DIYで自作する小規模な太陽光発電システムで準備するチャージコントローラーの選び方・使い方
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- チャージコントローラーの選び方と使い方
- 目的(解決できる悩み)
- 小規模な独立蓄電型太陽光発電システムを自作する時に使うチャージコントローラーの選び方と使い方がわかるようになること
- 準備に必要な費用
- PWM制御の10Aのチャージコントローラーは2500円、20Aは5000円、MPPT制御はPWM制御の2倍以上の価格です
- 目次
- 1.チャージコントローラーの基礎知識
- チャージコントローラーって何ですか?
- 2.チャージコントローラーの選び方
- チャージコントローラーの電圧・電流の大きさ
- チャージコントローラーの制御方式の種類
- おすすめのチャージコントローラー
- 3.チャージコントローラーの使い方
- チャージコントローラーの接続方法
1.チャージコントローラーの基礎知識
独立蓄電型の太陽光発電システムを構築する時はチャージコントローラーを必ず用意してください。
チャージコントローラーがあればソーラーパネルとバッテリーの保護ができ安全に電気を充電・放電させることができます。
チャージコントローラーって何ですか?
チャージコントローラーとは、ソーラーパネルで発電した電気をバッテリーへ充電する際に過充電とならないように電圧・電流を制御する為に使う機器です。
太陽光発電は、ソーラーパネルとバッテリーがあれば充電できると思われていますが、それは発電量が2Wなどの非常に小さいソーラーパネルの時の話です。
バッテリーは何も負荷を接続しなくても1日当たりバッテリーの全容量の1%くらいを自己放電しています。例えば、60Ahのバッテリーなら1日に約0.6Ah(約7.2Wh)放電している計算になるので、発電量が非常に小さいソーラーパネルでは自己放電分を補う程度しか充電できないのでバッテリーの過充電は特に気にする必要はありません。
ソーラーパネルでバッテリーを充電する時に気をつけないといけないことは、数十ワット以上の発電量を持っているソーラーパネルでバッテリーを充電するとバッテリーが過充電して大変危険な状態になってしまうことです。
バッテリーを過充電させない為にソーラーパネルとチャージコントローラーはセットで使うものと覚えてください。
チャージコントローラーは、バッテリーの過充電防止の他に、
チャージコントローラーの役割
- ソーラーパネルに光が当たっていない夜間などにバッテリーからソーラーパネルへの逆電流が流れないように防止する
- バッテリーの電圧やソーラーパネルからバッテリーへの充電電流を表示する
- 短絡時や間違えて極性を逆にして電線・ケーブルを接続した時に保護する
- 低電圧時に警告する
などの機能が備わっていますので、安全の為に必ずチャージコントローラーを接続するようにしてください。
なお、チャージコントローラーの接続箇所は、ソーラーパネルとバッテリーの間です。
2.チャージコントローラーの選び方
チャージコントローラーは、ソーラーパネルで発電した電気をバッテリーに貯める時にバッテリーを過充電させない為に必要となる機器ですが、メーカーや製品の作りの違いで性能と価格が異なってきます。
チャージコントローラーを選ぶ時は、
チャージコントローラーを選ぶ時のpoint
- 電圧・電流の大きさ
- 制御方式の種類
に気をつけて選んでください。
チャージコントローラーの電圧・電流の大きさ
チャージコントローラーは、ソーラーパネルから入力される電圧・電流、バッテリーに出力する電圧に対応している機種を選んでください。
チャージコントローラーは機種によって次のように電圧・電流の仕様が異なっています。
チャージコントローラーの入力と出力の値
- チャージコントローラーへの入力電圧:40V、50V
- チャージコントローラーへの入力電流:10A、20A、30A
- バッテリーへの出力電圧:12V専用、24V専用、12Vと24V兼用
- 負荷端子からの出力電流:10A、20A
ソーラーパネルから入力される電圧と電流、負荷へ出力される電流は、チャージコントローラの仕様よりも小さい値となるように使ってください。
また、鉛蓄電池用のチャージコントローラー、リチウムイオン電池用のチャージコントローラーというように使用用途が分別されていますので、選ぶ時は商品の説明をよく読んでください。
チャージコントローラーの制御方式の種類
チャージコントローラーを選ぶ時は制御方式を確認してから選んでください。
チャージコントローラーには、MPPT制御方式とPWM制御方式の2種類があります。
- MPPT制御方式の特徴
- MPPT制御は、ソーラーパネルで発電した電力を最大付近でバッテリーへ出力してくれる最大電力点追従制御を行う特性を持った制御方式です。
