インクジェットプリンターで印刷できなくなる前の予防法と印刷できなくなった後の対処法
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- プリンターの基礎知識とインク詰まりの解決方法
- 目的(解決できる悩み)
- インクジェットプリンターのインクが目詰まりを起こさないようにする予防方法とインクが目詰まりして印刷できなくなった時の解決方法がわかるようになること
- 目次
- 1.プリンターが印刷できなくなる前に行う予防法
- インクが目詰まりするってどういうこと?
- インクが目詰まりしないようにする対策
- 2.プリンターが印刷できなくなった時(目詰まりが起きた時)の対処法
- プリントヘッドクリーニング機能を使う
- プリントヘッドを取り外してぬるま湯で洗う
- プリントヘッド洗浄液を使う
- 何をしてもインクの目詰まりが直らなかった時の対処方法
1.プリンターが印刷できなくなる前に行う予防法
家庭にあるインクジェットプリンターを長い間電源をOFFのままにしておくとインクがノズルに詰まって印刷できなくなることがあります。
インクが詰まらないようにするには印刷しなくても定期的に電源をONにすれば防ぐことができます。
インクが目詰まりするってどういうこと?
自宅にあるプリンターで1カ月前までは普通にカラー印刷できていたのに、ある日突然印刷されなくなったという経験ありませんか?
また、カラーの部分は普通に印刷できているのに黒色の文字だけが印刷できなくなることもよく起こります。
そのようなことが起きたら運が悪いとしか言いようがありませんよね。
家庭で一般的に普及しているインクジェットプリンターの良くない特徴としては、インクの目詰まりが原因で色が紙に印字されないことがよく起こることです。特に黒色のインクは他のカラーの色よりも固まる確率が高いらしいです。
カラーの印刷がされなくても黒色さえ印字できればモノクロ印刷としてプリンターの機能は果たしますが、黒色が印字されないとなると致命的な痛手でプリンターとしての使い道がありません。
では、紙に印刷されないことは何が原因だと思いますか?
紙に印刷がされてないという問題は、システム的なことで印刷設定が上手くいっていない場合を除いては、ほとんどがインクがノズル付近で固まりインクが流れる通路に目詰まりが起きて印刷ができてないことが原因となります。
ですので、プリンターを調子良く使うにはインクの目詰まりが起きないようにする対策が必要になります。
インクが目詰まりしないようにする対策
プリンターに装着してあるインクが目詰まりしてからでは目詰まり解消作業が面倒です。おまけに作業に時間がかかりますので、インクの目詰まりを起こさないように日頃から簡単な作業をして目詰まりの防止をしましょう。
インクが固まって目詰まりしやすい条件としては、次のことが挙げられます。
インクジェットプリンターのインクが固まる要因
- プリンターの電源を長期間ONにしていない
- 用紙に印刷していない
- 古いインクを長い間使い続けている
つまり、目詰まりが起きないようにする対策としては、1~2週間に1回プリンターの電源をONにしてカラー印刷することです。
プリンターの電源をONにするとヘッドクリーニングが自動で行われ、用紙に印刷をすればインクの目詰まりの予防になります。
但し、ヘッドクリーニングはインクを使いますので、インクの残量が空になっている又は空付近になっているカートリッジではヘッドクリーニングが正常に行えません。インクの残量が空付近であるカートリッジは、早めに新品のカートリッジに取り換えることをおすすめします。
この作業をするだけでインクの詰まりが起きないようにする対策ができます。
なお、プリンターメーカー純正のインクを使っているからといってインクの目詰まりが起きないというわけではありません。社外品のインクを使うよりも目詰まりが起きにくいだけです。私は純正のインクを使い続けていましたがよく目詰まりが起きていました。
2.プリンターが印刷できなくなった時(目詰まりが起きた時)の対処法
プリンターのインクが目詰まりしてしまうとどれかの色が印刷されなくなります。
よく目詰まりを起こす色といえば黒色です。文字を印刷する時に一番重要な色といえば黒色なのに、もし、目詰まりしてしまったら色が出ませんので、インクが流れる通路の途中で固まったインクをはがす又は溶かすかを行うしか復旧の方法はありません。
インクの目詰まりを解消させる主な方法としては、
インクジェットプリンターのインクの目詰まりを解消させる方法
- プリンターに内蔵されているプリントヘッドクリーニング機能を使う
- プリントヘッドを取り外せるプリンターは取り外してぬるま湯で洗う
- プリントヘッド洗浄クリーニング液を使って洗浄する
が思い当たります。
いずれの方法を使っても、カートリッジからインクを供給する所からヘッドの間のインクが流れる通路を洗浄して詰まりを直し元通りにすれば印刷ができるようになります。
プリントヘッドクリーニング機能を使う
カートリッジのインクの残量が空ではないのにプリンターからインクが出てこなくなった時はプリントヘッドクリーニング機能から試してください。
まずは、ヘッドクリーニング機能を使う前にパソコンからプリンターの管理画面を立ち上げてノズルチェックをしてください。ノズルチェックはラインを複数回印刷して正常に印刷されているか(かすれがないか、印刷されていない所はないか)を確認する機能です。
