野菜の病害対策!カビ・ウイルス・細菌に枯らされる前の対処方法
- カテゴリー
- 家庭菜園の悩み
- ジャンル
- プランター菜園の病害虫の基本
- 目的(解決できる悩み)
- 野菜に発生した病気の対策方法を覚えて野菜を健康に育てられるようになること
- 目次
- 1.野菜の病害対策
- 野菜の病気の種類とその対策方法
- うどんこ病による被害状況
- べと病による被害状況
- モザイク病による被害状況
- 根コブ病による被害状況
- 2.コンパニオンプランツを植え付けて病害虫を減らす方法
- 野菜とコンパニオンプランツの組み合わせについて
1.野菜の病害対策
野菜を育てていると必ず起こることは病気と害虫の被害です。
遭遇する確率が高い病気は、うどんこ病、べと病、モザイク病、根コブ病の4つです。
野菜が病気に侵されていたら早めに病害対策の対処をしましょう。
野菜の病気の種類とその対策方法
野菜は害虫の被害の他には、苗が病気にかかって枯れてしまうこともあるので注意しなければいけません。
野菜が病気になる原因は、カビによるもの、ウイスルによるもの、細菌によるものの3種類あります。
- カビによる病気の特徴
- カビは気温と湿度が高い時に発生しやすくなり、長雨が続く梅雨の季節などでは通常よりも多く発生します。
- ウイルスによる病気の特徴
- 主に、アブラムシやアザミウマなどの害虫がウイルスを運んできて感染します。ウイルスに感染してしまった野菜は薬剤での治療はできないので気を付けてください。
- 細菌による病気の特徴
- 虫に食べられた野菜の葉や茎などの箇所、わき芽かきで摘み取った箇所などの傷口から細菌が侵入して感染します。湿気がありじめじめした場所では細菌に感染しやすくなるので、風通しをよくして乾燥させてください。
野菜の病気はじわじわ侵攻してきてある日突然発生していることに気がつくものです。
もし、野菜が病気にかかっていることに気がついた時は、病気にかかっている箇所の葉は切り取ります。苗の全体が病気にかかっている場合は根っこから引き抜いたりして、病気の拡大を早めに防ぐように対処して病気を他の野菜に移さないようにしましょう。
野菜が病気にかからないようにする対策方法としては次のことを行ってください。
野菜の病害対策
- カビの発生を抑えるには通気性をよくする
- ウイスルを防ぐにはアブラムシがつかないようにする
- 細菌の感染を防ぐには日光によく当てて傷口を早く乾燥させる
- 土壌からの病気を抑えるには土の上にわらを敷いて土の跳ね上がりを防ぐ
その他の対策方法としては、野菜の苗の土台に病気に強い品種が使われている接ぎ木苗を選ぶことです。
野菜を連作(毎年同じ土で同じ科の野菜を育てること)すると繁殖した土壌の病原菌により病気にかかりやすくなるので、輪作(毎年同じ土で違う科の野菜を育てること)ができない時は園芸店で接ぎ木苗を購入して育てるようにしましょう。
また、病気の治療や予防には薬剤を散布しても効果はあります。薬剤の種類には、害虫を駆除する殺虫剤、病気の予防や治療をする殺菌剤、その両方の特性を備え持った殺虫殺菌剤があるので、目的に合わせて使いましょう。
殺菌剤には、効果が期待できる野菜(適用野菜)や収穫までに散布してもよい回数などが決められているので、安全に使う為に商品の使用上の注意をよく読んでから散布してください。
下記に家庭菜園でよく発生する野菜の病気を紹介します。野菜を育てる時の参考にしてください。
うどんこ病による被害状況
うどんこ病はカビによる病気で、梅雨時期の長雨が続いた日や肥料の窒素成分を多く与えると、主にウリ科の野菜に発生します。
うどんこ病の症状としては、小麦粉のような白くて細かいカビが葉や茎の表面に発生します。
うどんこ病が生じると光合成ができなくなり生長が悪くなるので、うどんこ病になった葉は他の葉に移らないうちに早めに切り取りましょう。
うどんこ病の対策方法としては、日当たりをよくする、風通しをよくする、殺菌剤を散布するなどの方法があります。
