自動車の交通事故の損害賠償額は加害者と被害者の過失割合で決まる

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自動車事故の損害賠償は過失割合で変動する

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目的(解決できる悩み)
自動車事故が発生した時の加害者と被害者の過失割合と損害賠償について理解する
目次
1.自動車事故の種類と損害賠償
死亡事故の損害賠償
傷害事故の損害賠償
物損事故の損害賠償
2.自動車事故の過失割合
過失割合で損害賠償金は減額される?
歩行者、自転車、単車、車の過失割合

1.自動車事故の種類と損害賠償

自動車事故

自動車事故の種類を大きくわけると、死亡事故、傷害事故、物損事故の3種類にわかれます。

死亡事故や傷害事故が起きた時の損害賠償額は、被害者の年齢、年収、治療期間、慰謝料、後遺障害などで大きく異なってきます。物損事故が起きた時は、車どうしの修理費用の査定額は車の時価が大きく響いてきます。

また、加害者と被害者の双方の過失割合によっても支払われる保険金が減額されることがあることを覚えておきましょう。

死亡事故の損害賠償

死亡事故とは、自動車事故で死者が出た事故のことです。

死亡事故の場合は、亡くなった人の相続人が損害賠償を請求できます。

損害賠償の内訳は、医療費、お葬式の費用、逸失利益、慰謝料などです。

医療費
治療や入院した時の費用です。
お葬式の費用
お葬式をした時の費用です。
免失利益(いっしつりえき)
もし事故に遭わなかった時の67歳になるまでの収入のことで、計算式によって割り出します。
※給与所得、事業所得などの収入がない人は平均賃金で計算します。
慰謝料(いしゃりょう)
亡くなったことによる精神的な苦痛に対する補償のことです。相続人や親が請求します。

傷害事故の損害賠償

傷害事故とは、自動車事故でケガ人が出た事故のことです。

傷害事故の場合は、負傷した人が損害賠償を請求できます。

損害賠償の内訳は、医療費、休業補償、逸失利益、慰謝料などです。

医療費
入院や治療に掛かった費用、病院までの交通費などです。
休業補償
入院や治療で仕事ができない期間の賃金を補償します。
※仕事をしていない期間も会社から給与を支給されていた時は請求できません。
後遺症による逸失利益
ケガの治療が終わった後に後遺傷害が残る時は労働能力が低下するので逸失利益を請求できます。
※請求額は後遺障害等級によって異なります。
慰謝料
後遺障害が残らない時は入院や通院に対する苦痛に対する慰謝料、後遺障害が残る時は後遺障害に対する慰謝料を請求します。

物損事故の損害賠償

物損事故とは、次のように、車と車の事故、車と物の事故というように車によって引き起こされた事故のことです。

物損事故の内容

  • 車どうしが衝突する事故
  • 車がガードレール、電柱、壁、店舗に衝突する事故

物損事故の場合は、物を壊された所有者が損害賠償を請求できます。

損害賠償の内訳は、車の修理費用、代車費用、壊された物の修理費用などです。また、店舗に衝突したら物の修理の他に休業補償もしなければいけません。

車の修理費用
壊れた車を事故が起きる前の状態に直す為の費用
代車費用
代車を借りた時に発生する費用
物などの修理費用
壊れた物を事故が起きる前の状態に直す為の費用

その他、故障した車をレッカーで運んでもらったらレッカー代金を請求します。

車の修理費用で注意しなければいけないことは、修理費用が車の時価を超えたとしても車の時価以上の賠償額は成り立たないことです。

普通に考えれば、壊れた箇所の現状回復に必要な代金を請求できると思われますが、アジャスターが事故原因や壊れた箇所の調査・査定をして損害額を算出しますので実際は違います。

車の時価が50万円で修理費が60万円の時は50万円が損害賠償額の上限となります。そして、最終的には加害者の車と被害者の車それぞれの過失割合に応じた金額が支払われます。

