野菜のプランター栽培で使う化学肥料の種類と特徴の基礎知識

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野菜栽培で使う化学肥料の基礎知識

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プランター菜園の肥料の基本
目的(解決できる悩み)
プランター栽培で使う化学肥料の種類と特徴が理解できるようになること
目次
1.化学肥料の基礎知識
化学肥料って何ですか?
化学肥料の特徴と使うメリット
2.化学肥料の種類と特徴
単肥の種類と特徴
複合肥料の種類と特徴

1.化学肥料の基礎知識

化学質肥料とは自然界にある空気中の窒素や鉱石を専用の機械で加工して作られた速効性や緩効性の肥料のことです。

化学肥料を施肥してから肥料が効き始めるまでの日数が有機質肥料とは明らかに異なりますので特徴を良く理解してから使ってください。

化学肥料って何ですか?

化成肥料

化学肥料という言葉を聞くと、なんだか体に悪い肥料のイメージが先行してしまいますよね。

化学肥料で育てた野菜なんて食べたくないと思われるかもしれませんが、決して体に悪いわけではないので安心してください。

化学肥料とは何かというと化学合成された肥料のことです。

化学という言葉がでてくるといかにも人工的に作ったと勘違いされがちですが、化学合成といっても窒素は空気中の窒素、リン酸はリン鉱石、カリはカリ鉱石というように自然界にある原料を加工して作っています。

植物は空気中の二酸化炭素と土壌中の水分と太陽の光を使って光合成をして炭水化物(糖)を作りだし生きる為のエネルギを得ていますし、根からは水分に溶けた窒素・リン酸・カリという栄養分を吸収して光合成で作った糖とともに、茎・葉・花・実を作っています。

したがって、二酸化炭素や太陽の光は自然に供給できても、窒素、リン酸、カリという肥料の3要素は何かしらの形で土の中に与えてあげないと野菜は大きく生長しないのです。

そこで肥料の3要素を補う役目を果たすのが有機質肥料や化学肥料(無機質肥料)という肥料なのです。

どちらの肥料を使っても野菜は育ちますが、有機質肥料の扱いに慣れていない方は化成肥料の方が育てやすいと思います。

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化学肥料の特徴と使うメリット

肥料には、有機質肥料と化学肥料の2種類があることをご存じでしょうか。

有機質肥料の特徴は、有機物を微生物に分解させて無機物に変化してからでないと植物の根から吸収できる養分の形にならないので肥料の効き目が遅く、それに対して化学肥料は植物の根から吸収できる無機質という形で施肥するので肥料の効き目が早い速効性や緩効性の肥料という大きな特徴の違いがあります。
※野菜などの植物は無機質でなければ多くの栄養分を根から吸収することができない構造をしています。

