車のスパークプラグ(点火プラグ)の役割と種類
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- 目的(解決できる悩み)
- ガソリンエンジンに使われているスパークプラグの役割とスパークプラグの種類がわかるようになること
- 目次
- 1.スパークプラグ(点火プラグ)の基礎知識
- スパークプラグの役割
- 2.スパークプラグの種類
- 一般プラグの特徴
- 白金プラグの特徴
- イリジウムプラグの特徴
- その他のプラグの特徴
1.スパークプラグ(点火プラグ)の基礎知識
スパークプラグは、ガソリンエンジンを点火させて動かす為になくてはならないエンジンパーツです。
常に高電圧が発生しているので電極が次第に傷んでくる消耗パーツでもあり、消耗したスパークプラグを使っているとエンジンの調子が悪くなってくるので気をつけてください。
スパークプラグはどういう役割があるのか見ていきましょう。
スパークプラグの役割
スパークプラグ(点火プラグ)とは、燃焼室内の空気と燃料の混合気に強い火花を発して点火させ、クランクシャフトから回転エネルギーを得る為に必要となるエンジン部品の1つです。
※スパークプラグはガソリンエンジンにのみ必要となる部品で、ディーゼルエンジンには必要ありません。
スパークプラグは、プラグキャップを装着する部分のターミナル、陶磁器部分の絶縁体、ハウジングといわれる工具をはめこむ6角形の金属部分とシリンダーヘッドに装着するネジ部分、火花を飛ばす中心電極と火花を受ける外側電極(接地電極)で構成させています。
エンジンを動かす為にプラグコードで電気をスパークプラグに送りスパークプラグには常に高電圧が加えられて強い火花を放電させ飛ばしているので、長期間使いこんでいくと中心電極の角が段々消耗して丸くなっていき、しだいに火花の強さが弱くなっていきます。
混合気に点火させる重要な部分はスパークプラグの中心電極と外側電極が担っており、この2つの部分が消耗してくると、
スパークプラグの劣化で発生する症状
- アイドリングが不安定
- エンジンの始動性が悪い
- アクセルレスポンスが鈍い
- 加速が悪くなる
- 燃費が落ちる
などというエンジンの不調の症状が現れてくるので定期的に交換が必要になります。
2.スパークプラグの種類
現在、一般の車に主に使われているスパークプラグは、一般プラグ、白金プラグ、イリジウムプラグの3種類があります。
スパークプラグの種類
- 一般プラグ:白金プラグやイリジウムプラグよりも耐熱性と耐摩耗性に劣るプラグ。低寿命で低価格
- 白金プラグ:高温に強く耐摩耗性があるので電極を細くでき強い火花を発生できるプラグ。高寿命で高価格
- イリジウムプラグ:白金プラグと同じく、高温に強く耐摩耗性があるので電極を細くでき強い火花を発生できるプラグ。高寿命で高価格
一般プラグと標準プラグを混同している方が見えますが、標準プラグとは新車の時にエンジンに組みつけられているスパークプラグのことです。標準プラグには、一般プラグもあれば、白金プラグもあり、イリジウムプラグもあります。
一般プラグの特徴
一般プラグとは、昔から使われている価格が安いオーソドックスなスパークプラグのことです。
中心電極の素材にはニッケル合金が使われているので、中心電極の耐久性は白金プラグよりもだいぶ短いですが、高性能を求めていないのなら一般プラグに交換すれば十分です。走行距離が3万kmで交換の目安となります。
時代の流れで最近ではイリジウムプラグにシフトしているので、安価な一般プラグを標準プラグとして組み付けている新車は減っていて装着できる車は少ないです。
最近の車には安価な一般プラグの採用は少なく、中心(プラス)・外側(接地)の電極に白金やイリジウムが使われているダブル白金(ダブルプラチナ)やダブルイリジウムの設定が多いです。そのような車は10万kmメンテナンスフリーですので短期間で交換する必要はありません。
白金プラグの特徴
白金プラグとは、中心電極の素材に白金(プラチナ)が使われているスパークプラグのことです。
中心電極の直径は一般プラグよりも細く、耐久性と耐食性は一般プラグよりも高く、電極が高温に耐え消耗が少なくススの汚れが付きにくいのが特徴です。
中心電極のみに白金を採用しているプラグは走行距離が3万kmで交換の目安となりますが、中心電極と外側電極の両方に白金が使われているタイプでは、走行距離が10万kmくらいになるまで交換が不要とされ、メンテナンスフリーの点火プラグとしての位置づけがされています。耐久性を重視し交換コストを抑えるなら白金プラグを購入しましょう。
イリジウムプラグの特徴
イリジウムプラグとは、中心電極の素材にイリジウム合金が使われているスパークプラグのことです。
中心電極の耐久性と耐食性は白金プラグと同等で高く、電極の直径は他のスパークプラグよりも細いので火花の飛びが良いのが特徴です。
現在では、高性能プラグといえば中心電極にイリジウム合金、外側電極に白金チップを採用したイリジウムプラグのことを指し示し、走行距離が10万kmまではメンテナンスフリーとして使えますが価格は一般プラグの2倍以上します。
なお、外側電極に白金チップを採用していないイリジウムプラグは走行距離が3万kmで交換の目安となります。
その他のプラグの特徴
みなさんは、一般プラグ、白金プラグ、イリジウムプラグの他に、レジスタープラグという言葉を聞いたことはありませんか。
レジスタープラグとは、セラミックの抵抗体をプラグ内部に入れ混合気への点火時に発生する点火ノイズを抑えたプラグのことです。レジスタープラグの役目は、カーラジオへ混入する雑音の防止やコンピューターへのノイズによる誤作動を防止することで、レース用プラグ以外のほとんどのスパークプラグに採用されています。
その他のスパークプラグとしては、チューニングしてあるエンジンの為にイリシーリーズという高熱価タイプのスパークプラグもあります。
※上の写真の右側のスパークプラグはライトチューニングしていたR33スカイラインに装着していたIRIWAYプラグの熱価7タイプです。高熱価プラグは普通の車には使いません。
最近では、中心電極に白金やイリジウムの他にルテニウムを配合した高性能プラグも販売されています。私の車に装着したら若干ですが燃費がよくなったので、高性能を求めるのならNGKのプレミアムRXプラグがおすすめです。
電極にどの素材が使われているスパークプラグを選べばいいのかわからない方は、純正品(標準プラグ)又はNGKかデンソーの一般プラグを選べば問題ありません。
スパークプラグの種類がわかったところで次はスパークプラグの点検方法を見ていきましょう。
(記事作成日:2017年6月24日、最終更新日:2021年7月31日)