車のラジエターキャップの交換時期と交換方法
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- 目的(解決できる悩み)
- ラクティス(前期型)のラジエターキャップの交換方法を紹介しています。自分でラジエターキャップの交換作業を行い交換費用を節約してください。
- 節約できる金額
- 自分で交換すれば約500円の節約ができます
- 目次
- 1.ラジエターキャップの基礎知識
- ラジエターキャップの役割
- 2.ラジエターキャップのメンテナンス
- ラジエターキャップの交換時期
- ラジエターキャップの交換費用と作業時間
- ラジエターキャップの交換で使う用品と工具
- おすすめのラジエターキャップ
- 3.ラジエターキャップの交換方法
- ボンネットを開けます
- ラジエターキャップを左に回します
- ラジエターキャップを取り外します
- 新品のラジエターキャップをセットします
1.ラジエターキャップの基礎知識
ラジエターキャップは、ラジエター本体の上部に装着されているパーツで冷却水の経路に適正な圧力を掛ける役割があります。
もし、ラジエターキャップが錆びていたりゴムが劣化していると冷却水の水温の制御が悪くなります。
冷却経路に常に適正な圧力を掛け続けることによって、エンジンは最善のパフォーマンスを発揮できるようになります。
ラジエターキャップの役割
ラジエターキャップは、ラジエターといわれるエンジンの冷却経路の圧力を高くして冷却水(ラジエター液)の沸点を上げる目的でエンジンルーム内のラジエター本体の上部とリザーバータンクの間に設置してあるパーツです。
車のエンジンは、燃料を燃やした時に出る熱を何かの形で奪い取って、常に一定の温度にしなければオーバーヒートしてしまいます。
そこで、エンジンで発生した熱を効率よく処理して適温にする為にラジエターというパーツが使われています。
上の写真はラジエターキャップですが、冷却水がこぼれないようにする為のただの蓋のようにしか見えませんよね。
しかしながら、ラジエターキャップには、加圧弁と負圧弁がついているのでただの蓋ではありません。
加圧弁と負圧弁の働き
- 加圧弁:冷却水の温度が高くなり冷却経路の圧力が高くなると加圧弁を開いて圧力調整する
- 負圧弁:冷却水の温度が低くなり冷却経路の圧力が低くなると負圧弁を開いて圧力調整する
このように、ラジエターキャップはラジエターの冷却水が流れる経路の圧力が常に適正となるように保つ役割をする重要なパーツなんです。
なお、エンジンの冷却方式には空冷と水冷があり、ラジエターは水冷方式で必要となりますが、現在の車のほとんどは水冷方式でエンジンを冷やしていますので、ラジエターキャップの点検は忘れずに行ってください。
2.ラジエターキャップのメンテナンス
ラジエターキャップは、約5~10年間使ったら本来の性能が発揮できなくなる消耗パーツなので定期的な交換が必要です。
もし、ラジエターキャップのゴム部分が劣化していたり数年間交換していない時は即交換することをおすすめします。
ラジエターキャップの交換時期
ラジエターキャップはただの蓋ではなくラジエターの冷却水の経路の圧力を0.9kg/cm2や1.1kg/cm2に調整するものです。
ラジエターキャップのゴムが劣化したり金属がサビたりして弁の動作が悪くなり本来の性能が発揮できなくなると冷却効率が悪くなるので定期的に交換する必要があります。
ラジエターキャップの状態を上の写真で説明すると、左側のラジエターキャップは6年使用したもの、右側のラジエターキャップは新品です。6年使用したラジエターキャップは一目見ただけでは綺麗に見えますがゴムが劣化して少し冷却水が漏れている状態です。
ラジエターキャップを新品に交換する時期としては、ラジエターキャップを新品に交換してから5~10年走行した時が適しています。
車の取り扱い説明書にはラジエターキャップのことは触れていませんが、ラジエターキャップの周りが白くなっていたらゴムが劣化して少しずつ冷却水が漏れていますので交換した方がいいです。
ラジエターキャップの周りの配管が白くなっている
ラジエターキャップを交換する目安としては、
ラジエターキャップの交換の目安
- 5~10年間使った
- ゴム部分が劣化している
- 金属部分が錆びている
- キャップの周りの配管が白くなっている
という状態です。
ラジエターキャップの表面についている汚れをウエスなどで拭き取って綺麗にしても劣化したゴムは元通りに直りませんので使い方に注意してください。
ラジエターキャップの交換費用と作業時間
ラジエターキャップをカーショップに依頼して交換してもらった時と自分で交換した時のおおよその費用と作業時間を比較してみます。
- カーショップで交換した時の交換費用と時間
- ラジエターキャップの代金:約1000円
- 交換工賃:約500円
- 作業時間:作業自体は5分くらいで完了しますが、ピットが混雑していると1時間以上待つこともあります
カーショップで交換した時の費用は部品代と交換工賃を合計すると1500円です。
- 自分で交換した時の交換費用と時間
- ラジエターキャップの代金:約1000円
※今回使ったラジエターキャップは、インターネットショップで安売りしているタクティーのドライブジョイというラジエターキャップです。 - 作業時間:作業は5分くらいで完了できます
- ラジエターキャップの代金:約1000円
自分で交換した時の費用は部品代のみなので1000円です。
1500円-1000円=500円となるので、自分でラジエターキャップを交換すれば500円の節約ができます。
ラジエターキャップの交換で使う用品と工具
ラジエターキャップを自分で交換する時は、工具は何も必要ないのでラジエターキャップだけ用意すれば交換ができます。
ラジエターキャップ交換時に使う用品
ラジエターキャップの交換で用意するもの
- ラジエターキャップ(年式と車種によりラジエターキャップのサイズが異なるので適合表で必ず確認すること。)
ラジエターキャップを購入する時は、ラジエターキャップのメーカーが作った適合表でラジエターキャップを交換する車に合う品番を確かめてから購入しましょう。
ラジエターキャップは車検時に交換を勧めてくることがあるので自分で交換すれば費用の節約ができます。
おすすめのラジエターキャップ
カー用品店に行くとたくさんのラジエターキャップが棚に並んでいてどれを購入したらいいのかわからなくなったことはありませんか?
