賃貸物件の賢い探し方・選び方
賃貸物件のお部屋探しの正しい順番とは
今までの部屋に別れを告げて新しい部屋に引っ越しすると、今までの気持を一新して新たに頑張ろうという気持になります。
- 大学、短大、専門学校への進学
- 学校を卒業して会社への就職
- 実家から独立する
- 好きな人との結婚
など、引っ越す理由は様々ありますが、1人暮らしでも共同生活でも新生活が始まる時は新たに住まいが必要になります。
新しい生活環境で暮らすことをイメージするとわくわくしますが、住まいに不満があると気持ちを落ち着かせる空間がなくなり日常生活が上手く回らなくなることもあります。
お部屋はなんとなく決めるのではなく、自分の目的に合ったお部屋探しをすることが重要です。
賃貸物件のお部屋探しで行うことは、
- お部屋の優先順位を決める
- 物件情報を使ってお部屋を絞り込む
- お部屋を内見して確かめる
- お部屋の周辺環境を調べる
という順番で進み、そして、最後に、物件が気に入ったら入居契約して住むという流れになります。
初めて賃貸物件のお部屋探しを始めるという方は不安だと思いますが、正しいお部屋探しの方法を覚えれば難しくありません。新しい一歩を踏み出してみましょう。
お部屋の優先順位を決める
1人暮らしや結婚して新しい生活を始めるには、まずはお部屋探しをしなければいけませんね。
みなさんは、お部屋を探す時は何を基準に決めていますか?
- 憧れの街に住みたい
- オシャレなお店がたくさんある街に住みたい
- 自然豊かな静かな街に住みたい
などを考えると、夢が膨らみますが理想と現実は違います。
お部屋探しの現実は、会社への通勤や学校への通学ができる圏内で支払い可能な家賃という条件が最優先されます。
理想の街や理想の部屋という条件のみを追求してお部屋を決めると、通勤・通学に時間が掛かったり、家賃が高いなどの弊害が起こるので、トータル的に自分にとって住みやすい街や部屋なのかをよく考えてください。
※お部屋探しでは少しくらいの妥協も必要になります。
一所懸命探して契約したお部屋に後から後悔しないようにする為には、妥協できない条件と妥協できる条件を書きだしてみて、物件を選ぶ時の基準を作ってください。
妥協できない条件はお部屋探しでの優先順位が高いものなので、物件を絞り込む時は、絶対に妥協できない条件から絞り込んでいってください。
一般的に絞り込む条件といえば、
- どこの地域に住みたいのか
- 最寄駅から物件までの距離
- 家賃の限度額
- 間取り
- 築年数
- 周辺の環境
の順番で物件を絞り込んでいくと思いますが、立地条件や家賃に充てれる資金面から人それぞれ優先順位が違うので自分にとって何を重要視してお部屋探しをすればいいのかよく考えてから行動してください。
物件は早いもの勝ちで入居者が決まっていくので、引っ越す日を決めたなら早めにお部屋探しを始めた方がいいでしょう。
物件情報を使ってお部屋を絞り込む
物件情報には様々な情報が書き込まれているので、上記の作業で書きだした妥協できない条件を使って絞り込んでいきます。
ここでは、賃貸費用と部屋の間取りについてとりあげてみます。
賃貸費用には、
- 家賃:月々支払う賃貸料のことです。
- 共益費:廊下や階段などの共用部分を維持管理する費用のことです。
- 敷金:家賃の未払い時や、退去時に部屋の自然損耗を除いて現状回復する為の修繕費用に使います。使われなかった敷金は退去後に戻ってきます。
- 礼金:大家さんに支払うお礼のお金です。
- 仲介手数料:大家さんと借主とを仲介した不動産会社に支払うお金です。
が必要になるので、その物件に契約するとどのくらいの費用が掛かるのか計算してください。
※すべての項目を足し合わせた金額が契約時に必要となるおおよその金額です。
部屋の間取りに関しては、間取り図を参考にして調べます。