べと病による被害状況
べと病はカビによる病気で、梅雨時期の長雨の多湿の季節になると、主にウリ科の野菜に発生します。
べと病の症状としては、葉の表面に黄色や褐色の斑点が現れ、葉の裏面にはカビが発生して、斑点は次第に大きくなって、最後には葉は枯れます。
べと病になった葉は早めに切り取り、日当たりと風通しをよくして再発防止に心がけましょう。
また、殺菌剤を散布して治療・予防する方法も効果的です。
モザイク病による被害状況
モザイク病はウイルスによる病気で、葉っぱが萎縮(いしゅく)してモザイク模様のようになり、病気が進行していくと運が悪いと最後には枯れてしまいます。
厄介なのは、殺菌剤で病気の予防はできませんし、治療することもできないので、モザイク病に感染した野菜の苗は被害が広がる前に処分してください。
モザイク病は、アブラムシが原因となることが多いので、アブラムシが増殖する前に駆除するように心がけましょう。
根コブ病による被害状況
根こぶ病とは、野菜の根がこぶだらけになる病気のことで、主にアブラナ科の野菜(キャベツ、コマツナ、ブロッコリーなど)に発生します。
根コブ病の被害に遭った株は生長が衰えるので異変に気がついたら早めに抜き取って病原菌を土の中に増やさないようにしてください。
根コブ病の対策方法としては、太陽の光を当てて殺菌する、土壌のpHを上げる、ダイコンを植え付ける、アブラナ科の野菜ばかり育てないなどが効果的です。
2.コンパニオンプランツを植え付けて病害虫を減らす方法
コンパニオンプランツとは、野菜と一緒に植え付けると病害や害虫の被害を少なくする効果がある植物です。
野菜はコンパニオンプランツを一緒に植えて育てると、つる割れ病、萎ちょう病、センチュウの被害を防ぐことができます。
コンパニオンプランツを活用してできるだけ農薬で対処せずに健全な野菜を育てましょう。
野菜とコンパニオンプランツの組み合わせについて
みなさんは、コンパニオンプランツ(共栄作物)という言葉を聞いたことはありますか?
コンパニオンプランツとは、野菜を育てる場所に野菜と一緒に植えて育てるとプラスの効果をもたらしてくれる植物のことです。
ホームセンターの園芸コーナーに行くと苗を販売している場所に一緒にハーブ類のマリーゴールドも売られていますね。マリーゴールドは、αテルチエニルという物質を放出するコンパニオンプランツとして有名な植物なんです。
マリーゴールドの他には、バジル、ミント、タイム、チャイブ、セージなどのハーブ類も効果がありますし、ネギやニラもコンパニオンプランツとして働いてくれます。
トマトとバジル・チャイブ、キャベツとミント・タイム、ニンジンとチャイブ・セージの組み合わせが効果があります。
野菜と一緒に植え付けるコンパニオンプランツの組み合わせは決まっているので下記の内容を覚えましょう。
- 野菜とコンパニオンプランツとの効果がある組み合わせ
- ウリ科の野菜とネギ
- ナス科の野菜とニラ
- 葉もの野菜とマリーゴールド
- コンパニオンプランツ(ネギ、ニラ、マリーゴールド)の役割
- ネギ:つる割れ病を防ぎます
- ニラ:萎ちょう病を防ぎます
- マリーゴールド:害虫であるセンチュウを寄せつけなくします
- 野菜の病気と害虫の説明
- つる割れ病:高温時に下葉から黄色くなって枯れる病気のことで、キュウリなどに多くみられます
- 萎ちょう病(いちょうびょう):高温時に下葉から黄色くなって枯れる病気のことで、トマトなどに多くみられます
- センチュウ:野菜の根っこに寄生してキズやコブを作り被害を与える害虫のことです
このように、ある野菜とコンパニオンプランツとを一緒に植え付けると害虫被害や病気の発生を軽減させる効果があります。家庭菜園で無農薬栽培にこだわっていて野菜に薬剤をできるだけ散布したくない方は、コンパニオンプランツを野菜と一緒に植え付けて育てることを試してみてください。
(記事作成日:2017年12月5日、最終更新日:2023年3月13日)