個人年金保険の基礎知識を身につけて保険に賢く加入する方法

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個人年金保険の基礎知識

個人年金保険って何ですか?

公的年金の年金手帳

個人年金保険とは、公的な年金制度の他に、若いうちから老後の生活資金を民間の保険会社を利用して私的に積み立てて将来に備えようという保険のことです。

日本には、次のように厚生年金や国民年金という公的年金制度があります。

  • 厚生年金:老齢基礎年金に老齢厚生年金を上乗せした年金額をある年齢に達したら受給できる年金制度のこと(会社員が対象)
  • 国民年金:老齢基礎年金のみをある年齢に達したら受給できる年金制度のこと(自営業や専業主婦が対象)

はたして、この公的年金制度だけで自分が老後になった時に苦労なく生活ができると思いますか?

厚生年金で受給できる金額は、支払った保険料に応じて大きく異なり、平均すると1カ月当たりで15万円くらいの受給金額が多いようです。

では、国民年金はというと65歳からの受給時の満額でも月々約65000円くらいです。
※国民年金を満額受給するには保険料の納付期間が40年間必要です。

1カ月の生活費は、家賃、食費、光熱費だけでも約12万円は必要になりますよね。

厚生年金では、ぎりぎり生活できるという程度の金額しか受給できないですし、ましてや国民年金の受給だけでは到底生活できるとは思えませんので、他の方法で老後の生活費を貯えなければなりません。

このように、公的年金だけでは老後の生活が成り立たないので、民間の保険会社で個人年金保険に加入して老後の生活の資金作りを行うのがおすすめです。

定期預貯金と個人年金保険ではどちらがお得?

銀行に貯金する方法と民間の保険会社で個人年金保険に加入する方法ではどちらがお得に貯まるんだろうと考えている人はいますか。

まずは、自分が60歳になるまで銀行にお金を預けた時の利率から計算してみましょう。

例えば、30歳の時から30年間で月々1万円を銀行の定期貯金で積み立てていくと、最近の定期貯金の利息は0.1%しかないので、元本の360万円は370万円くらいにしか増えません。

しかし、個人年金保険に加入して積み立てていくと、元本の360万円は最終的に400万~430万円くらいに増えて戻ってきます。

このように、銀行に貯金しておくよりも個人年金保険に加入した方が、1.1~1.2倍になって戻ってくるのでお得です。
※1980年代に加入した個人年金保険では、1.5倍や2倍になって戻ってくるものはたくさんありましたが今はありません。

但し、個人年金保険に加入した保険会社が破綻しなければの話です。保険会社が破綻してしまうと受け取れる保険金額(年金額)は減ってしまうので気をつけましょう。

個人年金保険の種類

昔は様々な種類の個人年金保険が販売されていましたが、現在は、5年確定年金保険、10年確定年金保険、10年保証期間付き終身年金保険が主流になっています。

5年確定年金保険
保険料の払い込みが終われば、被保険者(保障の対象となる方)の生死にかかわらず、個人年金の受け取り開始日から5年間受取人が年金を受け取れる保険のことです。
10年確定年金保険
保険料の払い込みが終われば、被保険者(保障の対象となる方)の生死にかかわらず、個人年金の受け取り開始日から10年間受取人が年金を受け取れる保険のことです。
10年保証期間付き終身年金保険
保険料の払い込みが終われば、被保険者(保障の対象となる方)の生死にかかわらず、個人年金の受け取り開始日から10年間受取人が年金を受け取れます。その後は生きている限り年金を受け取れる保険のことです。
※10年確定年金保険の2倍くらいの保険料を払い込まないといけません。

また、個人年金保険には、定額型の個人年金保険の他に変額型の個人年金保険という種類があります。

定額型の個人年金保険
定額型は、契約した時点で将来の年金額が決まり、5年や10年といった期間中に一定の年金額が支払われます。
変額型の個人年金保険
変額型は、株式・債券の運用実績の良い悪いによって将来受け取れる年金額が増えたり減ったりします。変額型は、リスクがある商品なので将来年金額は増えるかもしれないと営業マンに説明されても、支払った保険料よりも低くなることも十分考えられるので不安な方は契約しない方がいいです。
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個人年金保険に加入する時の注意事項

余裕資金で加入すること

将来の金銭的な過ち

個人年金保険は、将来の生活費を補う為に加入する保険です。

一般的には、60歳まで積み立てをして年金として受け取れる年齢になったら取り崩していくという形なので、30歳の時に加入すれば保険料を支払う期間は30年という途方もない期間ですが、老後の資金を作りたいと考えているのなら個人年金保険に加入するのがお得です。