- ソーラーパネルが発電した電圧がバッテリーの電圧よりも低い場合は、自動で電圧を昇圧してバッテリーを充電するように充電アルゴリズムが機器に組み込まれており、ソーラーパネルで発電した電気を最大出力で効率よくバッテリーに充電してくれます。
※MPPT制御のチャージコントローラーの変換効率は90%以上です。 - MPPT制御はバッテリーへ充電する効率は高く少しでも効率よくバッテリーを充電したい方におすすめですが、製品の価格が高いことがデメリットです。
- PWM制御方式の特徴
- PWM制御は、ソーラーパネルが発電した電圧がバッテリーの電圧を超えると充電を始める特性を持った制御方式です。
- PWM制御はパルス幅で電圧を制御するのでMPPT制御のように最大出力となるように制御して充電してくれないので充電する効率が悪いですが、価格が安いので広く普及している制御方式です。
※PWM制御のチャージコントローラーの変換効率は75%くらいです。 - PWM制御は予算に余裕がない方におすすめの製品です。
早い話が、制御方式が違うと何が違うのかというと、バッテリーへの充電効率が良いか悪いかの違いです。
MPPT制御とPWM制御のチャージコントローラーは性能が極端に異なるので、好みや予算に応じて選んでください。
特に、MPPT制御のチャージコントローラーを使えばバッテリーに適した電圧・電流にして充電してくれるので、バッテリーの性能を最大限に活かすことができます。
おすすめのチャージコントローラー
太陽光発電で使うチャージコントローラーの種類はいろいろありますが、ここでは、防水機能付きで扱いやすいチャージコントローラーを紹介します。
おすすめのチャージコントローラー
商品名:RENOGY PWM ソーラーチャージコントローラー (20A 防水液晶画面付き)
こちらのRENOGYのチャージコントローラーは、防水機能付きのPWM制御のチャージコントローラーです。
電解液が液体の普通の鉛バッテリーの他に、Gelタイプ、AGMタイプ、リチウムイオンにも対応しています。
特徴は、表面の表示窓で充電状況が一目で確認できることです。
ソーラーパネルとバッテリーが壊れないように保護する為に、ソーラーパネルとバッテリーの間にチャージコントローラーを接続して、過充電、過放電、逆極性接続、逆電流の防止を必ず行ってください。
3.チャージコントローラーの使い方
チャージコントローラーは、流れる電流の大きさに耐えることができる太さの電線・ケーブルを使ってソーラーパネルとバッテリーの間に接続してください。
なお、基本的に負荷端子には何も接続せずに使いますので間違えないようにしてください。
チャージコントローラーの接続方法
チャージコントローラーはソーラーパネルとセットで使うものですが、バッテリーがないと発電した電気が充電できないので、ソーラーパネル、チャージコントローラー、バッテリーの3点を準備してください。
チャージコントローラーを使う時は、太陽電池からチャージコントローラーへ入力される電圧・電流に耐えるもの、充電するバッテリーの電圧に対応したものを選ぶようにしてください。
チャージコントローラーへ接続する電線・ケーブルの端子は、
チャージコントローラーに備え付けられている端子
- ソーラーパネルからの入力端子
- バッテリーへの出力端子
- 電気機器を使う負荷端子
の3種類の端子が備え付けられています。
ソーラーパネルからのケーブルを接続する入力端子には、ソーラーパネルから延びているプラス・マイナスの2本のケーブルを接続します。
※主にH-CVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁耐熱ビニルシースケーブル)を使って接続します。
バッテリーへの出力端子には、バッテリーから延びているプラス・マイナスの2本の電線を接続します。
※KIV電線(電気機器用ビニール絶縁電線)、VCTケーブル(ビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブル)などを使って接続します。
上記の2つの端子へ接続する電線・ケーブルの導体の太さは、2.0sqや3.5sqを使うことが普通です。
※sq(スケア)とは、断面積(mm2)のことです。
電気機器を使う負荷端子は10A程度の電流しか流せないのでバッテリーの電圧で動作する消費電力が少ない電気機器が使えますが、普通は負荷端子には何も接続させず使わないことが多いです。
では、直流の電気を交流の電気に変換するインバーターはどこに接続するのかというと、チャージコントローラーの端子ではなくバッテリーの端子に直接接続します。
インバーターは負荷端子に接続してしまいそうになりますが消費電力が大きいものを使うと壊れますので何も接続しない方がいいです。どうしても使いたいなら100Wまでにしてください。
(記事作成日:2017年10月24日、最終更新日:2021年8月22日)