カーバッテリーの日常点検とメンテナンス方法
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- 目的(解決できる悩み)
- 自分でバッテリーの日常点検とメンテナンスができるようになること
- 目次
- 1.カーバッテリーの日常点検の方法
- バッテリーの簡易的な寿命の判断方法と交換時期
- インジケーターを使った点検方法
- 2.カーバッテリーのメンテナンス方法
- バッテリー液の量の点検方法
- 比重計を使った電解液の点検方法
- バッテリーの劣化状態を詳しく知りたい時は?
1.カーバッテリーの日常点検の方法
車のバッテリーは消耗パーツなので日常点検でバッテリーの寿命の判断をしてバッテリーが弱っていることに気がついたら交換が必要となります。
車のバッテリーを日常点検する方法としては、エンジンを掛ける時のスターターの音の違いを聞き分けて交換時期かどうか判断する方法とインジケーターを見る方法があります。
どちらの方法で点検してもダメと判断できたらすぐにバッテリーを交換することをおすすめします。
バッテリーの簡易的な寿命の判断方法と交換時期
バッテリーはエンジンを掛ける為になくてはならないパーツです。バッテリーは2年ごとの交換が常識になっていますが、実際はグレードと使い方によりバッテリーの寿命は変わってくるので2年で交換とは一概にはいえません。1年でダメになることもあれば6年使えれることもあるので寿命を迎えていないバッテリーを買い換えるとムダな出費につながります。
そうは言っても、長い期間バッテリーを使って正常に機能してくれなくなるとエンジンが掛けられなくなってロードサービスを呼ばないといけなくなるので、しっかりとメンテナンスすることを心掛けてください。
バッテリーが寿命かどうか日常点検で簡易的に判断する方法としては次の3つがあります。
交換時期のバッテリーの症状
- エンジンの掛かりが悪い
- ヘッドライトの明るさがアクセルペダルを踏み込む量で変わる
- バッテリー液の減りが早い
このような症状が現れたらバッテリーの寿命ですので新品のバッテリーに交換してください。
フラッグシップモデル(最上位モデル)のバッテリーを点検する時の注意点は、さっきまでエンジンが掛けれたのに今掛けようとしたら掛けられなくなったというように、一気に機能が低下して使いものにならなくなるので、ヘッドライトの明るさで判断するのでなく、エンジンの掛かり具合で判断した方がいいです。
したがって、バッテリーの交換時期を一番わかりやすく調べる点検方法は、エンジンの掛かり具合で判断する方法です。
エンジンの掛かり具合で交換時期を判断する場合は、
スターターモーターの音でバッテリーの寿命を判断する方法
- スタートボタンを押した時のスターターモーターの音
- イグニッションキーを回してスタートにした時のスターターモーターの音
をよく聞いてください。
次のように、キュルキュル、グォングォン、カチカチのどれかの音がしていると思います。
スターターモーターの音とバッテリーの状態の関係
- キュルキュルという音:正常なバッテリーの状態
- グォングォンという音:バッテリーが弱っている状態
- カチカチという音:エンジンの始動ができないので即交換(カチカチはマグネットスイッチが動作する音)
もしも、グォングォンと鈍い音がしていたらバッテリーの寿命が近いサインなのでその時が交換適期です。スターターモーターを始動できる電力をバッテリーから取り出せなくなるとじきにカチカチという音に変わりエンジンが掛けられなくなります。
古いバッテリーを新品のバッテリーに取り換えると得られるメリットは、
新品のバッテリーのメリット
- エンジンの始動が容易にできる
- アイドリングが安定する
などです。
私の車は上り坂でエンジンからカリカリという音がしていましたがバッテリーを換えたらいわなくなりました。
エンジンの掛かりが悪いバッテリーを車の端子に接続していても意味がないのでバッテリーの調子がいつもと違うと感じたら早めに交換した方がいいです。バッテリーの交換は簡単なので自分で作業を行えば費用の節約ができます。
インジケーターを使った点検方法
インジケーターとはバッテリーのケースの上面に付いている表示窓のことで、色の違いでバッテリーが正常かどうか確認することができます。
- GSユアサのエコアールのインジケーターの場合
- 中心が青色:良好
- 中心が赤色:充電不足
- 中心が透明:バッテリー液不足
- 古河バッテリーのFB9000のインジケーターの場合
- 中心が赤色で外側が青色:良好
