コンパクトデジタルカメラの正しい選び方
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- コンパクトデジタルカメラの選び方と綺麗な写真の撮影方法
- 目的(解決できる悩み)
- コンパクトデジタルカメラの選び方がわかるようになること
- 目次
- 1.デジタルカメラの特徴と選び方の基礎知識
- デジタルカメラでの撮影目的を明確にしよう
- 2.コンパクトデジタルカメラの選び方
- 撮像素子のタイプとサイズ
- 開放F値
- ズーム機能
- 手ぶれ補正機能
- マクロ機能
- サイズ、重量、撮影枚数
1.デジタルカメラの特徴と選び方の基礎知識
みなさんは、コンパクトデジタルカメラを使って写真を撮っていますか。
最近では、スマホのカメラの高性能化によって、コンパクトタイプのデジタルカメラの販売低迷が続いていますが、それでもスマホのカメラで撮影した写真よりもコンパクトデジタルカメラで撮影した写真の方が高画質なのは確かです。
スマホのカメラ、コンパクトデジタルカメラ、デジタル一眼レフカメラの特徴と選び方を紹介します。
デジタルカメラでの撮影目的を明確にしよう
最近のコンパクトデジタルカメラは昔に比べると性能が格段に良くなり、撮像素子の有効画素数やズーム倍率などはデジタル一眼レフカメラと引けを取らないくらいまで進化しています。
私が思うコンパクトデジタルカメラのいいところは、
コンパクトデジタルカメラのいいところ
- ポケットに入るコンパクトなサイズ
- 重さが約150gという軽量なので持ち運びが簡単
- 広角から望遠までレンズ交換なしで撮影できる
- 価格が安い(エントリーモデルでは1万円からあります)
ということです。
では、デジタル一眼レフカメラの魅力は何かと言えば、絞りを活用した背景のぼかし、バルブ機能を活用した夜の撮影(夜景、花火、星空)や滝などの流れがある撮影が自分の思いのままにできることです。
デジタル一眼レフカメラは綺麗な写真の撮影は可能ですが、次のようにデメリットもあります。
デジタル一眼レフカメラのデメリット
- カメラ本体は大きいし重たい
※重量は約500gあります。 - 交換レンズがないと撮影できない
※交換レンズの性能の良し悪しでいい写真が撮影できるか決まります。 - カメラ本体と交換レンズの持ち運びが疲れる
※単焦点レンズ、標準ズームレンズ、望遠ズームレンズなどいろいろな種類のレンズがありますが、カメラ本体と交換レンズの重さを合わせると約1kgにもなります。 - 価格が高い
※カメラ本体1台とズームレンズ1本で合計すると10万円くらいします。
本格的に写真を撮影するという方はデジタル一眼レフカメラでないと綺麗な写真の撮影は難しいですが、普段のちょっとしたスナップ写真(風景、人物のポートレート、夜景、マクロ)を気軽に撮影するという目的なら、コンパクトデジタルカメラの方が適しています。
夢のデジタル一眼レフカメラを購入したけど、交換レンズの価格が高いし重量が重たく持ち運びに苦労するので、下取りに出してコンパクトデジタルカメラに変えたという人もいます。
また、撮影の基礎を勉強しないとデジタル一眼レフカメラの機能を最大限活用できないので、シャッターボタンを押すだけでそれなりの写真が手軽に撮れるコンパクトデジタルカメラの使いやすさがわかったという人もいます。
スマホのカメラ、コンパクトデジタルカメラ、デジタル一眼レフカメラはどういう撮影目的の人が向いているのかというと、
撮影目的別のカメラの選び方
- スマホのカメラ:ネットにアップする日常的な写真が撮りたい人
- コンパクトデジタルカメラ:スマホよりも綺麗にスナップ写真が撮りたい人
- デジタル一眼レフカメラ:自分の思い通りに写真が撮りたい人。思い通りに撮影するには、絞りとシャッタースピードの関係、露出やレンズのF値などの知識が必要
というように、それぞれのデジタルカメラで使用目的が異なってきます。
家電量販店の店員が勧めてくる商品をなんとなく選ぶのではなく、撮影目的は何かということをよく考えてから選んでください。
ここでは、買った後に後悔しないように、コンパクトデジタルカメラの正しい選び方を説明していきます。
2.コンパクトデジタルカメラの選び方
カメラの製品カタログを見ていると、聞き慣れない言葉がたくさんでてきますが、基本的にはコンパクトデジタルカメラを選ぶ時は、
コンパクトデジタルカメラを選ぶ項目
- 撮像素子のタイプとサイズ
- 開放F値
- ズーム機能
- 手ぶれ補正機能
- マクロ機能
- サイズ、重量、撮影枚数
