車を購入する時は車輪の駆動方式を理解して選ぶ
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- 車を購入する時の正しい選び方
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- 車を購入する時は、デザインやボディーの色の他に、車輪の駆動方式も考慮して選べるようになること
- 目次
- 1.車輪の駆動方式の種類
- 2WD(2 wheel drive)の種類と特徴
- 4WD(4 wheel drive)の種類と特徴
1.車輪の駆動方式の種類
みなさんは車の駆動方式はどういう方法かご存じでしょうか?
空気と燃料を気化して燃やしてエンジンで発生させた回転エネルギーはホイールに伝えなければ車は動きませんよね。
車の回転エネルギーを車輪に伝えて駆動させる方式には、2WDと4WDの2種類があります。
2WD・4WDとは、燃料を使ってエンジンを動かして発生させた力を4本あるタイヤのうち何本へ伝えて駆動させるのかということで、タイヤを2本駆動させる場合は2WD、4本駆動させる場合は4WDとなります。
なお、車を選ぶ時は、車輪の駆動方式の他に、車種、エンジンの種類、使用目的も合わせて考えてください。
それでは、2WD・4WDの駆動方式の特徴を見ていきましょう。
2WD(2 wheel drive)の種類と特徴
2WDとは、エンジンの力を2つのタイヤに伝えて回転させる駆動方式のことで、多くの車に採用されています。
2WDの種類で一般的に採用されているエンジンの位置に対する駆動輪の方法は、FF、FR、MRの3種類があります。
- FF(Front engine Front drive)
- FFとは、エンジンを前方に配置して前輪を駆動輪、後輪を非駆動輪とする方法です。
- FFでは、エンジンを横置きにできるので、エンジンルームの長さを短くでき、プロペラシャフトがないので室内を広くできるメリットがあります。
- タイヤの限界性能付近のコーナーリング時にアンダーステアになりやすいというデメリットがありますが、普通に走行している分には全く問題ありません。
- 基本的には、走行安定性能が高い駆動方法なので雪道でも走行性は高いです。コストが安くできるのでコンパクトカーには積極的に採用されています。
- FR(Front engine Rear drive)
- FRとは、エンジンを前方に配置して後輪を駆動する方法です。
- エンジンの力はプロペラシャフトを利用して後輪へ伝えられるので、室内空間が狭くなる、エンジンを縦に配置するのでエンジンルームが長くなるというデメリットがありますが、後輪を駆動しているので塗装された道ならば車の挙動が乱れてもアクセルワークで姿勢を立て直すことがしやすいです。
- また、加速時に路面に力を伝えやすくコーナーリング性能も良いという特徴があります。
- 雪道や砂利道などの滑りやすい路面では、後輪が滑ってハンドルがきかなくなりやすいので注意して運転してください。
- MR(Midship engine Rear drive)
- MRとは、エンジンを車体の中央付近に配置して後輪を駆動する方法です。
- 車の中心付近に重心があるので旋回性能がいいのでコーナーでの運転は楽しいですが、エンジンが後部座席の近くに位置しているので室内が狭い、シートの背もたれが目一杯倒せられないなどの使いにくさがあります。
小型自動車ではFF、スポーツカーではFRかMRの方法が採用されやすいです。
2WDでは、車が走行している時の残りの2つのタイヤはスピードに任せて転がっているだけなので4WDよりも燃費が良いです。
4WD(4 wheel drive)の種類と特徴
4WDとは、エンジンの力を4つのタイヤに伝えて回転させる駆動方式のことです。
エンジンを前方に配置して前輪と後輪を同時に駆動させ車を4WDにするには、トランスファーというトランスミッションから回転運動を取りだして振り分ける装置が必要です。
- パートタイム4WD
- 路面の状況や路面とタイヤの滑り具合に応じて4WDと2WDを自分でスイッチを押して切り替える方式です。
- 基本は2WDで走り必要に応じて4WDにします。昔は様々なメーカーが採用していましたが最近では搭載させることはほとんどなくなりました。
- パッシブ式4WD
- 通常は2WDですがコーナーリング時の回転差や雨や雪などの滑りやすい路面で空転になると自動で4WDに切り替わり機械的にトルクを分配して制御します。
- パッシブ4WDのことを回転差感応型ともいいます。最近は機械式ではなく電子制御方式に置き換えられています。
- パッシブ4WDは、ビスカス式、デュアルポンプ式(リアルタイム式)などがあります。
- アクティブトルクスプリット式4WD
- パッシブ4WDで機械的に動いていた車輪へのトルク分配を行うトルク伝達装置を電子制御で動かす4WDです。
- センターデフ4WD
- トランスミッションからの出力側にセンターデフ(差動装置)を配置して機械的に前輪と後輪の回転差をなくし常に4WDとした方式です。
- 最近は電子制御方式に置き換えられています。
- 電子制御センターデフ4WD
- センターデフ4WDで機械的に動いていたデフへの差動制限を行う差動制限装置を電子制御でトルク分配して動かす4WDです。
※センターデフ4WD、電子制御センターデフ4WDはフルタイム4WDに分類されます。フルタイム4WDとは、路面の状況に関係なく常に4つのタイタを回転させる方式です。タイヤが空転して走行不能に陥らないように差動制限装置を設けてトルク分配しています。
4WDにもいろいろな種類がありますが、パッシブ式、アクティブトルクスプリット式が多く採用されています。
4WDはエンジンの力を4本のタイヤへ分散しているので、塗装路以外の道を走ることがある方は4WD車のメリットを実感できるのでおすすめです。4WDは車を安全にコントロールでき、雨の日で濡れている道、泥道・砂利道などの舗装していない道、雪が積もった滑りやすい道などのような路面の状況が悪い道で最大限の威力を発揮します。
※2WDは前輪又は後輪のみで100%のトルク配分ですが4WDは全体で100%のトルク配分です。
しかし、4WD車は2WD車に比べると部品の数が増えるので販売価格が若干高くなります。また、部品の数が多いので車体重量が重く、4つの車輪を駆動しているので燃費も悪く、タイヤのヘリも早いのがデメリットです。
(記事作成日:2018年2月21日、最終更新日:2021年7月25日)