ハイレゾで高音質な音楽を楽しもう
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- CDよりも高音質なハイレゾの基礎知識
- 目的(解決できる悩み)
- ハイレゾの定義、CDとの違い、ファイル形式がわかるようになること
- 目次
- 1.ハイレゾの基礎知識
- レコードからハイレゾまでの歴史
- ハイレゾって何ですか?
- CDとハイレゾは何が違うの?
- デジタル音声信号のファイル形式について
- ハイレゾのファイル形式について
1.ハイレゾの基礎知識
音声の種類は、アナログ音声とデジタル音声があります。
ハイレゾとはCDのスペックを超えたデジタル音声のことです。
ハイレゾの音楽を聴くと解像度が高まり臨場感がある高音質な音楽を楽しむことができます。
ハイレゾとは何なのかの基礎知識を覚えてハイレゾデビューしませんか。
レコードからハイレゾまでの歴史
1980年代より前はレコードプレーヤーでレコードを回して音楽を楽しむいわゆるアナログが主流でした。
アナログのいいところは、音に温もりがあり解像度が良いのが特徴ですが、扱いが難しくレコードプレーヤーに振動を加えるとすぐに音飛びやノイズが出てしまい、また、レコード自体にキズが付かないように管理するのも気を使いました。
1980年代に入るとレコードに代わりにCD(コンパクトディスク)というものが出てきました。
CDとは、サンプリングレート44.1kHz、階調深さ16ビットのデジタル信号を記録した音のことです。どういうことかというと、1秒間に44100回の音をデジタル信号に変えて、その音の大きさのレベルは65536段階で記録されています。
このように、レコードにはアナログ信号が記録されているのですがCDにはデジタル信号というものが記録されており、音の劣化がほとんどなくCDプレーヤーを使えば誰でも手軽にクリアで高音質な音を楽しむことができました。
そして、最近ではハイレゾというものが注目を集めていて人気があります。ハイレゾとはCDのスペックを超えるデジタルオーディオのことです。
ハイレゾはCDよりもはるかにデジタルデータ量が多くなってしまいますが、解像度が高まり臨場感がある高音質になり、アナログレコードに匹敵する原音に近い音になります。
アナログレコードの時代ではマスター音源が保存されているのでハイレゾにできますが、音楽CDを前提として記録されたマスター(1980年代後半~1990年代の音源)は、ハイレゾにする為の十分なデータがありません。
しかし、CD音源をハイレゾ化する技術もありますので、昔の音が高音質となって甦ります。
ハイレゾって何ですか?
ハイレゾ(High Resolution)とは、CDのスペック(サンプリングレート44.1kHz、階調深さ16ビット)を超える高音質な音源のことです。
JEITAでは、ハイレゾの定義は次のように決めています。
JEITAのハイレゾの定義
- デジタル信号処理のサンプリング周波数が48kHzを超える
- 量子化ビット数が16bitを超える
サンプリング周波数又は量子化ビット数のどちらかの数値がCDのスペックを超えていたらハイレゾになります。
しかしながら、日本オーディオ協会では、ハイレゾに求める処理能力は次のように決めています。
日本オーディオ協会のハイレゾの定義
- スピーカーやヘッドホン、アンプの高域の再生周波数が40kHz以上
- デジタル信号処理のサンプリング周波数が96kHz以上
- 量子化ビット数が24bit以上
日本オーディオ協会はJEITAのハイレゾの定義を支持しているのでCDのスペックを超えていたらハイレゾになります。
このハイレゾの定義を満たしている製品で日本オーディオ協会に所属している場合は、Hi-Resのロゴマークが製品に与えられます。
サンプリング周波数と量子化ビット数を使ってアナログ信号をデジタル信号へ変換します。この周波数とビット数が大きい程、解像度が高く高音質な音になります。
CDとハイレゾは何が違うの?
ハイレゾはCDよりも音質がよいとされていますが、いったい何が違うのか簡単に説明します。
音楽CDのサンプリング周波数は44.1kHz、量子化ビット数は16bitです。
ハイレゾの定義は、CDスペックを超える性能が求められますが、高い性能を発揮するにはサンプリング周波数は96kHz以上、量子化ビット数は24bit以上であるといわれています。
サンプリング周波数は音の高さ(高い低い)を表します。
サンプリング周波数
- CDのサンプリング周波数は44.1kHzなので、その半分の22.05kHzまでの帯域が再生できます。
- ハイレゾのサンプリング周波数は96kHzなので、その半分の48kHzまでの帯域が再生できます。
量子化ビット数は音の大きさ(大きい小さい)を表します。
量子化ビット数
- 16ビットでは、65536段階
- 24ビットでは、16777216段階
人間の耳で聞こえる音の可聴周波数は、20~20kHzといわれていているので、CDでは可聴周波数ギリギリを満たし、ハイレゾではCDよりも広い周波数を満たしています。
このように、CDの規格は可聴周波数を満たしているので綺麗な音ですが、ハイレゾにして高音質にするとデータ量が増えるという欠点もありますが、CDよりもさらに厚みが増し立体感が出てくる音になります。
デジタル音声信号のファイル形式について
ハイレゾのデジタル音声信号を作る方式は、リニアPCM方式(非圧縮形式、可逆圧縮形式、非可逆圧縮形式)とDSD方式(DFF、DSF、WSD)があります。
リニアPCM方式とDSD方式の特徴
- リニアPCM方式とは、サンプリング周波数と量子化ビット数を使ってアナログ信号をデジタル信号に変換する方式です。
- DSD方式(Direct Stream Digital)とは、DCの44.1kHzの64倍、128倍、256倍などのサンプリング周波数と1bitの量子化ビット数を使ってアナログ信号をデジタル信号に変換する方式です。
それでは、リニアPCM方式のそれぞれの種類の特徴をみていきましょう。
- 非圧縮形式
- 圧縮していないのでデータ量がかなり大きくなるが高音質なので、ハイレゾとして普及しています。WAVはウインドウズ用で、AIFFはマック用です。
- ファイルサイズ:大きい
- 音質:良い
- ファイルフォーマット:WAV、AIFF
- 可逆圧縮形式
- 圧縮されていますが変換ソフトを使うと元のデータに復元できます。FLACはハイレゾとして広く普及しています。
- ファイルサイズ:普通
- 音質:良い
- ファイルフォーマット:FLAC、ALAC
- 非可逆圧縮形式
- 圧縮率が高い為、変換ソフトを使っても元のデータに戻らないのですが、データ量が少ないので音楽ファイルとして広く普及しています。
- ファイルサイズ:小さい
- 音質:悪い
- ファイルフォーマット:MP3、AAC
ハイレゾのファイル形式について
ハイレゾには、リニアPCM方式とDSD方式の両方が採用されています。
現在では、一般的に広く普及しているハイレゾの音声データを記録するためのファイル形式としては、次の形式が使われています。
ハイレゾのファイル形式
- リニアPCM方式のFLAC(Free Lossless Audio Codec:オープンソースの音声ファイルフォーマット)
その他にもハイレゾのファイル形式はあり、リニアPCM方式のWAV(RIFF waveform Audio Format:マイクロソフトとIBMが開発された音声ファイルフォーマット)、ALAC(Apple Lossless Audio Codec:アップルが開発した音声ファイルフォーマット)なども使われています。
DSD方式は、まだ一般的ではありませんが最近普及し始めています。
(記事作成日:2019年2月20日、最終更新日:2021年9月19日)