の計6項目をメーカーの製品カタログを見て比較しながら選んでください。それぞれの項目は綺麗な写真の撮影に影響してくるので、できるだけ妥協しないようにしましょう。
撮像素子のタイプとサイズ
撮像素子のタイプには、CCD(シーシーディ)とCMOS(シーモス)があります。
CCDとCMOSのそれぞれの特徴は、
CCDとCMOSの特徴
- CCD:CMOSよりも画質は良いが処理速度が低速
- CMOS:CCDよりも画質は劣るが処理速度が高速
というように、性能は一長一短です。
また、最近のコンパクトデジタルカメラのCMOSには、高感度CMOS(裏面照射型)という種類が搭載されていて、高感度時に撮影した時のノイズを抑えて高画質にすることができる技術です。
CCDとCMOSは共に受光素子といわれるものが表面に並んでおり、レンズを通して入ってきた光を受光素子が受け取って電気信号に変換する役割をします。
受光素子で電気信号に変換した後は、画像処理エンジン(キャノンはDIGIC、ニコンはEXPEED)といわれているものでデジタルデーターを作りメモリーカードへ記録される仕組みです。
デジタルデータの画像は画素という小さなドットが網目状に並んで表現されているので、画素数(有効画素数)が多いと高画質になることはだれの目から見てもわかります。
※有効画素数とは、撮像素子のすべての画素の中で実際に使われている部分の画素のこと。撮像素子の外周部分の画素はノイズの影響を受けるので利用されていません。
但し、注意が必要で、画素数が多くなると共に、撮像素子のサイズも大きくならなければ、レンズを通して入ってきた光が当たる撮像素子の面積が小さいままなのでノイズが乗りやすく画質が落ちるからです。特に夜景などの夜の撮影でノイズが目立ちやすくなります。
最近のコンパクトデジタルカメラに採用されている撮像素子のサイズは、
最近の撮像素子のサイズ
- 1/2.3型
- 1/1.8型
などが主流です。
何分の何型とはどういうことかというと、1/2.3=0.43、1/1.8=0.56ですよね。
したがって、
1/2.3型と1/1.8型の撮像素子のサイズ
- 1/2.3型は、1型に対して0.43倍した撮像素子のサイズ
- 1/1.8型は、1型に対して0.56倍した撮像素子のサイズ
という意味になります。
上の2つの撮像素子のサイズを例にすると、1/1.8型よりも1/2.3型の方がサイズが小さいので、商品が小型に作れてコストダウンしていると推測できます。
※撮像素子が小さい程商品の価格が安く小型化している傾向があります。
エントリーモデルのコンパクトデジタルカメラは1/2.3型が主流になっているので選びようがありませんが、高画質タイプ(キャノンのプレミアムシリーズなど)のコンパクトデジタルカメラは1型を採用しています。
コンパクトデジタルカメラを購入する時は、撮像素子のタイプはどちらでもよく、撮像素子のサイズが大きく有効画素数が多い商品を選ぶようにすれば、画像の情報量が増え画質が良くなりノイズの発生の低下につながります。
余談になりますが、最近はコンパクトデジタルカメラはエントリーモデルでも有効画素数が2000万画素を超えていますがそんなに必要ないです。画素数が多いと高画質になりますが、その反面データ量が増えるのでメモリーカードに記録できる枚数が減ります。L版(サービス版)でプリントして楽しむという方は500~1000万画素あれば十分です。
開放F値
開放F値(かいほうエフち、かいほうエフナンバー)という言葉を初めて聞いた人は多いのではないでしょうか。
開放F値とは、レンズの絞りを目一杯開けた時にレンズを通して撮像素子が受ける光の明るさのことです。
F値とは、絞り値のことを表しています。
例えば、開放F値がF3.6ー7.0と書かれていれば、
F3.6ー7.0の意味
- 広角側の最小のF値(絞り値)は3.6
- 望遠側の最小のF値(絞り値)は7.0
という性能のデジタルカメラになります。
開放F値は個々のデジタルカメラのレンズ固有の光学性能なので、設定をいろいろ変えてもその開放F値よりも絞りの値を小さくすることはできません。
コンパクトデジタルカメラを購入する時は、開放F値ができるだけ小さい商品を選ぶようにしましょう。
開放F値が小さいと何が良いのかと言うと、
開放F値が小さいデジカメの特徴
- たくさんの光を撮像素子に当てれるのでシャッタースピードを速くできる
※手ぶれの低減になります。 - 被写界深度を浅くできるので背景をぼかすことができる
※被写体を強調できます。
というように写真の撮り方が広がります。
