乾電池・充電池・充電器の基礎知識
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- 一般家庭で使われている一次電池(マンガン電池、アルカリ電池、リチウム電池)と二次電池(ニッケル水素電池)の特徴が理解できるようになること
- 目次
- 1.一次電池の種類と特徴の基礎知識
- マンガン電池の特徴
- アルカリ電池の特徴
- リチウム電池の特徴
- 2.二次電池と充電器の基礎知識
- ニッケル水素電池の特徴
- ニッケル水素電池の充電器
1.一次電池の種類と特徴の基礎知識
私たちが普段使っている電池には一次電池と二次電池があります。
一次電池は、正極(プラス極)、負極(マイナス極)、電解質の3つから構成されています。
それぞれの電極には種類が異なる金属を使い、その金属に適した電解質を満たすと化学反応が起きて電気が発生し電気を放出できるようになります。
但し、一次電池は充電ができない設計なので電気を放出してしまうと充電できない使い捨ての電池という性質があります。
また、一次電池は電極の材質の違い、形状の違い、電圧の違いでいろいろな種類がありますので、一次電池を選ぶ時は、公称電圧、形状・サイズを確認してください。
一次電池の公称電圧と形状・サイズ
- 公称電圧:1.5V又は3Vくらいの電池があります。
- 形状・サイズ:円筒型(単3形、単4形など)、ボタン型、コイン型があります。
一般家庭で使われている一次電池は、1.5Vのマンガン電池、アルカリ電池、リチウム電池が主流です。
なお、円筒型の単1形~単5形は次の品番が電池に書かれています。
円筒型の電池の品番
- R20:単1形
- R14:単2形
- R6:単3形
- R03:単4形
- R1:単5形
ここでは、マンガン電池、アルカリ電池、リチウム電池の特徴を説明していきます。
マンガン電池の特徴
マンガン電池とは、正極に二酸化マンガン、負極に亜鉛、電解液に塩化亜鉛を使った公称電圧1.5Vの一次電池のことです。
昔はマンガン電池がよく使われていましたが、最近はマンガン電池よりも性能がよいアルカリ電池に変わってきています。
マンガン電池の特徴としては、
マンガン電池の特徴
- 昔から使われている定番の電池
- 性能はアルカリ電池よりも劣る
- 価格が安い
などが挙げられます。
アルカリ電池の特徴
アルカリ電池とは、正極に二酸化マンガン、負極に亜鉛、電解液に水酸化カリウムなどのアルカリ水溶液を使った公称電圧が1.5Vの一次電池のことです。正確には、アルカリマンガン電池といいます。
※品番がLで始まればアルカリ電池のことです。
一昔前は乾電池といえばマンガン電池を使っていたことが多かったですが、現在はアルカリ電池が主流になっています。
アルカリ電池の特徴としては、
アルカリ電池の特徴
- マンガン電池よりもハイパワー
- 時間の経過による電圧の低下が少なくアルカリ電池よりも2倍長持ちする
- 低温での性能低下が少ない
- マンガン電池よりも価格が高い
などが挙げられます。
価格と性能を両立させるならばアルカリ電池がおすすめです。
おすすめのアルカリ乾電池
商品名:パナソニック EVOLTA 単3形アルカリ乾電池 20本パック LR6EJ/20SW
私がおすすめするアルカリ電池はパナソニックのエボルタです。
私の経験では100円ショップで売っているアルカリ電池よりも2倍以上長持ちします。また、20℃で保管すれば10年保存できるので、防災用の電池としてストックしておく場面にも適しています。
リチウム電池の特徴
リチウム電池とは、負極にリチウムを使っている一次電池のことです。
リチウム電池といえば、正極に二酸化マンガン、負極にリチウム、電解液に非水系有機溶媒を使った公称電圧3Vのコイン型の二酸化マンガンリチウム電池(CR1632、CR2032など)が有名ですよね。
※品番がCで始まれば二酸化マンガンリチウム電池のことです。円筒型は銀塩カメラの電池としても使われています。
また、正極に硫化鉄、負極にリチウム、電解液に非水系有機溶媒を使った公称電圧1.5Vの円筒型の硫化鉄リチウム電池も販売されています。
※品番がFで始まれば硫化鉄リチウム電池のことです。アルカリ電池の代わりとして使うことができます。
リチウム電池の特徴としては、
リチウム電池の特徴
- アルカリ電池よりもハイパワー
- 自己放電が少ないので長期間保管できる
- 低温特性に優れているので氷点下の環境でも電池性能を発揮できる
- マンガン電池、アルカリ電池よりも軽量
- アルカリ電池よりも価格が高い