間取り図とは、実際の部屋を上から見た時にどういう形になっているのか図面で表したもので、間取り図を見れば、台所や部屋の他に、玄関、浴室、トイレ、押し入れ、バルコニーなどもどこに配置されていてどのくらいの大きさなのか知ることができます。
このように、間取り図を見れば、
- 部屋は和室か洋室か
- 部屋はいくつあるのか
- 台所と部屋の広さ
- 窓の向き
などがわかりますが、実際の物件を見学しなければ内面・外面の雰囲気はわかりません。実際の部屋は、思い描いていたイメージと違っていることが多いので間取りが気に入ったら見学しましょう。
下に、間取りを調べる時に役に立つ記号と言葉の意味を紹介しますので参考にしてください。
- 1R
- 1Rとは、ワンルームという意味です。部屋と台所の間に仕切りがなく一体になっているタイプの物件です。
- 1K
- 1Kとは、部屋が1つと台所があるという意味です。部屋と台所の間に仕切りがあるタイプの物件です。
- 1DK
- 1DKとは、部屋が1つと食事をする部屋と台所があるという意味です。部屋と台所の間に仕切りがあり、台所にテーブルを置くスペースがあるタイプの物件です。
- 2DK
- 2DKとは、部屋が2つと食事をする部屋と台所があるという意味です。部屋と台所の間に仕切りがあり、台所にテーブルを置くスペースがあるタイプの物件です。
- UB
- UBとは、ユニットバスという意味です。浴室とトイレと洗面所が一緒の空間にあります。
※浴室とトイレが別々の物件と比べると家賃は安いです。 - 洋室
- 洋室とは、床が木質の素材でできているフローリングの部屋のことです。
- 和室
- 和室とは、畳の部屋のことです。
※部屋のタイプには、洋室(フローリングの部屋)と和室(畳の部屋)があります。どちらの部屋の方が優れているとかではないので好みで選んでください。フローリングよりも畳の部屋の方が家賃は安いです。なお、関東と関西で畳1枚の面積は異なります。
物件情報には、賃貸費用と間取りの他に物件の設備や周辺情報なども書かれていますが、現地の物件を見学して確認した方がいいです。
お部屋を内見して確かめる
物件情報である程度目星がついたら、次は実際にその物件を自分の目で内見してイメージ通りの部屋なのか確かめる作業をします。
※建物(部屋)の内部を見学することを内見といいます。
気に入った物件を内見したい時は、不動産会社へ申し出ればすぐに手配してもらえます。1つの部屋だけを内見して決めるのではなく、たくさんの部屋を内見してから決めるようにしてください。
内見する時は、たまに大家さんが立ち会うこともありますが、不動産会社の従業員と一緒に見に行くことが一般的です。内見時に特に必要になるアイテムはありませんが、あらかじめ準備してある家具や電化製品を部屋に置くという方は、メジャーを持って行って寸法を測り部屋に収まるのか確かめた方がいいでしょう。
次に、物件を内見する時に確認しておきたいポイントをまとめましたので参考にしてください。
- ベランダの確認事項
- 日当たりはいいか?
窓の向きによって日当たりは変わってきます。南向きになっていれば問題ありません。東向きは午前中に日が当たり、西向きは午後から日が当たり、北向きは日当たりが悪いです。 - 周辺からの騒音や悪臭は大丈夫か?
- 洗濯物を干す環境はいいか?
ベランダに行って必ず確認してください。
- 日当たりはいいか?
- 台所、浴室、トイレの確認事項
- 台所のタイプはガスコンロか電気コンロか?
昔ながらの渦巻き型の電気コンロでは料理するのは難しいです。
ガスコンロが置ける場合は何口タイプのコンロが置けるのか確認してください。
ガスには、都市ガスとプロパンガスがありプロパンガスは毎月の使用料金は高いです。 - 給湯器の温度調節はデジタル表示で自動でできるか?
