車を購入する時はエンジンの仕組みと特徴を理解して選ぶ
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- 車を購入する時は、デザインやボディーの色の他に、エンジンの種類も考慮して選べるようになること
- 目次
- 1.エンジンの種類と仕組み
- ガソリンエンジンの仕組みと特徴
- ディーゼルエンジンの仕組みと特徴
- ハイブリッド車の仕組みと特徴
1.エンジンの種類と仕組み
内燃機関の車を動かすには動力源となるエンジンが必要になります。
現在広く普及しているエンジンはガソリンを燃料として動くガソリンエンジンと軽油を燃料として動くディーゼルエンジンの2種類があります。
どちらのエンジンでも、密閉した燃焼室内で圧縮させた空気や燃料を燃焼させて、その熱で気体を膨張させてエネルギーを得ています。
車のカタログには排気量が書かれていますよね。エンジンの総排気量とはピストンのストローク量とシリンダーの面積を掛け合わせて、その値を気筒数分足し合わせた数値のことです。
つまり、ピストンの最上端位置と最下端位置の間の容積のことなので、2000ccの4気筒エンジンなら500ccの空間が4つあるということです。4つ足し合わせて2000ccになります。
例えば、同じ排気量である場合は、気筒数が多いと振動が少ないが燃費が悪い、気筒数が少ないと振動が多いが燃費がいいという特徴があります。8気筒エンジンや6気筒エンジンは燃費が悪く、4気筒エンジンや3気筒エンジンは燃費が良いということです。
最近では、従来からあるガソリンエンジンとディーゼルエンジンの他に、ハイブリッドというジャンルの車もあります。
なお、車を選ぶ時は、エンジンの種類の他に、車種、車輪の駆動方式、使用目的も合わせて考えてください。
ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ハイブリッド車はどういう仕組みで動いているのか見ていきましょう。
ガソリンエンジンの仕組みと特徴
ガソリンエンジンは、燃料にガソリンを使い、吸気(インテークバルブを開き混合気をシリンダー内へ送る)、圧縮(ピストンを上昇させ混合気を圧縮する)、燃焼・膨張(スパークプラグで混合気を点火した時の圧力でピストンを下降させる)、排気(エキゾーストバルブを開いて燃焼済みのガスを排出する)の4行程を繰り返して動いて、クランク軸から回転エネルギーを取り出しているエンジンのことです。
ガソリンエンジンが燃焼する仕組みは、密閉した燃焼室内で空気と燃料の混合気を圧縮して温度を上げてから点火プラグで点火して燃焼させ膨張させています。
エンジンの形状では、
エンジンの種類
- 直列エンジン:シリンダーを垂直に配置したエンジン
- V型エンジン:シリンダーをVの形となるように斜めに配置したエンジン
- 水平対向エンジン(ボクサーエンジン):シリンダーを水平に配置したエンジン
- ロータリーエンジン:ローターを回転させるエンジン
という4種類があります。
※ロータリーエンジンと他のエンジンの違いは、ロータリーエンジンはローターを回転させて動力を得ているのに対して他のエンジンはピストンを行ったり来たり往復させて動力を取り出しています。
ガソリンエンジンの特徴は、ディーゼルエンジンよりもエンジン音が静か、振動が小さい、黒煙が排出されないなどがあります。
エンジンで燃焼した混合気は排気ガスとして大気中に排出されますが、三元触媒コンバーターで酸化・還元を行い有害物質を浄化(炭化水素、一酸化炭素、窒素酸化物を二酸化炭素、水、窒素に変える)してマフラーで音を小さくして大気汚染防止対策や周辺環境の改善に配慮した対策が施されています。
※マフラーは音を小さくする為のもので排気ガスを浄化する為のものではありません。
ディーゼルエンジンの仕組みと特徴
ディーゼルエンジンは、燃料に軽油を使い、吸気(インテークバルブを開き空気をシリンダー内へ送る)、圧縮(ピストンを上昇させ空気を圧縮する)、燃焼・膨張(燃料を送り発火させた時の圧力でピストンを下降させる)、排気(エキゾーストバルブを開いて燃焼ガスを排出する)の行程を繰り返して動いています。
※ガソリンエンジンとの構造上での違いといえば、自然発火させるのでディーゼルエンジンには点火プラグがないことです。
