、太陽光発電にはデメリットがありまして、ソーラーパネルに光が当たらなければ電気は全く発電できませんし、ダイオードやチャージコントローラーをつなげていない状態でソーラーパネルに光が当たっていないとバッテリーからソーラーパネルに向けて逆電流が流れるようになり運が悪いとソーラーパネルが破損する恐れがでてきます。
発電量が数十W以上の太陽電池ではチャージコントローラーを使ってバッテリーを充電するので関係ありませんが、発電量が2Wなどの非常に小さい太陽電池ではチャージコントローラーを使わずにバッテリーを充電することが普通なので、バッテリー上がり対策で車のバッテリーに接続している方はダイオードが接続されているのか確認した方がいいです。
このように、太陽光発電は昼間しか電気を発電することができず、ソーラーパネルに照射する光の強さで発電量は変わってくるので、直射日光が弱く天気が悪い日や直射日光が全くない夜間の時間帯では電気が発電できないという状況が起こります。
ソーラーパネルを設置しても電気機器を使いたい時にソーラーパネルで発電できないのでは困るので、ソーラーパネルで発電した電気はバッテリーに充電して貯めてからそれぞれの電気機器に電気を振り分けて使う構成をとっています。
ですので、非常用電源として太陽光発電システムを庭やベランダに構築して置けば、防災や停電時でのスマホの充電、パソコンや照明の電源として大変役に立ちます。
2.ソーラーパネルの選び方
太陽光発電システムを構築する時は、太陽の光を電気エネルギーに変換する目的で使うソーラーパネルが必要ですが、メーカーや製品の作りの違いで性能と価格が異なってきます。
ソーラーパネルを選ぶ時は、
ソーラーパネルを選ぶ時のpoint
- 最大出力動作電圧の大きさ
- 最大出力電力の大きさ
- 太陽電池の種類
- 変換効率の高さ
に気をつけて選んでください。
最大出力動作電圧の大きさを決める
ソーラーパネルを選ぶ時は、まずは、電圧が何Vのバッテリーに充電するのかを決めてから購入してください。
DIYの太陽光発電で一般的に使われているバッテリーは、車用又はディープサイクルの12V又は24Vです。
但し、バッテリーを1個で運用するのではなく複数個で運用すると、直列・並列接続の違いで次のように電圧が変わるので注意してください。
バッテリーの直列・並列接続の電圧の関係
- 12Vバッテリーを直列に2つ接続:24Vに変わる
- 12Vバッテリーを並列に2つ接続:12Vのまま
- 12Vバッテリーを並列に3つ接続:12Vのまま
※電圧を高くするとそれぞれの機器どうしを接続するケーブルの太さを細くすることができるというメリットがあります。
このように、バッテリーは直列接続するか並列接続するかで電圧が変わるので、バッテリーへ充電する電圧の大きさを決めてから、次のように、ソーラパネルの最大出力動作電圧(Vmp)がバッテリーの電圧より高く、バッテリーへ充電したい電圧に近い製品を選定してください。
※最大出力動作電圧(Vmp)とは、最大電力を出力する時の電圧のことです。
ソーラーパネルの最大出力動作電圧選びのポイント
- 12Vのバッテリー(12Vのバッテリーの並列接続を含む)を充電したい場合は、最大出力動作電圧(Vmp)が17V程度のソーラーパネル
- 24Vのバッテリー(12Vのバッテリー2つの直列接続を含む)を充電したい場合は、最大出力動作電圧(Vmp)が17V程度のソーラーパネルを直列に2枚接続して34Vにする、又は最大出力動作電圧(Vmp)が31~36V程度のソーラーパネル
この12Vか24Vかどちらの電圧で運用するかを決めてからソーラーパネルを選んでください。
最大出力電力の大きさを決める
ソーラーパネルの最大出力動作電圧が決まりましたら、次は、どのくらいの電力をバッテリーに充電していくのかを考えます。
ソーラーパネルのカタログを見ると、30W、50W、100Wといった最大出力電力が書かれていますよね。
例えば、100Wのソーラーパネルを使って12Vで50Ahのバッテリーを空の状態から満充電させるには何時間掛かるのか単純計算してみますと、
バッテリーの電力量の計算式:電圧×容量
- 12V×50Ah=600Wh
という電力量に換算できるので、100Wのソーラーパネルが常に最大出力電力を発生させている状態で12V50Ahのバッテリーを充電できるという過程をすると満充電までに6時間掛かる計算になります。しかし、実際はすべての時間でソーラーパネルが最大出力電力を発生しているわけではないのでバッテリーが満充電になるには最低でも6時間以上掛かることになります。
では、50Wのソーラーパネルを使ったら上記のバッテリーを満充電させるのに何時間必要かというと、普通に考えれば100Wのソーラーパネルの2倍の時間が必要ですよね。
このように、ソーラーパネルの最大出力電力が大きい程バッテリーを早く満充電の状態にできますので、バッテリーの容量に応じて最大出力電力を決めてください。
なお、ソーラーパネルのカタログには、最大出力動作電圧(Vmp)と最大出力電力の他に、
Imp、Voc、Iscの用語の意味
- 最大出力動作電流(Imp):最大電力を出力する時の電流
- 開放電圧(Voc):ソーラーパネルの出力端子に何も接続していない時の電圧
- 短路電流(Isc):ソーラーパネルの出力端子をショートさせた時の電流
なども書いてありますが、特に気にする必要はないと思います。
太陽電池の種類で変換効率が変わる