- お風呂には追い焚き機能はあるか?
- 換気扇はガラガラうるさくなく正常に動くか?
たまに壊れていることがあります。 - 浴室とトイレはユニットバスか別々か?
- 洗濯機を置く場所は室内か室外か?
- 台所のタイプはガスコンロか電気コンロか?
- 部屋の確認事項
- エアコンは正常に動くか?
たまにタバコの臭いがきつい状態のものもあります。また、エアコンが設備に含まれていない時は自腹で購入して取り付け取り外すことになります。 - 押し入れや収納スペースは十分な容量か?
- エアコンは正常に動くか?
その他に確認する項目としては、
- ゴミ捨て場の位置とゴミ捨て日
- ゴミ捨ては地域によって曜日が異なります。
- 自転車やバイク置き場の位置
- バイクを駐車する予定がある人はバイクを置いてもいい場所を確認してください。
※バイク置き場がない物件もあります。 - 駐車場を借りる人は駐車場の位置
- 建物の敷地内の駐車スペースが狭くて車が入らない時は他の場所で探さないといけません。
- インターネット環境
- モバイルWi-Fiでインターネットに接続している方はつながりやすさを確認してください。
※電波状況が悪くてつながりにくいこともあります。 - 車や電車の騒音
- 幹線道路や電車の線路に面していると騒音が気になることもあります。
なども契約前に確認しておいた方がいいです。
部屋の雰囲気が先行してしまい冷静な判断ができないこともありますし、後から妥協して気が変わることもあるので、内見したその場で決めるのではなく、とりあえず保留にしておいて1日考えてください。
内見すると、数ある中の候補物件からいくつかの物件に絞り込めますが、どの物件も良くて悩んでしまい1つに決めれないことがあります。そんな時は、第一印象が一番良かった物件に契約するのがいいです。
お部屋の周辺環境を調べる
内見して気に入ったお部屋が見つかったら物件探しは終わりではなく、物件の周辺の環境を調べてください。
調べておいた方がいいことは次の2点です。
- 駅までの時間を計る
- お店を調べる
1.駅までの時間を計る
電車やバスを使って通勤・通学する方は、物件から電車の駅やバス停までの時間を計ってください。
物件情報には、駅まで何分掛かると書かれていますがあくまで目安となる時間です。実際に現地を歩いて見ると歩くペースや信号待ちなどで物件情報に書かれている所要時間では到着できないことの方が多いので面倒くさがらずに時間を計りましょう。
また、始発と終電の時間と急行が停車する駅なのかも調べた方がいいです。
2.お店を調べる
物件の周辺にはどんなお店があるのか調べてください。
車を持っていれば周辺環境は関係ないかもしれませんが、自転車しか移動手段がないという方は、どんなにいい物件でも食料品を買ったり外食するお店が近くになかったら住みにくいですよね。
インターネットの地図を使えばどこにどんなお店があるのかはある程度はわかりますが、街の雰囲気や生活のしやすさは実感できないので実際に歩いて調べた方がいいでしょう。
不便なく日常生活を送るには、最低でも次のお店が近くにあったほうがいいです。
- スーパー
- コンビニ
- お弁当屋
- ファミレス
- ドラッグストア
- ホームセンター
料理をよく作るという人はスーパー。弁当を食べたり外食が多いという人はコンビニ、お弁当屋、ファミレス。薬を購入する時はドラッグストア、日用品はホームセンターでの買い物が便利です。
また、100円ショップには生活に役に立つものはたくさん売っていますし、家に洗濯機を置く場所がないという人はコインランドリーも近くにあった方が便利です。
自分が少しでも住みやすい生活環境が整っている場所に住むことが重要です。
お部屋探しは交渉しだいで家賃が安くなる
家賃が安い物件を探す方法
家賃が高い物件は、外装や内装は綺麗ですが必ずしも良い物件とは限りません。