などが挙げられます。
2.二次電池と充電器の基礎知識
二次電池は一次電池と同じように、正極(プラス極)、負極(マイナス極)、電解質の3つから構成されていますが、一度使い切ったら使い捨てるのではなく、充電すれば繰り返し使うことができる電池です。
つまり、二次電池とは、電池が放電して使えなくなっても充電させて繰り返し使うことができるエコな電池のことです。
一般家庭で使われている二次電池は1.2Vのニッケル水素電池が主流です。
ニッケル水素電池の特徴
ニッケル水素電池とは、正極にニッケル酸化物、負極に水素吸蔵合金、電解液にアルカリ水溶液を使った公称電圧1.2Vの二次電池のことです。
ニッケル水素電池を選ぶ時は、mAh(ミリアンペアアワー)という電気容量(電池容量)を必ず確認してください。
電気容量とは、電流×時間の積で計算できる電池に蓄えれることが可能な電流の量のことです。
例えば、電池に1000mAhと書かれていたら、満充電時に1000mAの電流を1時間流すことができるという意味合いです。もし、その電池で100mA流れる電子機器を使うなら10時間使えれるということです。
電気容量の種類は、次のように単3形と単4形でそれぞれ3種類あります。
ニッケル水素電池の電気容量
- 単3形のニッケル水素電池:1000mAh、2000mAh、2500mAhくらいの3種類があります。
- 単4形のニッケル水素電池:500mAh、750mAh、1000mAhくらいの3種類があります。
※充放電の繰り返し使用回数は電池容量で異なり500~5000回です。
電気容量の選び方ですが、1回の充電で長い間使いたい場合は高容量の電池、繰り返しの耐久性で選ぶ場合は低容量の電池を選んでください。
※電気容量が大きくなる程、繰り返し使用できる回数は少なくなりますので注意してください。
ニッケル水素電池の特徴としては、
ニッケル水素電池の特徴
- 充電すれば繰り返し使用できる
- 終始1.2Vの電圧を維持する
- 低温に強い
- 自己放電が少ない
- マンガン電池、アルカリ電池よりも価格が高い
- 繰り返し使えば電池の費用は安い
などが挙げられます。
なお、昔のニッケル水素電池は、メモリー効果と自己放電があったので使いにくかったですが、最近の商品はその問題点が改善されているので継ぎ足し充電でき自己放電も少ないので長期保存もできます。
おすすめのニッケル水素電池+充電器のセット
商品名:パナソニック エネループ 充電器セット 単3形充電池 4本付き スタンダードモデル K-KJ83MCC40
私がおすすめするニッケル水素電池はパナソニックのエネループです。エネループはメモリー効果と自己放電は改善されているので、継ぎ足し充電でき満充電後は長期保管もできます。
エネループってたしか三洋電機の商品じゃなかったのと思っている方が見えますが、三洋電機はパナソニックに吸収されましたので今はパナソニックの商品として売られています。
充電池を充電する時は専用の充電器が必要ですので、充電池+充電器のセット商品を選ぶのがおすすめです。
電池を頻繁に繰り返し使う環境におられる方は、マンガン電池、アルカリ電池を使うよりも充電池を使った方が費用は節約できます。
ニッケル水素電池の充電器
二次電池のニッケル水素電池を充電するには専用の充電器が必要です。
充電とは、充電器から二次電池(ニッケル水素電池は1.2V)の公称電圧よりも少し高い電圧で二次電池に電流を送ることをいいます。
なぜ、充電電圧は二次電池よりも電圧を高くしなければいけないのかというと電流が逆流してしまい充電できないからです。
二次電池を充電する時は、充電器を家庭の商用交流100Vのコンセントにつないで、交流100Vを充電器の内部の電子回路(電圧を低くして直流に変える装置)を用いて二次電池の充電に適した直流電圧に変換して充電させ、二次電池を充電した後に電子機器の電池ボックスに電池をセットして放電させて電流を取り出して使います。
満充電までの目安の時間は、充電器のグレードによって異なりますがおおよそ単三形4本で約6時間かかります。
二次電池の充電を完了させる仕組みは、端子電圧、温度、タイマーなどで判断しています。
主流になっているのは、満充電になると端子電圧がわずかに低下する時の電圧の変化を検知して充電を停止する-△V制御です。
なお、-△V制御、温度制御などの検知機能が付いていない充電器で充電して過充電の状態にさせると電池の寿命が短くなるので注意してください。
(記事作成日:2018年1月27日、最終更新日:2019年9月14日)