コンパクトデジタルカメラのエントリーモデルはF3.6ー7.0の商品が多いですが、高画質タイプ(キャノンのプレミアムシリーズなど)のコンパクトデジタルカメラは、ズーム機能は劣りますがF1.8ー2.8を採用しています。
ズーム機能
ズーム機能には、光学ズームとデジタルズーム(電子ズーム)の2種類あることをご存じですか。
光学ズームとデジタルズームの特徴は次のようになります。
光学ズームとデジタルズームの違い
- 光学ズーム:レンズと撮像素子までの焦点距離を光学的に変えているので画像の劣化なく拡大できる
- デジタルズーム:光学的に拡大せずにデジタル画像を拡大するので画像が劣化する
光学ズームと電子ズームは全く違う拡大方法なので画質の良い悪いにつながってくることを覚えておきましょう。
例えば、35mmフィルム換算で最小の撮影画角が24mmで、光学ズームの倍率10倍、デジタルズームの倍率5倍などと書かれていたら、
光学ズームとデジタルズームの倍率
- 光学ズームを使うと、24mm×10倍=240mmまで撮影可能
- さらにデジタルズームを使うと、240mm×5倍=1200mmまで撮影可能
というように、数字が大きくなるほど遠くのものを拡大して撮影することができますが、画像の劣化なく撮影できる画角は240mmまでです。デジタルズームは画質が劣化するので滅多に使いません。
昔のコンパクトデジタルカメラといえば、光学ズームの倍率は3倍くらいが普通でしたが、最近は高倍率の商品があります。コンパクトデジタルカメラを購入する時は、光学ズームの倍率が5倍以上(120mm以上)のモデルを選ぶと使いやすいです。
手ぶれ補正機能
最近はコンパクトデジタルカメラにも搭載されている手ぶれ補正機能ですが、レンズシフト式、イメージセンサーシフト式、電子式の3タイプがあります。
レンズシフト式、イメージセンサーシフト式、電子式の特徴は次のようになります。
手ぶれ補正のタイプ
- レンズシフト式補正:レンズを動かして光学的にブレを補正する
- イメージセンサーシフト式補正:撮像素子を動かして光学的にブレを補正する
- 電子式補正:ブレたデータをブレていないようにデータを加工する
電子式はデータを加工してしまっているので明らかに画質が悪くなることが想像できますよね。
したがって、コンパクトデジタルカメラを購入する時は、光学的に手ぶれ補正するレンズシフト式かイメージセンサーシフト式が搭載されている商品を選びましょう。
マクロ機能
ズーム機能は遠くの物を拡大するのに対して、マクロ機能は近くの物を接写(拡大)する機能です。
近くの物を接写することはさほど多くはないと思いますが、花や虫を接写して写真を楽しんでいる方はちらほらみえます。
最近のコンパクトデジタルカメラはマクロ機能も充実しており、
マクロ機能の種類
- レンズ面の先端から被写体まで1cmまで寄れるモデル
- レンズ面の先端から被写体まで10cmまで寄れるモデル
など、様々なマクロ機能を搭載したモデルが用意されています。
※エントリーモデルは10cmまで寄れるマクロ機能が多いです。
デジタル一眼レフカメラで接写を楽しむにはマクロレンズを購入しなければいけませんが、コンパクトデジタルカメラは接写機能が組み込まれているので手軽に楽しめます。
マクロ機能を使うという方、被写体の近くに寄れる程大きく拡大できます。被写体へ向けて何センチまで寄れるのか確認してから選びましょう。
サイズ、重量、撮影枚数
コンパクトデジタルカメラと言えども、エントリーモデルから高画質モデルまであり、サイズ、重量は異なります。
※高画質モデルは、デジタル一眼レフカメラと同じような形をしていますがレンズ交換がでないタイプです。
コンパクトデジタルカメラは、コンパクトというだけあって、エントリーモデルでは次のようにサイズはスリムで重さは軽量のモデルがいくつもあります。
コンパクトデジタルカメラの一般的なサイズ
- 幅:100mm、高さ:60mm、奥行き:22mm
- 重量:150g
なお、高性能な機種になるほど、サイズは大きく重量は重たくなります。
撮影枚数に関しては、どのモデルでも200枚くらい撮影でき、充電池の充電時間は2時間くらいで満充電となりますが、専用の充電池を使わず市販の単三電池を使う機種もあります。単三電池が使えるモデルなら電池切れになっても予備電池を簡単に入手可能ですよね。
コンパクトデジタルカメラを購入したのに全然コンパクトじゃない、とならないようにサイズと重量を確認して選んでください。
(記事作成日:2017年5月29日、最終更新日:2021年8月26日)