太陽電池の分類は、シリコン系、化合物系、有機系という材料の違いにより3分類に分けられています。
そして、発電量が大きいソーラーパネルに組み込まれている太陽電池の種類は、主にシリコン系の単結晶シリコン型と多結晶シリコン型の2種類が販売されていることをご存じでしょうか。
- 単結晶シリコン型太陽電池の特徴
- 単結晶シリコン太陽電池とは、1つのシリコン結晶で1つのセルが構成されている太陽電池のことをいいます。
- 単結晶シリコン太陽電池の特徴は、光を電気に変換するモジュール変換効率が約18%と太陽電池の中で一番高いということです。
- また、変換効率が高くソーラーパネルのサイズと重量を小さくすることができるので、ソーラーパネルの設置スペースが限られている方にはおすすめだと思います。
※100Wタイプのソーラーパネルで重量は約8kgです。 - しかしながら、100Wタイプのソーラーパネルで約2万円するので、価格が高いというデメリットがあります。
- 多結晶シリコン型太陽電池の特徴
- 多結晶シリコン太陽電池とは、複数個のシリコン結晶粒が融合して1つのセルが構成されている太陽電池のことをいいます。
- 多結晶シリコン太陽電池の特徴は、光を電気に変換するモジュール変換効率が約13%と低く、重量は100Wタイプで約10kgあるので、変換効率と重量共に単結晶シリコン型よりも劣ることです。
- 但し、変換効率と重量を気にしない方は多結晶シリコン型の方が単結晶シリコン型よりも価格が安いので購入して損はありません。
※100Wタイプのソーラーパネルで約1万円です。
同じ発電量のソーラーパネルどうしならば、変換効率が高いソーラーパネルの方がサイズを小型にできますが、ソーラーパネルの設置スペースが広い又はソーラーパネルを持ち運ばないという方は変換効率を特に気にする必要はありませんので、ソーラーパネルに書かれている最大出力動作電圧と最大出力電力だけを目安にして選べば問題ないと思います。
なお、曲げて設置できるフレキシブルタイプのソーラーパネルは軽量(重量約3kg)ですが、表面は樹脂製なので曲げれないガラス製のタイプよりも耐久性は落ちます。
変換効率って何ですか?
少しでもソーラーパネルの発電量を上げて発電したいですよね。
太陽光発電で発電量を上げるにはソーラーパネルに光が当たる面積を増やせばいいので、
発電量を増やす方法
- ソーラーパネルのサイズを大きくする
- ソーラーパネルをたくさん並べて直列・並列に接続する
という方法がありますが、変換効率がいいものを選ぶとソーラーパネルのサイズと重量を小さくすることができるので、設置場所が狭い方は変換効率が高いソーラーパネルを選んだ方が賢い方法です。
変換効率とは、ソーラーパネルに入射した光エネルギーを電気エネルギーに変えることができる割合のことで、(ソーラーパネルの出力電力÷ソーラーパネルに入射した光エネルギー)×100(%)という式で計算できます。
そして、変換効率には、セル変換効率とモジュール変換効率があります。
セルとは太陽電池の最小サイズ(素子)のことで、5インチ角(1辺約125mm)サイズや6インチ角(1辺約150mm)サイズが多いです。
したがって、セル変換効率とは、太陽電池の最小サイズの素子1枚当たりの変換効率のことです。
ではモジュールとは何かというと、太陽光パネルの金属枠などにセルを何枚も配置してセルどうしを電気的に接続して収められた状態のことです。
したがって、モジュール変換効率とは、1つの製品としてパッケージングされて販売しているソーラーパネルの変換効率のことを指しています。
どの種類の太陽電池にも言えることですが、セル変換効率は良くても、モジュール変換効率は悪いので変換効率を重視して選びたい方は、モジュール変換効率の方を見て選んでください。
また、セルの温度が上昇すると変換効率は多少ですが落ちます。真夏の炎天下では定格出力よりも数パーセント落ちますので仕方ないことです。
おすすめのソーラーパネルメーカー
ソーラーパネルは同じ最大出力電力の商品でも価格が高いものから安いものまで様々あります。
日本メーカーのソーラーパネルは品質は大変優れていますが価格が高いのでサイフには優しくありません。かといって、アジアメーカーの激安のソーラーパネルは数年で故障する可能性もあるので安心できず買っていいものなのか悩むところです。
そこで、私がおすすめするのはコストパフォーマンスに優れたRENOGYというアメリカのソーラーパネルメーカーの商品です。
おすすめのソーラーパネル
商品名:Renogy 100W 12V高効率単結晶ソーラーパネル太陽光パネル
こちらのソーラーパネルは、最大出力電力が100Wの単結晶シリコン型の太陽電池です。
※重さは約7.5kg
ソーラパネルの表面は強化ガラス、枠はアルミなので強度は問題ありませんし、逆流防止ダイオードが備え付けられているので逆電流による太陽電池の素子の破損も防ぐことができます。
最大出力動作電圧(Vmp)は18.9Vなので、このソーラーパネル1枚あれば12Vのバッテリーの充電ができます。
ソーラーパネルの使用用途は自宅の太陽光発電の他には、アウトドアが好きな方はキャンプなどの電源として自宅から持ちだして使うことも可能です。
なお、ソーラーパネルでバッテリーを充電させる時は、過充電を防ぐ為にチャージコントローラーを介して行ってください。
(記事作成日:2017年10月10日、最終更新日:2021年11月14日)