- 中心が赤色で外側が透明:充電不足
- 中心が透明で外側が赤色:バッテリー液不足
このように、インジケーターの色を見ればある程度はバッテリーの状態を知る判断材料になります。
しかしながら、インジケーターは6室の電槽で構成されたバッテリーの中の1室の電槽の状態しか確認できませんので、インジケーターの表示が良好を示していても他の電槽の状態が悪く電極が劣化していてエンジンの始動ができないことがあるのでインジケーターは目安として使ってください。
2.カーバッテリーのメンテナンス方法
自動車用の鉛バッテリーのメンテナンス方法は、バッテリー液の不足分の補充と比重計を使って電解液の状態を測定する方法がよく使われます。
バッテリー液の量の点検方法
バッテリーの液面の状態は定期的にメンテナンスする必要があることをご存じでしょうか。
バッテリーの充電中はプラス極板からは酸素ガス、マイナス極板からは水素ガスが発生するのでバッテリー液が徐々に減っていきます。
バッテリー液が少なくなって電極板が露出してしまうとバッテリーの性能は低下してしまうのでバッテリー液のレベル管理をしてください。
最近のバッテリーはバッテリー液の減る量が昔に比べるとずばぬけて少なくなりましたが、それでもグレードが低いバッテリーはバッテリー液が減ります。
もし、バッテリー液が減っている場合は、ケースの側面にレベル(UPPERレベル、LOWERレベル)の表示があるタイプはレベルの上限までバッテリー液を補充、ケースの側面にレベルの表示がないタイプは補充口の内側の突起物の下面までバッテリー液を補充します。
バッテリーの補充口(キャップ)を開ける時は、10円玉などを使って左回りに回せば簡単に開けられます。
補充時に注意することは、補充するバッテリー液は水道水を使うのではなく不純物を含んでいない補充液(蒸留水・精製水)を使うことです。
※補充液はホームセンターやカー用品店で売っています。
また、補充口のキャップについていたバッテリー液がケースなどにこぼれた場合はウエスなどで拭き取ってください。
比重計を使った電解液の点検方法
比重計でバッテリーの電解液の状態を確認する場合は、ホームセンターやカー用品店で自動車用鉛バッテリーの比重計を購入してください。
比重計とは、大雑把に説明するとバッテリー液(電解液)の硫酸の濃度を測る測定器のことです。
バッテリーが満充電で20℃の時の比重は1.28、硫酸濃度は約37%が正常な値となります。
比重計を使った点検方法は、バッテリーを満充電にしてバッテリー液の補充口を10円玉などを使って開けて比重計の先端を補充口の中に入れてバッテリー液を吸い上げた時の比重の値を見て確認します。
バッテリー液(電解液)の比重の測定結果が、
比重とバッテリーの状態の関係
- 1.25以上:バッテリーは正常
- 1.2~1.25:バッテリーは弱っている
ということが言えます。
比重の値が高くなったり低くなったりするのはどういうことかというと次の通りです。
比重と硫酸の濃度の関係
- 電解液の比重が低い:硫酸鉛が電極にくっ付いていて電解液中での硫酸の濃度が低い状態のことです。
- 電解液の比重が高い:電極にくっ付いていた硫酸鉛が溶解して電解液に溶け込み電解液中の硫酸の濃度が高い状態のことです。
つまり、比重が下がる要因は、電解液中の硫酸の濃度が低いからなので、充電不足、又は電極にこびり付いている硫酸鉛が溶解されていません。バッテリーを満充電にしても比重が1.25~1.28なければ寿命ということになります。
バッテリーの劣化状態を詳しく知りたい時は?
バッテリーの劣化具合を確認する方法はいろいろありますが、私の今までの経験上、インジケーターの色、比重計の値、電圧値よりもスターターモーターの回り具合で判断した方が賢い方法です。
どうしてかというと、インジケーターの色が正常でも、電圧値が正常でもバッテリー自体の劣化で充電可能な満容量が新品に対して70%、60%というように減ってしまったらエンジンが掛けられなくなるからです。
上記でインジケーターと比重計での点検方法を紹介しましたが、実際のところ、バッテリーの正確な劣化状態は、CCA(コールドクランキングアンペア)と電極板の内部抵抗値で確認しなければわかりません。
バッテリーの正確な状態が知りたい場合は、専用の測定器が必要となるので、ディーラーやガソリンスタンドでCCAの測定をすることをおすすめします。
測定したCCAの値が新品のバッテリーのCCAの値の70%以下の値になったら交換時期にきていると思ってください。
(記事作成日:2018年1月16日、最終更新日:2021年6月30日)