ラジエターキャップの種類は、次のように標準タイプとスポーツタイプの2種類があります。
ラジエターキャップの種類
- 標準タイプ:純正品と同じ圧力のラジエターキャップ
- スポーツタイプ:ハイプレッシャータイプともいわれており、純正品よりも圧力が高く価格が高いラジエターキャップ
どちらの種類の方がいいかというと標準タイプです。スポーツタイプは圧力が高いので古い車に使うと冷却水が配管の継ぎ目から漏れる恐れがあります。ラジエター不調をさせない為にも純正品と同じ圧力の種類を使ってください。
私がおすすめするラジエターキャップは、タクティー(ドライブジョイ)、SPAC、NGKなどの価格が安く品質が高いメーカーです。
ラジエターキャップは、オートバックスなどのカー用品店でもインターネットショップでも同じような価格です。
おすすめのラジエターキャップ
商品名:タクティー(TACTI) ラジエーターキャップ(N-11) V9113-0N11
タクティーのラジエターキャップは、純正品と同等の品質なので、冷却経路に適正な圧力を掛けることができる商品です。
トヨタのディーラーに行くとタクティーの商品を扱っているので品質は問題なく安心して使うことができます。
なお、ラジエターキャップには品番V9113-0N11というように各ラジエターキャップのサイズは車の年式と車種で異なります。適合車種以外では装着できませんので必ずラジエターキャップのメーカーが作成した適合表で確認して交換する車に合う品番を購入してください。
まずは、SPACの適合表で車種検索して品番を探した後に、NGKの適合表で他社相当品番を探すとわかりやすいと思います。
3.ラジエターキャップの交換方法
車のラジエターキャップの交換作業は、エンジンが十分に冷えている状態でエンジンルーム内のラジエター本体の上部とリザーバータンクの間にある古いラジエターキャップと新しいラジエターキャップを入れ替えるだけなのでどなたでも簡単に交換可能です。
しかも、5分あれば作業は完了して、ラジエターの冷却経路の圧力を保つことができるようになります。
ラクティスのラジエターキャップの交換方法について紹介しています。
ボンネットを開けます
ラジエターキャップはエンジンルームに装着されているので、まずはボンネットを開けましょう。ボンネットを開ける時は、次の3ステップで開けてください。
ボンネットを開ける手順
- 運転席側にあるボンネットを開けるフックを引くとロックが解除されボンネットが少し開きます。
- ボンネットの隙間に手を入れてフックを持ち上げてボンネットを上げます。
- ボンネットを持ち上げたらボンネットを支えるステイをボンネットの穴にセットして固定します。
ボンネットをステイで固定すると上の写真のような状態になります。
ラジエターキャップを左に回します
ボンネットを開けると、上の写真のような金属の蓋が見えるようになります。
ラジエターキャップはこの蓋のことなので、この蓋を左に回して外す作業を行います。
ラジエターキャップを開ける時に気を付けることは、エンジンが熱い時に開けると冷却水が吹きだす恐れがあるのでエンジンが冷えている時に行うことです。
ラジエターキャップは2段階のロックがされているので、キャップを回し終わった時にカチンとぶつかる作業を2回行って外してください。
1回目のロックの位置
2回目のロックの位置
なお、ラジエターキャップは硬いので力を入れて回してください。
ラジエターキャップを取り外します
ラジエターキャップを2段階回すことができたら、ラジエターキャップのロックが外れた状態なので、上に持ち上げて台座から取り外します。
ラジエターキャップを外した時に冷却水がこぼれることがあるので下側をウエスなどで覆うことをおすすめします。
新品のラジエターキャップをセットします
古いラジエターキャップが収まっていたスペースに新しいラジエターキャップをセットします。
ラジエターキャップを台座にセットする時の注意点としては、車種や年式によってラジエターキャップの大きさや形状が異なることです。ラジエターキャップを作っているメーカーの適合表でラジエターキャップを交換する車に合う品番を確認してから購入してください。ラジエターキャップと台座のサイズが合わないとセットできませんし加圧弁が正常に動作できません。
台座にラジエターキャップをセットして元通りにできたら、エンジンを掛けてみて冷却水が漏れてこないか点検して異常がなかったら作業は完了です。
ラジエターキャップの交換は5分あれば自分でも簡単に行えれるので、長期間交換していないという方は交換することをおすすめします。
(記事作成日:2018年7月28日、最終更新日:2021年7月28日)