車のブレーキの仕組みとブレーキパッドの種類
- カテゴリー
- 自動車の悩み
- ジャンル
- ブレーキのメンテナンス
- 目的(解決できる悩み)
- 車のフットブレーキ・パーキングブレーキの仕組みとディスクブレーキで使うブレーキパッドの種類がわかるようになること
- 目次
- 1.ブレーキの基礎知識
- ディスクブレーキの仕組みと特徴
- ドラムブレーキの仕組みと特徴
- パーキングブレーキの仕組みと特徴
- 2.ブレーキパッドの種類
- ストリート用のブレーキパッドの特徴
- スポーツ用のブレーキパッドの特徴
- 競技用のブレーキパッドの特徴
1.ブレーキの基礎知識
車のブレーキは、走行している車のスピードを減速させたり停止させたりする時に使うものということは、車の運転免許証を持っている方は誰でも知っていることですよね。
車のブレーキには、フットブレーキ(ディスクブレーキ、ドラムブレーキ)とパーキンググレーキ(サイドブレーキ)の2種類があります。
フットブレーキは、油圧の力を利用して動かしているので、倍力装置、ブレーキオイル、ブレーキライン、ブレーキ本体で構成されています。
それぞれのブレーキは独立して動作できるので、走行中の減速に使うブレーキはフットブレーキ、車を停車させ車輪が回転して動かないようにロックして駐車させる時はパーキングブレーキというように使い分けます。
ディスクブレーキの仕組みと特徴
ディスクブレーキは、ブレーキキャリパーに取り付けられているブレーキパッドをタイヤとともに回転している金属素材でできたディスクローターへピストンで押しつけて、その押しつけた時に発生した摩擦力を利用して走行している車を減速・停止させる仕組みです。
ディスクブレーキの主な種類は、次の2種類があります。
ディスクブレーキの種類
- 片側ピストン式:ブレーキキャリパーの片側だけにピストンが配置してある
- 対向ピストン式:ブレーキキャリパーの両側にピストンが配置してある
一般的な車は片側ピストン式、スポーツカーは対向ピストン式が採用されることが多いです。
ブレーキキャリパーに取り付けられているブレーキパッドとは、ディスクブレーキといわれるブレーキシステムに必要となるパーツのことです。ブレーキパッドは摩擦を利用して制動力を得ており、ブレーキを掛けるたびにブレーキパッドが少しずつ削られていくので、ブレーキパッドのパッド部分の残りが完全になくなる前までに定期的に交換する必要があります。
なお、ディスクローターもブレーキパッドと共に徐々に削れていきますが15万km以上の耐久性があるので気にしなくても大丈夫です。
また、昔は高級な車にしか搭載されていなかったABS(アンチロックブレーキシステム)ですが、最近は安全の為にどんな車種でも搭載されていて当たり前の世の中になっています。
ABSとは、運転者がフットブレーキを踏むと必要に応じて車が自動でポンピングブレーキしてくれる機能のことです。
タイヤの個々の銘柄ごとに備わっているグリップ力の性能の限界を超えた力がタイヤに加わるとキーキーいいながら路面の上を滑っていきブレーキが効かなくなりますが、ABSが付いていると急ブレーキをかけてもタイヤをロックさないようにブレーキを制御してくれるありがたい機能です。
ドラムブレーキの仕組みと特徴
ディスクブレーキの他には、ドラムブレーキというブレーキシステムがあります。
ドラムブレーキは、ドラムの中にあるブレーキシューをタイヤとともに回転しているドラムへ押しつけた時の摩擦力を利用して走行している車を減速・停止させる仕組みです。
ディスクブレーキもドラムブレーキもどちらのブレーキでも油圧の力で停止させるのでブレーキの効き具合は良いですが、ディスクブレーキはブレーキパッドが露出しているのでブレーキを掛けた時の発熱の放熱性に優れ、ドラムブレーキはブレーキシューがドラムの中にあるのでブレーキを掛けた時の発熱の放熱性は劣るという特徴があります。
ブレーキは熱に弱いので、特にドラムブレーキを頻繁に使うとブレーキオイルが沸騰したりブレーキ時の摩擦力が低下してブレーキの効きが悪くなるフェード現象が起こるので気をつけましょう。
ディスクブレーキではブレーキパッドの交換が必要ですが、ドラムブレーキにはブレーキシューの交換が必要となります。
パーキングブレーキの仕組みと特徴
パーキングブレーキは、ロッドとワイヤーを使って機械的に後輪のブレーキ(ドラムブレーキ・ディスクブレーキ)をかけてタイヤが動かないようにロックする目的で使用します。
つまり、駐車する時に車が動かないようにする為に使っているブレーキのことです。
パーキングブレーキは、レバーを手で引くタイプとペダルを足で踏むタイプがあります。使い方は次の通りです。
パーキングブレーキの種類
- レバー式:タイヤをロックする時はレバーを引き、ロックを解除する時は解除ボタンを押してレバーを下げます。
- ペダル式:タイヤをロックする時はペダルを踏み、ロックを解除する時はもう一回ペダルを踏みます。
レバー式とペダル式で使い方は異なりますが、どちらのパーキングブレーキでもタイヤをロックできます。
2.ブレーキパッドの種類
車のブレーキパッドには、ストリート用、スポーツ用、競技用の3タイプがあります。
スポーツ走行をせずに普通の乗り方をしている方は、車両に初めから装着されている純正品(曙ブレーキや日清紡というメーカー)のブレーキパッドや社外品(プロジェクトμ、ウェッズスポーツ、エンドレスなどのメーカー)のストリート用のブレーキパッドがおすすめです。
ブレーキパッドの種類は、車の使用目的に応じで選んでください。
ストリート用のブレーキパッドの特徴
ストリート用のブレーキパッドは、街中から高速道路まで一般的な道路を走ることを目的をして作られているので、ブレーキローターの温度が低くてもしっかりブレーキをかけることができます。
商品によっては、ブレーキの効き具合はいいがブレーキダストが多く出て、ブレーキをかけるとキーキー音が鳴るということもあるので気をつけてください。
車を普通に運転するという方は、材質にはノンアスベストが使われていて初期制動をよくしたストリート用がおすすめです。
スポーツ用のブレーキパッドの特徴
スポーツ用のブレーキパッドは、ストリートでの運転をこなしながら走行会に参加してサーキットでの走りにも対応できる商品です。
ブレーキの効き具合はストリート用よりもいいですが、ブレーキローターへの攻撃性が高いので減りは早くなります。ブレーキをかけるとキーキー音が鳴るという特徴もあるので気をつけてください。
峠を走ったり走行会に参加するという方は、材質にはセラミックカーボンメタルが使われているスポーツ用がおすすめです。
競技用のブレーキパッドの特徴
競技用のブレーキパッドは、サーキットを全力で走ることを前提として作られているブレーキパッドです。
ブレーキローターの適正温度が150~200℃以上なので、低い温度で使うとブレーキの効きは弱いので一般道路では使わないでください。
また、ブレーキローターへの攻撃性が高いのでローターの減りは早くなります。普通の乗り方をしている方は装着する機会が全くないブレーキパッドです。
ブレーキパッドの種類がわかったところで次はブレーキパッドの点検方法を見ていきましょう。
(記事作成日:2017年6月20日、最終更新日:2021年6月26日)