しかし、約30年間という長い期間保険料を支払わないといけないので、高い保険料の支払いの為に今現在の生活が苦しくなったら意味がありません。

例えば、個人年金保険を満期を迎えず途中で解約すると、解約返戻金は元本割れするので払い込み期間が終わるまで払い込みができる余裕資金で加入してください。

また、個人年金保険は、死亡保障と医療保障は1円もありません。銀行に預けておくよりも少し利率が良い貯金みたいなもだと覚えておきましょう。
※満期を迎える途中で死亡したら支払った保険料の総額程度のお金は死亡給付金として戻ってきます。医療保障は特約で付けることはできます。

保険会社の健全性を確認すること

昔では、保険業界に限らず多岐にわたり護送船団方式で運営されていました。例えば、保険業界では最も体力がない企業に合わせて保険料を決めていたのでどこの保険会社で加入しても同じような保険料でした。

しかし、現在は自由競争となっているので保険料に大きく違いが生じています。また、自由競争では加入している保険会社が破綻してしまうと、受け取れる保険金額が大幅に減少(通常は責任準備金等の90%は補償されますが、予定利率の引き下げが行われるとさらに減額されます)する恐れが十分考えられるので、通常の予測を超えたリスクに対する支払い能力が保険会社にはあるのかを見る指標となるソルベンシー・マージン比率を確認してください。
※ソルベンシー・マージン比率は、200%以上あれば経営状態はとりあえず安全だといわれています。

貯蓄性が高い保険では受け取れる保険金が下がる恐れがあるので、個人年金保険の他には、養老保険、学資保険、終身保険も気をつけてください。

貯蓄性がある保険に加入する時は、保険会社の健全性を必ずチェックするようにしましょう。

年金の受け取り時に雑所得となる

個人年金保険は、年金受け取り時は雑所得となり、場合によっては課税の対象となります。

確定年金の場合は、年金の受け取り期間の総年金額から支払った総保険料を引いた後に、受け取る年数で割った1年当たりの金額が25万円を超えると所得税としてその金額の約10%が源泉徴収されます。

被保険者が年金の受け取り開始日前(保険料の払い込みの途中)に亡くなった時は保険料を払い込んだ相当額が死亡給付金として戻ってきます。死亡給付金は見舞金扱いとなり課税の対象となりません。

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個人年金保険に賢く加入する方法

保険料を割安にする方法

節約する主婦

個人年金保険は、掛け捨てではなく保険料を積み立てていく保険なので保険料は高いです。高い保険料を支払っていたら今の生活が苦しくなってしまうので少しでも安くしたいですよね。

保険料の支払い方法は、月払い、半年払い、年払い、一時払いがあることをご存じですか。

  • 月払い:保険料を毎月払い込む方法
  • 半年払い:保険料を年2回払い込む方法
  • 年払い:保険料を毎年1回払い込む方法
  • 一時払い:保険料を分割で払い込むのではなく一括で払い込む方法

ほとんどの人は月払いで保険料を支払っていると思いますが、月払いよりも半年払いの方が保険料の総支払額は少なくできます。そして、半年払いよりも年払い、年払いよりも一時払いの方がお得になるという仕組みになっています。

したがって、年払いや一時払いにすると保険料を安くすることができます。

個人年金保険が向いている人とは

年金という言葉を聞くと加入しなければいけないのかなと思われますが、個人年金保険は公的年金ではないので加入する義務はありません。個人年金保険は加入が自由な私的年金だと考えてください。

個人年金保険とは、死亡した時の保障ではなく、老後の生活の経済的な不安を少なくする為に加入する貯蓄性がある保険です。

保険料を積み立てて、年金として将来分割して受け取るという保険なので、たくさん受け取りたい場合はそれに見合った高い保険料になりますが、支払った保険料の総額よりも多くの額が戻ってきます。

私が加入している個人年金保険では、30年間保険料を支払うと元本が1.2倍になって戻ってきます。

昭和の時代では、1.5倍や1.8倍くらいの年金受け取り倍率の個人年金保険はたくさんありましたが、最近は1.2倍くらいが普通です。
※年齢が若い時から長い期間払い込んでいた方が受け取り倍率は高くなります。

但し、途中解約をすると解約返払金は少ないので損をします。30年間払い込む決意を持って加入してください。

個人年金保険が満期を迎えて年金として受け取る時は、払い込んだ保険料に利子を上乗せされて5年や10年という年金受け取り期間を決めて毎年一定の金額を受け取ります。

このように、銀行に貯金しておくよりも利率はいいですが、保険料は高額で60歳や65歳になる前に解約すると返戻金はないに等しいので余裕資金がある方におすすめします。

賢く加入したい時は、次のことを頭に入れておいてください。

  • 保険料を毎月払いにするよりも年払いにしてまとめて支払った方が保険料は安くなります。
  • 1つの保険会社にとらわれず複数の保険会社から資料請求して比較した方がお得な商品が見つけやすい。

最近では、日銀のマイナス金利政策により保険会社が利益を出せなくなる恐れがあるので、個人年金保険を販売停止している保険会社がたくさんあり加入しにくい状況となっています。

(記事作成日:2017年4月16日、最終更新日:2017‎年5‎月13‎日)

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