したがって、化学肥料を使うメリットは、肥料成分をコントロールしやすいので野菜を安定して栽培・収穫できるということです。

但し、肥料の効き目が早いので一度に大量に与えすぎてしまうと野菜の生長に障害がでてしまうので気をつけなければいけません。

例えば、窒素成分を大量に与えると葉や茎が大きく育っていきますが必ずしも健全とは限りません。

なぜなら、葉や茎の生長に養分が多く使われるようになるので花が咲いたが実が大きくならないというつるボケという現象が起きるからです。

また、窒素成分の濃度が高くなると濃度障害により根が傷んで養分の吸収ができなくなる恐れも出てきます。

化学肥料を上手に使いこなすポイントは、多く施肥せずに野菜の生長を見ながら必要な分量だけ与えることです。

肥料をたくさん与えれば健全に野菜が生長するわけではないことを覚えておいてください。

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2.化学肥料の種類と特徴

リンカリ肥料

化学肥料の種類は、肥料の3要素(窒素、リン酸、カリ)のうちの1つの肥料成分のみを含んだ単味肥料(単肥)と2つ以上の肥料成分を含んだ複合肥料の2種類があります。

それぞれの化学肥料で肥料成分の含有量が異なりますので、肥料袋に書かれている成分表を見て目的の肥料を選んでください。

単肥の種類と特徴

単肥の化学肥料の種類としては、尿素、硫安、ようりん、過石、硫酸カリがとても有名です。

尿素の特徴
尿素(にょうそ)は、窒素成分を約46%含んだ中速効性の化学肥料です。
尿素は微生物に分解されてアンモニア態窒素、さらに微生物に分解されて硝酸態窒素の状態になって根から多くの窒素成分が吸収されるので、硫安よりはゆっくりとした肥料効果が期待できます。
また、尿素を水に溶かして葉面へ散布して養分を葉から吸収させる使い方もできます。
硫安の特徴
硫安(りゅうあん)は硫酸アンモニアという物質のことで、窒素成分を約21%含んだ速効性の化学肥料です。
家庭菜園ではよく使われている肥料の1つでアンモニア態窒素の状態で土に施肥でき、微生物に分解されて硝酸態窒素となってから多くの窒素成分は根に吸収されます。土壌が酸性に傾くので施し過ぎに気をつけてください。
※硫安は畑では使いますがプランター栽培ではあまり使いません。
なお、硫安と名前が似た硝安(硝酸アンモニウム)という硝酸態窒素を含んだ肥料がありますが、危険物なのでホームセンターでは売っていません。
ようりんの特徴
ようりんは、カルシウムやマグネシウムと結合したく溶性のリン酸を約20%含んだ遅効性の化学肥料です。
水溶性ではないので植物の根は根酸を出して吸収しゆっくりとした肥料効果が期待できます。
過石の特徴
過石(かせき)は過リン酸石灰という物質のことで、水溶性のリン酸を約17%含んだ速効性の化学肥料です。
但し、土壌中のアルミニウムと結合して不溶性リン酸、カルシウムと結合してく溶性リン酸に変わり水に溶けにくくなる特徴があります。
硫酸カリの特徴
硫酸カリは硫酸カリウムという物質のことで、水溶性のカリを約50%含んだ速効性の化学肥料です。土壌が酸性に傾くので施し過ぎに気をつけてください。

複合肥料の種類と特徴

複合肥料の化学肥料の種類としては、化成肥料、配合肥料がとても有名です。

化成肥料の特徴
化成肥料(かせいひりょう)は、窒素、リン酸、カリの成分を1つの粒ごとに含む肥料のことです。
N、P、Kの肥料成分の合計値が30%以上の化成肥料を高度化成、30%未満の化成肥料を普通化成といいます。
家庭菜園ではNーPーKが8-8-8の普通化成が扱いやすいので広く使われています。
数字は、肥料成分の含有量のことです。8ー8-8と書いてあればそれぞれの成分が8%ずつ含まれています。
配合肥料の特徴
配合肥料(はいごうひりょう)は、窒素、リン酸、カリの成分を混ぜ合わせた肥料のことです。
化学肥料(硫酸アンモニア、硫酸加里、塩化カリなど)と有機質肥料(油かす、骨粉など)を混ぜ合わせてある有機配合肥料が一般的です。

その他に、ゆっくりと長く効くIB入り化成やCDU入り化成などの緩効性肥料(かんこうせいひりょう)、肥料の粒の周りをコーティングして溶ける時間をコントロールする被覆肥料(ひふくひりょう)、液体タイプの液体肥料(液肥)というものもあります。

プランターを使った家庭菜園で一般的に使用される化学肥料は、肥料成分のバランスがいいのでいろいろな野菜に使うことができる肥料成分が8-8-8の普通化成肥料です。

窒素肥料が効きすぎている時の為にリンカリ成分のみの肥料を別途用意しておけば上手に野菜を育てることができます。

おすすめ商品野菜栽培で使うおすすめの化学肥料

商品名:住友化学園芸 マイガーデンベジフル 1.6kg

マイガーデンベジフルは、窒素・リン酸よりカリが多く含まれている緩効性の粒状コーティング肥料です。

一番の特徴は、肥料の表面がコーティングされているので気温の違いで肥料が溶ける量をコントロールして普通の化成肥料よりも肥料効果が長持ちすることです。

また、腐植酸と植物性の有機質が配合されているので土の環境を整える効果も期待でき、元肥・追肥のどちらでも使うことができます。

(記事作成日:2017年12月2日、最終更新日:2023‎年1‎月21日)

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