例えば、それぞれの車の時価が30万円の時、車の修理費用の見積もり金額と過失割合が次のような場合を考えてみましょう。

車の修理費用の見積もり金額
  • 加害者の車:40万円
  • 被害者の車:30万円
過失割合
  • 加害者の車:70%
  • 被害者の車:30%

実際に支払われる保険金の計算方法は、下の計算式のように、お互いの車の修理費用の見積もり金額(修理費用が車の時価を超えていたら時価)に過失割合に応じた重みを掛け合わせることをします。
※対物超過修理費用補償特約に加入している時は時価以上の修理費用に対応できます。

物損事故時の保険金の計算式

  • 加害者の車:30万×(1-0.7)=9万円
  • 被害者の車:30万×(1-0.3)=21万円

したがって、保険会社から加害者は9万円、被害者は21万円を受け取ることができます。又は相殺して加害者が被害者へ21万-9万=12万円支払うことになります。

このように、車の時価と過失割合によっては修理代金の全額を必ずしも支払われるとは限らないということを頭に入れておきましょう。

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2.自動車事故の過失割合

自動車事故を起こした時は7対3というように過失割合が問われることをご存じでしょうか。

この過失割合の違いで加害者が負担する賠償金、被害者が受け取れる賠償金が変動しますので、事故が起きた時は過失割合が重要になってきます。

過失割合で損害賠償金は減額される?

自動車事故の過失割合

過失割合とは、起こした事故(損害)に対して加害者と被害者の双方がどのくらいの責任を負わなければいけないのかという割合のことです。

自賠責保険や任意保険から保険金を受け取る時は、過失相殺といって被害者にも過失がある時はその過失の割合に応じて賠償金を減額して支払われることになるので注意しましょう。

ですので、加害者の過失の割合が多ければ当然たくさんの損害賠償金額を負担しなければいけませんが、過失の割合が少なければ少しの損害賠償金額を負担するだけですみます。

車やバイクを運転している人の過失割合が大きくなる判断基準としては、

過失割合が増える行為

  • 赤信号で走りぬけようとした
  • スピード違反をした
  • シートベルトをしていない
  • わき見運転をしていた
  • バイクを運転中にヘルメットをかぶっていない

などの、道路交通法に違反している時です。

その他では、幹線道路から進入した時に起きた事故なのか脇道から進入した時に起きた事故なのかの道幅の広い狭いの違いでも過失割合は変化します。

また、優者危険負担の原則という考え方により、人よりも車の方が危険負担は大きくなります。

優者危険負担の原則という言葉は普段の生活ではあまり聞くことはありませんが、交通事故を起こした時、車は鉄の塊であるので損害が少なく(有利)、歩行者は車の衝撃を吸収できないので損害が大きくなる(不利)のは誰が見ても明らかで、交通事故で不利な歩行者を保護しなければいけないという考え方で成り立っています。

優者の順番としては、次のようになります。

優者の順番

  1. バイク
  2. 自転車
  3. 歩行者

どれらも交通違反をしていない時は車は過失割合が大きく、歩行者は過失割合が小さいことになります。

その他、65歳以上の老人と13歳未満の子供は過失割合は小さく、歩行者全体では昼間よりも夜中の事故の方が過失割合は大きくなる傾向があります。

歩行者、自転車、単車、車の過失割合

下に信号機がある交差点での歩行者、自転車、単車、車の交通事故時の過失割合を表にまとめましたので参考にしてください。

歩行者と車の場合
信号機がある横断歩道での過失割合の表
歩行者の状況車の状況それぞれの過失割合
青で進入赤で進入歩行者0%、車100%
赤で進入青で進入歩行者70%、車30%
赤で進入赤で進入歩行者20%、車80%
自転車と車の場合
信号機がある交差点での過失割合の表
自転車の状況車の状況それぞれの過失割合
青で進入赤で進入自転車0%、車100%
赤で進入青で進入自転車80%、車20%
車と車の場合
信号機がある交差点での過失割合の表
A車の状況B車の状況それぞれの過失割合
青で進入赤で進入A車0%、B車100%
赤で進入赤で進入A車50%、B車50%
単車と車の場合
信号機がある交差点での過失割合の表
単車の状況車の状況それぞれの過失割合
青で進入赤で進入単車0%、車100%
赤で進入青で進入単車100%、車0%
赤で進入赤で進入単車40%、車60%

(記事作成日:2018年1月29日、最終更新日:2019‎年8月31‎日)

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