※ノズルチェックがないプリンターもあります。
もし、ラインがかすれていたり、印刷されない所があれば、次の作業はヘッドクリーニング機能を使います。
ヘッドクリーニング機能とは、インクが出てきて紙に印刷する箇所を洗浄する機能です。
※ヘッドクリーニング機能はインクの減りがものすごい早いです。インクの残量が残りわずかな時にヘッドクリーニングを数回行う場合は、新しいインクカートリッジを用意してください。
新品のカートリッジをセットした時は通気口がふさがっていないか確認してください。もし、通気口がふさがっているとインクは出てきません。
ノズルチェックとヘッドクリーニングを交互に2~3回繰り返してインクの詰まりが解消されるか試してください。
プリントヘッドを取り外してぬるま湯で洗う
ヘッドクリーニング機能を使ってもインクの詰まりが解消できなかった時は、プリントヘッドを洗ってください。
但し、プリントヘッドを洗えるのはプリントヘッドが取り外せるタイプのプリンターをお持ちの方に限ります。
プリントヘッドを取り外す時はレバーを持ち上げて取り外してください。キャノンのプリンターはプリントヘッドを取り外せるタイプが多いです。
プリントヘッドの洗い方は、プリントヘッドを本体から取り外して基盤が濡れないようにしてぬるま湯で洗います。
また、プリントヘッドとインクカートリッジが一体型になっているタイプでは、目詰まりが起きたらカートリッジを取り換えれば解消されます。
なお、プリントヘッドが取り外せないタイプのプリンターで無理やりプリントヘッドを取り外すと故障の原因になるのでプリントヘッドを取り外さないようにしてください。
プリントヘッド洗浄液を使う
プリンター内蔵のヘッドクリーニング機能を使ってもダメ、プリントヘッドを取り外して洗ってもダメな場合は、最終手段としてヘッドクリーニング液を使って洗浄してください。
ヘッドクリーニング液は、主に、カートリッジタイプと注射器のタイプの2種類があります。
- カートリッジタイプ
- カートリッジタイプでは、お使いのインクカートリッジを取り外して、洗浄液が入ったカートリッジに取り換えてセットし、プリンター内蔵のヘッドクリーニング機能を使って洗浄します。
- インクの固着具合によっては、数日間洗浄液が入ったカートリッジをはめたままにします。
- 軽い目詰まりの症状に有効です。
- 注射器のタイプ
- 注射器のタイプでは、洗浄液を注射器に入れて、注射器のチューブをカートリッジからインクを供給する所にセットし洗浄液を出し入れして洗浄します。
- 重い目詰まりの症状には注射器で圧力をかけることが有効です。
- 但し、ピストンを速く強く押しこむとチューブが外れて液が飛び散ります。作業はゆっくり根気よく行ってください。
エプソンとキャノンのプリンターで説明すると次の通りです。
プリントヘッド洗浄液の使い方
- エプソン:カートリッジタイプでも注射器タイプでも使えますが、注射器タイプの方が目詰まり解消に効果はあります。
注射器に洗浄液を入れ、カートリッジからインクを供給する所に注射器のチューブを差し込んでピストンを押したり引いたりして圧力を掛けて綺麗にします。 - キャノン:カートリッジタイプが主ですが、プリントヘッドに洗浄液をつけて、注射器に洗浄液を入れて注射器のチューブをカートリッジからインクを供給する所にセットして、注射器のピストンを押して洗浄液をノズルに向かって入れ込むとより効果的に解消できます。
プリントヘッド洗浄液は家電量販店のプリンター売り場に売っていますし、インターネットショップからでも購入できます。値段は数百円から数千円と様々な種類があります。
なお、カートリッジタイプでヘッドクリーニングする場合は、対応機種を確かめてから購入してください。
おすすめのプリントヘッドクリーニング液
商品名:EPSON用プリンタヘッドクリーニング液 顔料 染料 両対応 PP-HC-E01
商品名:Canon用プリンタヘッドクリーニング液 顔料 染料 両対応 PP-HC-C01
何をしてもインクの目詰まりが直らなかった時の対処方法
ここで紹介しましたいずれかの方法を使ってもインクの目詰まりが直らなかった場合は、次のように、新品のプリントヘッドに替える、メーカーで修理してもらう、新品のプリンター本体に替えるしかありません。
目詰まりが直らなかった時の対処方法
- キャノン製品のようにプリントヘッドが取り外しできるタイプは家電量販店やネットショップで新品のプリントヘッドを購入して交換する
- プリントヘッドが取り外しできないプリンターはメーカーに依頼して修理する
- 新品のプリンターを購入する
プリンターのインク詰まりをメーカーに修理してもらうと新品を買うよりも費用が安くなると思われている方がいますが、修理してもおおよそ1万円くらい掛かります。
そんなに修理費用がかかるんだったら、新品のプリンターを購入した方がいいんじゃないのと思われた方も多いでしょう。その通りです。安価なプリンターなら1万円あれば新品で購入してもお釣りがきます。
今まで使ってきたプリンターが高価な機種やプリンターに愛着がある方は修理に出すことをおすすめします。費用を安くしたい方は新品の安価モデルのインクの本数が少ない機種の購入をおすすめします。インクの本数が少ない方がインクの費用の節約になります。
(記事作成日:2016年8月5日、最終更新日:2021年10月30日)