どうやって燃焼させているのかというと、密閉した燃焼室内で空気を圧縮して空気の温度を上昇させた後に軽油を噴射すると温められた空気により着火して燃焼・膨張の行程が行えます。
昔は、ガソリンエンジンよりもエンジン音がうるさい、振動が大きい、壊れやすい、黒煙(粒子状物質)が排気される、などの理由で選ぶ人は少なかったですが、クリーンディーデルエンジンと粒子状物質や大気汚染物質を除去するフィルターや触媒の登場によりそのような問題は解決され、乗用車に搭載されているモデルはいくつかあります。燃料代は、ガソリンよりも軽油の方が価格が安いのがメリットです。
触媒とは、排出ガス浄化装置(ガソリンエンジンでは三元触媒、ディーゼルエンジンでは酸化触媒、DPF、NOx還元触媒)のことです。窒素酸化物、一酸化炭素、炭化水素を触媒に通すことによって化学反応を起こして窒素、二酸化炭素、水に変化させます。
※触媒の材料には希少金属が使われています。
マフラーは消音器ともいわれており、高温・高圧の排気ガスの排気音を小さくする為のものです。排気ガスを浄化する為のものではありません。
※マフラーは、排気ガスの温度や圧力を下げる働きもあります。
ハイブリッド車の仕組みと特徴
ハイブリッド車とは、1台の車体に内燃機関(ガソリンエンジン又はディーゼルエンジン)と電気モーターという2つの動力源を搭載して状況に応じて動力源を使い分けて走行する車のことです。
一般的なハイブリッド車は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンと駆動用・回生発電併用の交流モーターを搭載したパラレル式ハイブリッドシステムと、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンと発電機を直結して、駆動・回生発電併用の交流モーターを搭載したシリーズ式ハイブリットシステムの2種類があります。
※最近では、両者を組み合わせたシリーズ・パラレル式ハイブリットシステムもあります。
- パラレル式ハイブリッドシステム
- パラレル式ハイブリッドシステムは、エンジンを動かして発生した回転エネルギーは主にタイヤを回転させる為に使います。
- したがって、モーターは補助的な位置づけです。
- 二次電池への充電は、車の減速時に交流発電機を回転させて電気を発電して、コンバーター回路で直流に変換されて二次電池に充電します。
※回生エネルギーを利用して発電しています。 - 二次電池に充電されている電気は、発進時や加速時などの負荷が大きくかかる時になったらインバーター回路で交流に変換されモーターを回転させ、二次電池が充電されていればエンジンの力とモーターの力を併用して駆動することもできます。
- シリーズ式ハイブリッドシステム
- シリーズ式ハイブリットシステムは、エンジンを動かして発生した回転エネルギーでタイヤを直接回転させることはせず、発電機で発電させるのみに使われます。発電した電気はコンバーター回路で直流に変換されて二次電池に充電、インバーター回路で交流に変換されモーターを回転させます。
- したがって、エンジンの動力で直接タイヤを駆動することはなく、必ず電気モーターでタイヤを回転させています。
- シリーズパラレル式ハイブリッドシステム
- シリーズパラレル式ハイブリッドシステムは、シリーズ式とパラレル式の両方を組み合わせた方式です。
- エンジンの回転エネルギーはタイヤを直接回転させることもできますし、エンジンで発電機を回転させることもできます。
- また、エンジンとモーターを併用することもできます。
- 今まではブレーキ時は回転エネルギーを熱エネルギーにして捨てていましたが、ブレーキ時の回生エネルギーを二次電池に充電することもできます。
どのハイブリッドシステムでも、発電した電気はモーターを回転させたり二次電池(ニッケル水素電池やリチウムイオン電池)へ充電されます。
ハイブリッド車は燃費がいいので人気がありますが二次電池は消耗品です。駆動用バッテリーの交換目安は5~10年です。走行距離が多い人はハイブリッド車の方がメリットがありますが、街中をチョイ乗りするくらいの使い方なら普通のガソリン車やディーゼル車の方がいいのかもしれません。
(記事作成日:2018年2月21日、最終更新日:2021年7月10日)