マイホームの購入計画
家を購入する前によく考えよう
分譲の一戸建てやマンションなどの家を買うことは、一生に1度あるかないかの一大イベントです。
夢のマイホームは新築・中古どちらにしても、少ない金額ならまだしも家を買うということは年収の5倍くらいの金額が動くイベントなので失敗は極力避けたいものですね。
家を買おうと考えてもすぐには購入に踏み切れるものではありません。
家を購入する時の流れは、
- 家の購入資金を用意する
- 家を探す
- 家の購入契約をする
という順序になります。
また、家を購入したら家の代金を支払いますが、その他にも税金が掛かることを忘れずに資金繰りから家を購入する契約までは入念に計画を立てて進めてください。
分譲の一戸建てかマンションの購入を希望する方の中には、賃貸住宅で月々10万円の家賃を30年間払い続けたら3600万円になるので、家賃の支払額で家が購入できる金額になるから家を買った方がお得と判断する方もみえます。
確かに、家を買った方が自分の資産になるのでお得ですが、分譲住宅では壊れた箇所の修繕費は自分で負担しなければいけなくなります。
※分譲マンションは、管理費・駐車場代・修繕積立金を毎月管理組合に支払う費用がかかります。
例えば、
- 水道の蛇口からの水漏れ
- ガス給湯器の故障
- 初めから備え付けのエアコンの故障
などのように、自然に壊れた(普通に使っていて老朽化して壊れた)時は賃貸住宅では大家が修繕費を負担しますが、分譲住宅では実費なのでそのことも頭に入れておきましょう。
ずっとその家に住み続けられるならいいですが、仕事、親の死など何かの理由で突然引っ越しを余儀なくされることもあるので、10年先のことも考えて行動しましょう。
家を購入する時は何から始めたらいいのか基本的なことをまとめましたので、初めて家を購入しようと考えている方は参考にしてみてください。
家の購入資金を用意する
家を買おうと決めたら、その家を購入する為のお金が必要になります。
まず初めに行うことは、銀行通帳などの預貯金が全部でいくらあるのか調べましょう。
もし、家を買えるくらい現金を持っている方はキャッシュで代金を一括で支払えばいいですが、そうでない方は、住宅ローンを借りることになります。
※預貯金を合わせるとちょうど家の販売価格が支払える現金があるという方でも、日常で使うお金が必要になってくるので預貯金の半分くらいは残しておいた方がいいでしょう。
住宅ローンを借りるといっても、住宅ローンで家の購入費用をすべてまかなおうと考えている方は要注意です。
家を購入する時はほとんどの場合は頭金(購入価格の2割くらいの現金)がいるので購入資金が足りないのなら親から借りるのも一つの方法です。
ですので、家の販売価格から頭金を差し引いた金額を住宅ローンを借り入れて対応していくことになります。
家を購入する時の頼みの綱である住宅ローンですが、収入基準があり誰でも組めるわけではありません。
また、融資される金額は、一般的には物件の購入価格の80~90%以下なので、購入価格の20%くらいは自己資金(頭金)を預貯金などで準備してください。
※2000万円の家を購入する時は、購入価格の20%では400万円を頭金として用意すること。
住宅ローンの返済額は、年収の30%を返済にあてることを目安とします。例えば、400万円の年収では年間120万円、月々では10万円を返済にあてます。
しかし、日常生活に支障が起きる時は、ローンの支払いで日々の生活が苦しくなったら何も楽しくありませんから返済するパーセントを減らしましょう。
住宅ローンで注意すること
住宅ローンを借りて数年間は返済できても、数年経過して経済が不景気になり会社をリストラされローンを返済する当てがなくなることも少なからずあります。
また、限度額いっぱいまでの住宅ローンの借り過ぎは返済が滞る原因にもなるので注意してください。
購入する家を探す
家を買う購入資金のめどがついたら、次の作業は家探しを始めましょう。