- 郊外に住めば家賃は安めで周辺は静かですが、通勤・通学、買い物に不便する生活環境
- 都会に住めば家賃は高めで騒音は多いですが、通勤・通学、買い物や遊ぶ場所には不便しない生活環境
となるので、家賃と部屋と建物の周辺環境で総合的に決めて、自分の生活スタイルに適した物件を見つけてみましょう。
同じような作りの物件でも、物件が位置している立地や交通面、物件自体の構造や設備で家賃は変わります。
家賃が安い物件の特徴としては、
- 都心から離れている
都心から電車で1時間以上離れた物件はかなり安いです。 - 駅から離れている
駅から徒歩で20分以上離れた物件はかなり安いです。 - 築年数が古い
築年数が新しい物件よりも築年数が古い物件の方が安いです。 - 木造や軽量鉄骨の構造である
鉄筋コンクリート構造よりも木造や軽量鉄骨構造の物件の方が安いです。 - 室内が狭い
物件の面積が小さく部屋数が少ないと安いです。
などがあります。
その他には、1階の物件である、ユニットバスである、オートロックが付いていない、電車の線路に面している、日当たりが悪い(北向きの部屋)、畳の部屋などのようないろいろな要因が絡み合って家賃は設定されています。
※その地域の家賃の相場が知りたい場合は、1社の不動産会社だけでなく様々な不動産会社で扱っている物件の家賃を参考にしましょう。
家賃の値引き方法
物件情報には家賃の金額が書かれていますが、必ずしも物件情報に書かれている家賃で契約しなければいけないという決まりはなく、最終的な家賃の金額は大家さんが判断します。
- 駅から近い物件=家賃は高い、駅から遠い物件=家賃は安い
- 日当たりが良い物件=家賃は高い、日当たりが悪い物件=家賃は安い
というように、物件に短所があれば家賃は安くなる傾向があるので、長所だけに目がいってしまいがちになりますが短所を武器にすると家賃をより大きく安くしてもらえる可能性が増えます。
人気がある物件はすぐに満室になってしまうので値引きは難しいですが、人気がない物件では簡単に値引きに応じてくれるので1度交渉してみましょう。
新生活の始まりとなる春先は大家さんは強気なので値引きは難しいですが、その時期以外なら値引きしてくれることが多いです。
私は、人気がない物件で月々6万円の家賃を5万5千円に値引いたことがありますし、月々1万円の駐車場代を5千円に値引いたことがあります。
礼金も交渉次第で少し安くしてくれることもあるので、賃貸費用を安くしたい方は必ず交渉することをおすすめします。
お部屋探しはインターネットを使うと便利
お部屋探しの方法は、昔は、不動産会社の店舗へ直接行くか住宅情報誌で気になる物件を探してから店舗に行くかしか方法はありませんでしたが、現在は、住宅情報誌の他にインターネットを使う方法があります。
インターネットを使えば最新の物件情報が見れますし、画面でいろいろな条件を入力して絞り込み検索が可能なので自分好みの物件を見つけやすく大変便利です。
不動産会社の種類は、エイブル、ミニミニ、アパマンショップ、ニッショーといった大手のフランチャイズの不動産会社と地域に密着している昔ながらの個人経営の不動産会社があります。
※フランチャイズの不動産会社の方が取り扱っている物件数は多いです。
どちらの不動産会社の方が優れているということはないので、インターネットで気になる物件を発見したら、その物件を取り扱っている不動産会社へ行って詳しく情報収集してください。
また、不動産会社の店舗に行くと、インターネットに掲載されていない新しい物件も紹介してくれるので、1社だけではなく複数の不動産会社を巡ってお部屋探しをした方が賢い探し方です。
どちらの不動産会社でも、契約後にトラブルに巻き込まれない為にも、契約する時は必ず契約書の内容を理解してからサインしてください。
(記事作成日:2017年2月22日、最終更新日:2017年3月13日)