終身保険(貯蓄性保険)の基礎知識
終身保険って何ですか?
終身保険とは、一生涯死亡保障が有効な生命保険のことで、被保険者(保険の保障の対象となる者)がいつ死亡しても死亡保険金が保険会社から受取人へ支払われます。
一生涯の意味を具体的に説明すると、被保険者が死亡するまでの期間のことです。被保険者が死亡すると保険会社が受取人へ死亡保険金を支払い保険期間は終了する仕組みです。
終身保険は、定期保険のように5年や10年ごとに1回ずつ自動更新するという作業はないので保険料は何年経っても上がりません。
※終身保険に加入しているけど保険料が上がるという人は主契約の保険料が上がっているのではなく、特約の保険料が自動更新で上がっていることが原因です。保険証書の内容をしっかり確認してください。
終身保険に加入していれば保険会社はいずれ保険金を支払わなければいけないルールがあり、人はいずれ死んでしまう生き物なので被保険者が死亡すれば遺族などが保険会社から保険金を必ず受け取ることができます。
また、終身保険には満期がないので満期保険金(保険が満期となった時に受け取ることができるお金)はありませんが、保険期間の途中で解約すると解約返戻金(解約した時に戻ってくるお金)があります。
※保険料の払い込みの年数が短いと解約返戻金は少なく、払い込みの年数が長いと解約返戻金は多くなります。
保険料の払い込みが満了した後に保険を解約すれば払い込んだ総保険料よりも解約返戻金は上回るので、老後に終身保険を解約して、いざという時の為の生活資金としても使えますし、そのまま終身保険を継続して死亡保障を生かしておくこともできます。
※終身保険と定期保険を同じものだと間違いしている人がいますが保険内容は全くの別物です。定期保険は満期までに死亡しないと保険金は受け取れず、満期後は解約返戻金はありません。
このように、終身保険は掛け捨ての保険ではないので、保険料の払い込みが終わった後に解約すれば支払った保険料の総額よりも多くの金額が受け取れることが特徴です。
しかし、終身保険は定期保険よりも保険料が高いので、資金に余裕がなく日々の生活費で精一杯という方はよく考えてから加入しましょう。
終身保険が適している人とは
生命保険といえば終身保険が有名ですよね。終身保険に加入する主な目的は、
- 世帯の稼ぎ頭が死亡した時に残された家族の経済的な穴埋めをする為
- 被保険者が死亡した時の葬式代に充てる為
に加入することが普通です。
終身保険は被保険者が死亡したら必ず誰かが保険金を受け取ることができるので、葬式費用くらいがまかなえる死亡保障金額の終身保険に加入しておけば残された家族に迷惑はかからないでしょう。
※100万から200万円くらいの終身保険に加入しておけば安心できます。
終身保険の中身は、主契約(終身保険の部分)と特約(オプションとして付けた終身保険以外の部分)の2つに分かれていて、主契約だけで大きな死亡保障を得るには高額な保険料が必要になるので、多くの人は安い保険料で大きな死亡保障となるように、主契約となる終身保険に定期保険特約を付加した定期付終身保険に加入しています。
特に、子供がいる家庭では、子供が独立するまでは夫が死亡してもらっては困るので、ベースとなる主契約(終身保険)に特約として上乗せした定期保険を付属させた定期付終身保険への加入が向いています。
終身保険のメリットは、支払った保険料以上の保険金を受け取ることができますし、保険を解約すると高額な解約返戻金があることです。掛け捨てタイプの保険である定期保険と比べてみれば差は歴然ですよね。
※定期保険特約には満期があるので、満期を迎えると主契約である終身保険しか残りません。
定期付終身保険に加入する時は、定期保険特約部分と終身保険部分に分かれているので、一生涯保障される終身保険部分の死亡保険金はいくらなのか確認してください。
※定期保険特約の死亡保障は一生涯続きません。間違えないようにしてください。
普通の終身保険で大きな保障を得たいと考えている方は、保険料は高いので経済的に余裕がある人が加入してください。
終身保険は契約者貸付と自動振替貸付が利用できる
終身保険は掛け捨てタイプの定期保険と違い貯蓄性がある保険なので、契約者貸付と自動振替貸付制度が利用できることをご存じでしょうか。
契約者貸付制度とは、終身保険に加入している契約者が現金をキャッシングできる制度のことです。あまり知られていませんが保険会社からお金を借りることができるんです。キャッシングの返済には利子がつきますが、ある日突然現金が必要となった時は解約返戻金の9割までの現金を借りることができます。
また、生命保険は基本的に保険料の払い込みが2カ月間滞ると契約していた保険が失効してしまうのですが、終身保険は解約返戻金から保険料に充当される自動振替貸付が行われるのですぐには失効しないんです。
契約者貸付と自動振替貸付は貯蓄性がある保険のみのメリットなので、終身保険の保険料を払いながらキャッシングということもできます。利子が付くので借り過ぎには注意しましょう。
(記事作成日:2017年2月15日、最終更新日:2018年1月13日)