家を探す方法ですが、現在では様々な媒体が活用できます。
昔からの方法では、不動産業者のお店に直接行って話を聞いたり、ローカルな物件では新聞の折り込み広告を見るなどがありますが、最近では、インターネットで検索したり住宅情報誌で簡単に探すこともできます。
休日しか仕事の休みが取れない方は、平日はインターネットで物件を探して見て、休日になったら気になった物件を扱っているお店に足を運んでみるのがいいと思います。
家は高額な買い物なので、後々トラブルに巻き込まれた時のことも考えて少しでも親切に接客対応してくれるお店で購入した方がいいです。
例えば、次のような雰囲気があるお店とは関わらないようにすること。
- 店員の態度がでかい
- 常に上から目線
- 身なりが派手
- 興味がない物件を押しつけてくる
- お客の話を聞こうとしない
- 契約を急がせる
また、会社名をインターネットで検索したら評判が悪かったり、営業停止処分を受けていた経緯がある会社ではできるだけ契約しないようにしましょう。
物件を選ぶ時は、次の4つのポイントに気をつけて選びます。
- 日当たり
家の近くに高さが高いマンションなどが建っていると時間帯によっては日陰になるので注意すること。 - 電車の駅やバス停、学校までの距離
通勤やお子さんの通学に影響します。駅まで10分と書いてあるのに、信号待ちや実際に歩くスピードなどを考慮すると20分かかることもあるので注意すること。 - スーパーまでの距離
徒歩や自転車で買い物する方は近い方がいいでしょう。車で買い物にいく方は特に関係ありません。 - 騒音
近くに工事現場があって一過性の騒音ならいいのですが、工場が建っている時は通年騒音に悩まされることがあります。
休日は静かだけど、平日は工場の騒音や車のいききが多くやかましいなども考えられるので、休日と平日の両方の騒音を確認しておいた方がいいです。
契約しようとしている物件は、建物のデザインや作りがどんなに気にいった時でも写真のみで判断しないで、必ず現地へ行って外から全体を見て家の中も見学すること。また、近隣の環境は住み心地に関わってくるので、少しでも住みやすく便利な場所に建っている物件を選びましょう。
気に入った物件が見つかったら
もし、物件を現地で見学して気に入ったら、登記事項証明書(登記簿謄本)を見て、土地登記簿と建物登記簿に記載されている土地や建物の住所と面積が広告の内容と同じか確認します。また、抵当権が記載されていたら抹消してもらってから購入しましょう。
※登記簿謄本は不動産業者に伝えれば見せてもらえます。不動産業者で購入しない時は物件の住所を管轄する法務局で取ることができます。
家の購入契約をする
物件を見学して家を購入することに決めたら家の販売代金を支払いますが、販売代金の他にも下に書いた費用が必要になります。
※住宅ローンを利用する方は手数料がいります。
- 頭金
- 物件を購入する時は頭金(手付金として現金)を用意します。
住宅ローンを利用する時は、頭金を多く入れると利息分の返済額は少なくてすみます。 - 仲介手数料
- 不動産業者を利用して購入する時で、仲介の形の物件は仲介手数料がかかります。
400万円を超える物件では物件価格の3%程が仲介手数料として必要です。 - 印紙代
- 契約書をとり交わす時に必要な税金のことです。
不動産の売買契約書、住宅ローンを借りる時の契約書など契約書1枚ごとに印紙代は掛かります。
※印紙代は契約書の金額により異なります。 - 住宅ローン
- 住宅ローンを借りる時は、事務手数料と連帯保証人になってくれる人がいない時は保証料が掛かります。
その他では、火災保険に加入することが義務付けられています。
※フラット35では保証人はいらないので保証料は必要ありません。
不動産業者への代金の支払いが終わりましたら、登記簿謄本に所有権移転登記をしてもらいましょう。
不動産の取得時・保有時に必要な税金
家を買う契約をして購入代金を支払ったら家に関するお金は払わなくて済むと思われている方はいませんか?
不動産を保有している間も税金はしっかりと掛かります。
- 不動産の取得時に納める税金
- 登録免許税
- 不動産取得税
- 不動産の保有時に納める税金
- 固定資産税
- 都市計画税
不動産の取得時と保有時には、このような税金を納めなくてはいけないので、家の販売価格以外にもお金は必要になることを覚えておきましょう。
登録免許税
土地や家を購入した時は所有権移転の登記をする登記費用(税金)がいります。
また、相続や贈与された時も必要です。
土地や家を購入する以外では、家を新築した時は表題登記と所有権の保存登記、増築した時は表題変更登記、家を取り壊して建て直した時は所有権の保存登記をします。
- 新築住宅の所有権の保存登記の税金
- 課税標準×0.4%、平成29年までは軽減税率となり課税標準×0.15%
- 土地建物の所有権移転の登記の税金
- 売買などによるもの:課税標準×2%、平成29年3月までは軽減税率となり課税標準×0.3%
- 相続によるもの:課税標準×0.4%
※課税標準とは、家を購入した時に実際に支払った不動産価格ではなく固定資産課税台帳に登録されている価格のことです。
不動産取得税
家の所有権を取得すると1回のみ地方税が課税されます。
※相続によるものは対象外です。
- 住宅の場合:課税標準×3%
- 住宅以外の場合:課税標準×4%
住宅の場合は、平成30年3月までに取得すると課税価格は半額に軽減されます。
※課税標準とは、固定資産課税台帳に登録されている価格のことです。
固定資産税
毎年1回固定資産課税台帳に所有者として登録されている時に納める税金です。
固定資産税=課税標準×1.4%
※課税標準とは、固定資産課税台帳に登録されている価格のことです。
都市計画税
毎年1回都市計画法による都市化区域内に所有者として登録されている時に納める税金です。
都市計画税=課税標準×約0.3%
※課税標準とは、固定資産課税台帳に登録されている価格のことです。
マイホーム購入後のトラブル
欠陥住宅を購入してしまったら
家は購入したら終わりではありません。
購入した後は何十年とその家に住み続けなければいけないので、できるだけ品質がよい家を手に入れたいですね。
しかし、あってはならないことですが購入した家に何かしらの欠陥が見つかることが少なからずあります。
欠陥を見つけたら、家の購入契約をした不動産業者に連絡をしましょう。
もし、不動産業者と話がまとまらない時は、
- 消費者ホットライン(消費者庁)
- 消費生活センター
- 弁護士
などに相談をしましょう。
場合によっては民事調停や訴訟で解決することとなります。
ローンが払えられなくなったら
マイホームを住宅ローンを利用して購入後に住宅ローンが払えられなくなってしまったらどうなるのでしょうか?
住宅ローンの返済が滞ってから半年が過ぎると保証協会や保証会社から連絡がくるようになり、この段階で返済ができないと家を売却するか抵当権が実行されて競売にかけられる恐れがあります。
返済が困難となった時は、自己破産か民事再生の法的処置をとるしか方法はありません。
- 自己破産
- 住宅などのすべての財産を処分してそのお金で借金の清算に当てます。
- 民事再生
- 破産なく返済期間の延長などの一定の要件の下で減額された借金を返済していきます。
住宅ローン以外の借金は減額になりますが、住宅は手放さないので住宅ローンは減免されません。 - 但し、再生計画が認められない場合は自己破産の手続きをすることになります。
終身雇用が崩れてしまったこの世の中では、住宅ローンが払えられなくなるという事態は他人事ではありません。
住宅ローンを借りる時は、下に述べたことを考えながら借りるようにしてください。
- 会社から受け取る給与は当たり前とは思わないこと
- 残業代が減った、会社をリストラになって給与がない、あてにしていたボーナスがないなどは明日起こるかもしれません。
- 限度額いっぱいまで借りないこと
- 借りたものは基本的に返し終わるまで返済し続けないといけないので、限度額まで借りればいいという安易な考えは捨てましょう。
- 他の消費者金融から新たに借りないこと
- 他のところからお金を借りてもその場しのぎだけで何の解決にもならなりません。
お金が手元にあればあったで何かに使ってしまうのでむやみやたらに借りないこと。返済計画をしっかり作りましょう。
(記事作成日:2016年10月26日、最終更新日:2017年3月13日)